ウクライナ軍は陸軍の強化には成功したものの、空軍においては初期から望んでいたF-16がアメリカの反対により手に入らず、制空権の喪失による反転攻勢の苦境を強いられてきました。しかし、熱心な交渉の成果として、ウクライナ軍は待望のF-16を100機以上導入する見通しとなっています。
F-35ステルス戦闘機から生まれるF-16供与のチャンス
ノルウェー政府は8月24日に、新型F-35ステルス戦闘機の導入に伴い余剰となるF-16をウクライナに提供する意向を表明しました。ノルウェーだけでなく、オランダやデンマークもF-16供与を提案しており、これらの提供が実現すればウクライナは最大で60機のF-16を手に入れることになります。さらに、既に退役したF-16を再整備する必要があるアメリカとは異なり、ヨーロッパ諸国ではF-16が現役であり、ウクライナが即戦力として導入できるメンテナンスの必要性も低くなるでしょう。
60機のF-16で形成される戦闘部隊
通常、F-16は12機が1つの部隊を構成します。60機の導入ならば、最大4つの航空部隊を編成することが可能であり、特にロシアとの激しい戦いが続く南部戦線に配置することで、ロシア空軍の攻撃を撃退し占領地を奪還する能力が向上します。この導入によって、ウクライナ軍は現有の旧ソ連戦闘機の半数を更新することができ、ウクライナ空軍の戦力は1.5倍に拡充される可能性があります。
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