2023年6月23日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを経営するオリエンタルランドは、大人向け(18歳以上)の「1Dayパスポート」の最高料金を1万900円に引き上げると発表しました。この値上げに続いて、ユニバーサルスタジオジャパンも8月中旬に大人向け料金を1万400円に引き上げました。この動きにより、ディズニーランドへの訪問がますます高額になり、一部の人々から不満の声が上がっています。しかし、ディズニーパスポートの価格上昇は理不尽な事なのでしょうか?
オリエンタルランドの価格調整の必然性
オリエンタルランドが、なぜ1Dayパスポートの価格を引き上げたのか、その主要な理由は、ディズニーランドの設備投資費用と人件費を維持し、利用者の満足度を高めるためです。ディズニーランドが開園した当初、入場料は3900円で、年間の入場者数は1000万人でした。1990年代のバブル期には1600万人に増加しましたが、2001年にディズニーシーがオープンすると、入場者数は2000万人を超え、2013年には3000万人を突破しました。この増加は単なる偶然ではなく、オリエンタルランドがアトラクションの拡充やディズニーシーのオープン、設備の拡張、サービススタッフの増員など、経営努力と設備投資によるものです。これらの投資を回収するためには、入場料を調整することが不可欠でした。また、最近のウクライナ戦争による物価上昇も価格の引き上げを必要とさせました。
ディズニーランドの混雑の正体
東京ディズニーランドは、海外からの入場者が10%未満で、入場者の60%が関東地域から来ています。言い換えれば、ディズニーランドの混雑は遠方からの来場者ではなく、古くからのリピーターや頻繁に通う常連客によって引き起こされています。これはディズニーランドの顧客構成にも反映されており、2013年の調査によれば、18歳から39歳の客が49.5%を占め、40歳以上が21.1%で、18歳未満は29.4%です。統計データから見ると、東京ディズニーランドは主に大人向けのテーマパークであり、言い換えれば、ディズニーランドの混雑は主に関東近郊から来る中年のファンによって引き起こされていると言えます。
高品質と低価格の過度な要求は逆効果
日本の顧客は、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供されることを期待します。これは顧客として当然の要求ですが、これが過度になると、企業は物価上昇や設備投資によるコスト増加をカバーできず、代わりに従業員の給与を抑えたり、過重な労働を課すなどのブラック労働の温床になります。この傾向は日本全体に広がっており、バブル崩壊以降、実質給与が30年以上も増加しておらず、むしろ減少しているデフレスパイラルを引き起こしています。良い業績を上げる企業は当然サービス料金を引き上げています。この事実を理解せずに、料金の引き上げに反対することは、結局は自身の収入を制限することを意味します。高い満足度を提供する企業に対して適切な料金を支払うという意識を持つことが重要であり、それを怠ると結局は自分自身に打撃を与えることになるでしょう。
▼こちらもどうぞ