ダウンタウン松本人志の性的トラブル疑惑を報じた、週刊文春発行元の文藝春秋との第一回口頭弁論が3月25日に開かれました。その中で原告の松本側は文春に対し、松本の性的トラブルを告発した女性「A子」「B子」の住所、生年月日、携帯電話番号、LINEアカウント、及び容姿が分る写真の提出を要求しましたが文春側は拒絶しました。その後、ネットでは告発者の身元の暴露合戦がおこなわれるなど波紋が広がっています。
告発者の情報を一切提示しない文春の不誠実
タレント松本人志の芸能活動を継続できなくするほどのダメージを与え裁判に踏み切らせた文藝春秋が、告発者のあらゆる情報を提示できないというのは、驚きを通り越して呆れます。この状況が続けば、そもそも、松本氏の性的トラブルを告発した「A子」「B子」など存在せず、文春が捏造した情報を元に松本氏を貶め、本を売ったと取られても仕方ないでしょう。事実、松本氏の性的トラブルを奉じたスクープ記事「松本人志と恐怖の一夜 俺の子供を産めや!」を掲載した週刊文春2024年1月4日・11日号は、45万部が完売したとされています。これらのスクープが捏造なら、文春側は松本を冤罪で貶め、読者を欺き、報道機関として最低限の矜持もないまま謝罪もなく居直っている、極めて不誠実な出版社と言う事になります。
匿名の告発などあり得るのか?
性被害者が加害者を告発するのは、さらなる身体的、精神的な苦痛を受けるリスクがあり、慎重になるべきですし、告発者の心身を保護する必要があります。しかし、だからと言って告発者の情報を一切開示しないままで裁判を続けるなど有り得ない事です。自衛隊内部でのわいせつ行為を告発した元自衛官の五ノ井里奈さんや、性被害を告発した伊藤詩織さんのケースを見ても、自らが傷つくリスクがあっても性被害を許さない強い意思から告発に踏み切った事が分かります。そもそも匿名で他人の名誉を傷つけ、社会的に抹殺できるのなら、強大な発信力を持つ出版社がその気になれば、存在しない架空の被害者をでっち上げるだけで、一人の人間の人生をメチャクチャにできると言う事になります。果たしてそれでいいのでしょうか?
松本人志の覚悟に敬意を表す
従来、このような性的スキャンダル騒動は著名なタレントの有名税として許容される傾向にありました。実際、今回の裁判も吉本と文春の落しどころはどこ?等としたり顔でしゃべる芸能記者も多く目にしますし、松本氏に対し、大人げないと諭す先輩芸能人もいました。しかし、SNSが存在しなかった昔と違い、芸能人の真偽不明なゴシップは一秒で世界を駆け巡る時代です。真偽不明なゴシップでも、その情報はデジタルタトゥーとしてネット空間に留まり続け、何かの拍子に再浮上して炎上し何度もタレントの名誉を傷つける事さえ起きています。そもそも松本氏はタレントである前に、結婚し子どももいる家庭人です。このような真偽不明なゴシップを無責任に垂れ流して、本人ばかりか家族がその被害を被るのは、どう考えても理不尽です。すでに芸能界で成功し富も名誉もある松本氏が、敢えて見返りの薄い裁判に踏み切ったのは、成功した芸能人なら嘘八百で面白可笑しく中傷されても有名税として我慢するべきという日本社会の古臭くルサンチマンに満ちた悪弊に、きっちりとNOを突きつける為ではないかと思われます。
文藝春秋側は誠実な対応を
文藝春秋は告発が真実だと主張するなら、匿名の告発者の情報をちゃんと裁判で提示すべきでしょう。それが出来ないで曖昧な態度で逃げ回るなら、報道機関とは名ばかりのデマ拡散装置だと自ら認めたも同然になります。そして告発が出鱈目なら、これ以上醜態をさらさず松本氏に謝罪した上で、捏造報道の事実を認め、一から出直すのが報道機関としての筋ではないでしょうか?
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