エネルギーと食糧資源国であるロシアは、この2つを外交の切り札として利用してきました。特にウクライナ戦争でEUと歩調を合わせロシアへ経済制裁したドイツに対しプーチン大統領は天然ガスの供給を停止。これでドイツが音を上げると見ていましたが、逆にドイツはロシア資源に依存する危険性に気づき始めたようです。
カタールとの間で年間200万トンのLNG購入契約を結ぶ
ロシアからの天然ガスの輸入が出来なくなったドイツですが、ここから死に物狂いで代替エネルギー獲得に奔走。カタールとの間で液化天然ガスを年間200万トン15年間にわたり購入する契約を結び、さらにノルウェー、カナダなどの調達先の多様化を進めました。
当然、これらの国々に足下を見られ、高値を吹っ掛けられたドイツですがEUの勝ち組である立場を利用し金を使い国内の需要をなんとか満たしたのです。2022年は幸いにドイツが暖冬であったこともあり、ドイツはエネルギー危機をとりあえず乗り切りました。
中国とも距離を置き始めたドイツ
天然ガス資源を餌にドイツを操ろうとしたプーチン大統領の思惑は裏目にでました。ドイツはロシアを安定的な資源供給国だと認識した自国の甘えを打ち砕かれ現実を見るようになっています。同様にドイツは政治的な理由でレア・アースの供給を一方的に断ち切る中国などに対しても安定的な資源供給国ではないとして見切りをつけているようです。プーチン大統領はドイツを困らせようとして、藪を突いて蛇を出したのかも知れません。
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