ロシア・ウクライナ戦争の開戦から550日が経過し、ウクライナ軍の反転攻勢により南部ザボリージャ州ではロシア軍が設置した対戦車用の防御壁、「竜の歯」にウクライナ軍の戦車、チャレンジャーが到達する映像まで流れるようになりました。同時にロシア軍の敗走が度々、報じられるようになりましたが、敗走を日本人の感覚で捉えると間違えてしまいます。
大陸国では不利になると逃げるのは普通
日本のような島国では、逃げるというと全てを捨てての逃亡=敗走と認識しがちです。しかし、これは世界の常識ではなく、どこまでも陸地が広がる大陸では戦況が不利になると逃げるのが普通で、少し逃げては別の陣地に入り込んで、また頑強に抵抗するのが当たり前なのです。
日露戦争で日本軍もロシアの陣地戦に苦しんだ
現在、ウクライナ軍はロシア軍がウクライナの占領地に構築した竜の歯と呼ばれるコンクリート製の戦車防壁や塹壕、地雷に苦しめられていますが、百年以上前の日本軍も、満洲の地において、帝政ロシアのセメントを用いた頑強な陣地と新兵器機関銃に苦しめられました。ロシア軍は陣地の内側に籠って抵抗し、不利になると大挙して逃げ、別の陣地に籠って抵抗するので日本軍は僅かしか進めずに疲労し苦戦を強いられたのです。日露戦争から118年経過したとはいえ、民族の基本的な戦い方はあまり変化しないようですね。
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