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ウクライナがドローンでロシアの航空基地を攻撃する[切実な理由]

2024年8月10日


世界史01 飛行するドローン

 

 

ウクライナ国防省情報総局の発表によると、8月3日、ウクライナ製ドローンがロシア南西部ロストフ州のモロゾフスク空軍基地を爆撃しSu-34戦闘爆撃機1機を撃破、同2機を損傷させ弾薬庫を破壊したようです。最近、長距離ドローンを使い、ロシア領内の航空基地を爆撃しているウクライナですが、その理由はどこにあるのでしょうか?

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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戦局を左右するロシアの滑空爆弾攻撃

世界史02 爆発が起きる都市 モブ

 

ウクライナ軍は、ロシア軍の空からの攻撃を恐れていますが、その中でもウクライナ戦争の戦局を左右しかねないのがロシア軍の滑空爆弾です。ロシア軍の滑空爆弾は、ウクライナでは、「KAB」と呼ばれ、爆弾に展開式の翼をつけた単純なモノですが、翼のお陰で40キロメートルの射程を持ち、重さは最大で3トンもあります。射程が長いためにウクライナの防空装置の射程距離外から矢のような速さで目標に衝突し爆発します。その破壊力は甚大で、これまでロシア軍が戦車砲で数日かけないと破壊出来なかった建物を瞬時に破壊し、建物内にいた人々を地下に押し込めて救助を難しくしてしまうのです。ロシアは、この滑空爆弾をSu-34戦闘爆撃機に搭載し、一日に百発以上もウクライナの都市に投下していて、このままでは、ウクライナ領内から防御の為の建物が消滅するかも知れない状態です。

 

 

同盟国は長距離兵器をロシア領内で使用させない

バイデン大統領風大統領 アメリカ

 

そのため、ウクライナは早急にSu-34戦闘爆撃機が常駐するロシア領内の航空基地と滑空爆弾を攻撃し破壊する必要がありました。ゼレンスキー大統領が同盟諸国に、長距離対空兵器を求め、ロシア領内の攻撃を認めるよう求めたのも、この滑空爆弾の使用を阻止するためだったのです。しかし、アメリカをはじめとする同盟諸国は、ロシア領内への攻撃はロシアを刺激し、さらなる軍事攻撃に駆り立てるとして、未だに許可を出していません。

 

 

自国のドローンでSu-34戦闘爆撃機を叩く

世界史01 ゼレンスキー風大統領

 

この状態に業を煮やしたゼレンスキー大統領が採用したのは、ウクライナ国産のドローンを改良して長距離攻撃を可能にし、ロシア領内の航空基地を叩く事でした。8月3日のモロゾフスク空軍基地爆撃はウクライナの念願だったロシアの滑空爆弾攻撃を減らすという意味で決して小さい戦果ではなかったのです。

 

 

ロシアはSu-34戦闘爆撃機を分散配備

世界史02 プーチン風大統領

 

しかし、ウクライナの華々しい戦果は少々遅きに失したかも知れません。ロシアはウクライナ軍ドローンの航続距離を考えて、虎の子のSu-34戦闘爆撃機をロシア国内に数百キロも下げ分散して配備するようになったからです。今後、ウクライナ軍ドローンの航続距離が倍に伸びたとしても、ロシア内奥の航空基地まで防空迎撃システムをかいくぐっていけるかといえばかなり難しく、滑空爆撃の脅威は今後も継続する事になりそうです。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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