薄切りにしたロース肉をお湯にさっとくぐらせてタレをつけて食すしゃぶしゃぶは、外国人向けのカタコト日本語になるほどに冬の定番料理です。しかし、本当はしゃぶしゃぶは夏の風物詩として考案されたってご存知ですか?
真夏に売り上げが落ちる焼肉店のために考案
元々しゃぶしゃぶは夏の風物詩として売り出されました。理由は、うなぎ屋と同じで暑い夏には、焼肉屋の売り上げが落ちたからです。うなぎの場合は名コピーライター平賀源内が土用丑の日で売り出しましたが、しゃぶしゃぶは、肉を薄切りにして脂をお湯で取り、さっぱりさせて食べやすくする工夫で売り上げを回復しようとします。しかし、どういうわけか次第に冬の鍋としての存在感が強くなり、今では冬の定番になっています。
しゃぶしゃぶの語源は?
しゃぶしゃぶの語源は、薄切り肉をお湯にくぐらせるときのしゃぶしゃぶという擬音だと言われていますが、実はそうではないようで、しゃぶしゃぶを考案した大坂の老舗料理店「スエヒロ」の三宅忠一氏が1952年に、店のスタッフがおしぼりを、たらいでじゃぶじゃぶ洗っている場面から連想したそうです。白いおしぼりをたらいで洗うのはいかにも涼し気であり、このあたりも、しゃぶしゃぶが、元々夏の料理だった事を裏付けているように感じます。
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