出版大手KADOKAWAは14日、傘下の動画サイト「ニコニコ動画」がランサムウェアを含む大規模なサイバー攻撃を受け配信を停止している状況について説明しました。復旧には1カ月以上かかる見込みで、システムの再構築が必要となるため、安全が確認されたコンテンツから順次サービスを再開する予定です。
執拗なサイバー攻撃
「ニコニコ動画」のシステム障害は8日に発生し、直後に複数のグループのサーバーにアクセスできなくなりました。KADOKAWAは翌日に警視庁に相談し、対策本部を立ち上げ、データを保全するためにサーバーを遮断するなどの緊急措置を取りましたが、サイバー攻撃は発覚後も繰り返され、遠隔操作でプライベートクラウド内のサーバーをシャットダウンしても、第三者が再起動させ感染拡大を図るといった行動が続きました。これを阻止するため、サーバーのケーブルや通信ケーブルを引き抜き封鎖する事態に至り、その影響でグループ企業のデータセンターに設置されたサーバーは全て使用不可となり、感染拡大を阻止するために歌舞伎町オフィスへの社員の出勤も原則禁止されています。
復旧に時間がかかる理由
ニコニコ動画の復旧が長引く理由として、同サイトが数百以上のシステムが連携して動作するサービスであることが挙げられます。そのため、封鎖したサーバーの中身を一つ一つ確認して無事なデータを救出し、安全な環境下でシステムを再構築する必要があるからです。
ニコニコ動画のデータは無事だが
ニコニコ動画全体では、ニコニコ動画自体のシステムは無事で、投稿された動画データ及び映像配信システム、ニコニコ生放送システムも無事であるようです。ただ、ニコニコ生放送は、映像配信システムがサイバー攻撃の被害を受けていて、過去にタイムシフトした映像が使用できない可能性があるようです。
出版部もシステムが停止
KADOKAWAでは出版事業でも、書店から書籍の注文を受けるシステムが停止し、書籍の出荷に支障が出ています。また、編集システムも一部機能停止し、書籍発行の遅れが予想されています。現在、KADOKAWAではこれらの営業被害の精査を進めています。
ユーザーの個人情報漏洩は?
利用者の個人情報漏洩について、KADOKAWAは現在調査中ですが、現時点で個人情報やクレジットカード情報の漏洩は確認されていないとしています。こちらについては調査の結果を待つしかないようです。
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