東京ディズニーランドの[入場券価格]は高すぎるのか?

2023年11月11日


日本最古の銀行(現・みずほ銀行)を設立する渋沢栄一

 

 

2023年6月23日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを経営するオリエンタルランドは、大人向け(18歳以上)の「1Dayパスポート」の最高料金を1万900円に引き上げると発表しました。この値上げに続いて、ユニバーサルスタジオジャパンも8月中旬に大人向け料金を1万400円に引き上げました。この動きにより、ディズニーランドへの訪問がますます高額になり、一部の人々から不満の声が上がっています。しかし、ディズニーパスポートの価格上昇は理不尽な事なのでしょうか?

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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 オリエンタルランドの価格調整の必然性

2024年に紙幣になる渋沢栄一

 

オリエンタルランドが、なぜ1Dayパスポートの価格を引き上げたのか、その主要な理由は、ディズニーランドの設備投資費用と人件費を維持し、利用者の満足度を高めるためです。ディズニーランドが開園した当初、入場料は3900円で、年間の入場者数は1000万人でした。1990年代のバブル期には1600万人に増加しましたが、2001年にディズニーシーがオープンすると、入場者数は2000万人を超え、2013年には3000万人を突破しました。この増加は単なる偶然ではなく、オリエンタルランドがアトラクションの拡充やディズニーシーのオープン、設備の拡張、サービススタッフの増員など、経営努力と設備投資によるものです。これらの投資を回収するためには、入場料を調整することが不可欠でした。また、最近のウクライナ戦争による物価上昇も価格の引き上げを必要とさせました。

 

 

ディズニーランドの混雑の正体

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東京ディズニーランドは、海外からの入場者が10%未満で、入場者の60%が関東地域から来ています。言い換えれば、ディズニーランドの混雑は遠方からの来場者ではなく、古くからのリピーターや頻繁に通う常連客によって引き起こされています。これはディズニーランドの顧客構成にも反映されており、2013年の調査によれば、18歳から39歳の客が49.5%を占め、40歳以上が21.1%で、18歳未満は29.4%です。統計データから見ると、東京ディズニーランドは主に大人向けのテーマパークであり、言い換えれば、ディズニーランドの混雑は主に関東近郊から来る中年のファンによって引き起こされていると言えます。

 

 

高品質と低価格の過度な要求は逆効果

始皇帝

 

日本の顧客は、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供されることを期待します。これは顧客として当然の要求ですが、これが過度になると、企業は物価上昇や設備投資によるコスト増加をカバーできず、代わりに従業員の給与を抑えたり、過重な労働を課すなどのブラック労働の温床になります。この傾向は日本全体に広がっており、バブル崩壊以降、実質給与が30年以上も増加しておらず、むしろ減少しているデフレスパイラルを引き起こしています。良い業績を上げる企業は当然サービス料金を引き上げています。この事実を理解せずに、料金の引き上げに反対することは、結局は自身の収入を制限することを意味します。高い満足度を提供する企業に対して適切な料金を支払うという意識を持つことが重要であり、それを怠ると結局は自分自身に打撃を与えることになるでしょう。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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