ロシア通貨ルーブル、1ドル=100ルーブルを突破し、価値が半減

2023年8月26日


みずほ銀行風

 

2023年8月14日、ロシアの通貨であるルーブルは1ドル=100ルーブル台に低下し、約1年5カ月ぶりの最低値となりました。この急落幅は、ウクライナ侵略の直後である2022年3月に記録した史上最低値である1ドル=120ルーブルに匹敵するものです。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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2022年6月には1ドル=76ルーブルだった経緯

 

ロシアのウクライナ侵略とそれに続く西側諸国からの経済制裁により、戦闘開始直後には1ドル=120ルーブルにまで低下していましたが、その後は持ち直して、2022年6月には1ドル=76ルーブルに回復しました。しかしながら、2023年初め以来、ルーブルはドルに対して25%の価値を失い、ここ数週間での急落が続いています。ブルームバーグ通信によれば、この年初からのルーブルの25%の下落率は、新興国通貨の中では、トルコリラやアルゼンチンペソに次ぐ最低記録とのことです。

 

 

ロシア中央銀行と政府の対立

世界史02 プーチン風大統領

 

ルーブルの急落に関しては、政府高官とロシア中央銀行の見解が食い違っています。プーチン大統領の経済顧問であるマクシム・オレシキンは、最近のルーブルの下落とインフレの加速は、ロシア中央銀行の金融政策の緩和が原因だと非難しました。一方、ロシア中央銀行は、ルーブルの下落は外国との貿易の悪化に起因するものだと主張し、ルーブル相場を支えるために行っていた年外貨の購入を年末まで停止すると発表しました。ロシアは堅実な姿勢を保っていますが、長期間にわたる経済制裁とウクライナ侵略の影響は、ルーブルの価値を低下させています。

 

ルーブルの価値減少とエネルギー輸出

世界史03 習近平風国家主席

 

ルーブルの価値減少は、これまで天然ガスや原油の輸出に支えられてきた面もありました。しかし、この価値減少は、欧州諸国やアメリカがロシアとの取引を制限した経済制裁の影響を受けています。ただし、ロシアは欧州に代わり、アジア諸国や中国、インドなどにエネルギーを輸出し、外貨を得ています。需要の高まりも見受けられるため、ルーブルの下落が一段と進行するかどうかは未知数です。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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