ウクライナは、南部での6月からの反転攻勢で厳しい戦いを強いられ、多くの戦車と装甲車を失いました。しかし、喜ばしい知らせが舞い込んできました。ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギーの欧州諸国が、ウクライナに向けて200両ものレオパルド1戦車を提供する予定です。しかし、ウクライナには喜べない理由も存在します。
現役のレオパルド2が提供されず
ウクライナがレオパルド1戦車供与に対して微妙な反応を示すのは、レオパルド1が旧式の戦車であるためです。欧州諸国では現在、レオパルド2が主力として活躍しており、ウクライナもこれを希望していますが、NATO諸国は慎重な姿勢を取っています。自国の防衛力低下を懸念して、現役の戦車を提供することに消極的なのです。最低限、アップグレードされた後のレオパルド2が提供されることを望む声があります。
厳しい状況下でのレオパルド2の被撃破
レオパルド2戦車すら、南部の反転攻勢中においてロシア軍のT-90戦車に少なくとも10輌が破壊されました。このような状況下で、装甲板がわずか70ミリしかないレオパルド1は、ロシア軍の強力な火力に対して紙のように脆弱であり、実戦で有用性を発揮するのは難しいでしょう。
創意工夫による旧式戦車の活用
ただし、ウクライナに供与されるのはレオパルド1だけでなく、アメリカ製のM-1エイブラムス戦車も含まれています。M-1エイブラムスは旧式ではありますが、分厚い装甲と120ミリの滑腔砲、コンピュータ制御の射撃などによって、ロシアのT-90を上回る性能を持っています。合計31輌のM-1エイブラムスが供与される予定であり、これを最前線で運用し、背後をレオパルド1で支援することで、まだ戦闘での有効性を維持できる可能性があります。
ウクライナ軍の創意工夫の限り
ウクライナ軍は国土を守るために全力を尽くしており、旧式戦車でも歓迎される理由は、どんな戦車であっても「無いよりはまし」だからです。ウクライナのエンジニアは過去にも、旧式のソ連製爆撃機を改良してイギリスの巡航ミサイルを搭載したり、奇想天外なアプローチで旧式兵器を最新のものに変えてきました。今回も大量のレオパルド1戦車が、創意工夫によって新たな力を発揮するかもしれません。
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