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ことわざになった曹操![その愛されすぎた理由とは?]

2024年10月15日


 

 

曹操,曹操就到(曹操の話をすると曹操がやってくる)--噂をすれば影。

 

中国には三国志の登場人物にちなんだことわざがたくさんあります。ことわざを見ていくと、その人物がどういうイメージでとらえられているか見えてきて、面白いですよ!本日は三国志の(ぎ)建国のいしずえを築いたスーパーヒーロー曹操孟徳(そうそうもうとく)編。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹操の冷徹さに注目したことわざ

 

★曹操作事(曹操のやり方)――とてもきれいであることのたとえ

 

曹操はさまざまな制度や法令を整備して国の礎を築いた頑張り屋さんなので、物事をキチキチやるイメージがあるのでしょう。このことわざの使い方としては「課長のデスクの上、めっちゃきれい。《曹操のやり方》だなぁ」

 

★曹操用计(曹操の計略)――狡猾であることのたとえ

 

さまざまな奇計を用いて戦いに勝ってきた曹操のイメージからできたことわざでしょう。このことわざの使い方としては、「カツオくん、銭湯に行くと言って入湯料貰ってでかけたのに中島くんの家でシャワーを浴びるなんて、そりゃ《曹操の計略》だよ」

 

★曹操杀吕伯奢(曹操が呂伯奢を殺す)――間違ったら間違ったままとことん押し通す

 

これは曹操の鬼畜エピソードがもとですね。逃亡中だった曹操が呂伯奢(りょはくしゃ)の家にかくまってもらっていた時、家の人たちが曹操をもてなすために豚を屠殺しようと相談しているのを、自分を殺そうとしていると勘違いした曹操が、その人たちを皆殺しにし、呂伯奢の家から逃げ出した。その途中で、もてなし用の酒を買いに出かけていた呂伯奢が家に戻ろうとするのに出くわした曹操は、自分の凶行が露見することを恐れて呂伯奢のことも殺した。このことわざは、粉飾決済とか偽装とかしてる現場で使われそうですね……

 

 

曹操の派手な負けっぷりに注目したことわざ

 

★曹操下江南(曹操が江南に下る)――大変なことになる、惨敗を喫する

 

曹操が江南に向けて遠征して赤壁(せきへき)の戦いで大敗したことにちなんだことわざ。使い方としてはのび太「いまジャイアンに会ったら、《曹操が江南に下る》ことになっちゃう!」

 

★曹操败走华客道(曹操が華容道に敗走する)――予想通りであること

 

赤壁の戦いの後、劉備軍が華容道に罠をしかけて待ち構えているところに曹操が敗走してきたというお話にちなんだことわざ。使い方としては

 

「よく傘なんか持ってきてたね」

「降水確率30%って言ってたから、そのくらいだとけっこう降るじゃん?

《曹操が華容道に敗走する》だよ」

 

★曹操遇蒋干(曹操が蒋幹(しょうかん)に会う)--とてもアンラッキーであること

 

赤壁の戦いの前に、蒋幹がそうとは知らずに敵の計略にはまって持ち帰らされた偽情報を曹操がそのまま信じてしまい、部下の有用な将校をスパイだと思い込んで処刑してしまったというお話にちなんだことわざ。「あぁっ! トイレットペーパーがないっ! 《曹操が蒋幹に会う》だぁ~~~」

 

 

曹操の臆病さに注目したことわざ

 

★曹操杀华佗(曹操が華侘(かだ)を殺す)――病気や医者をいやがる

 

曹操が頭痛に苦しんでいる時に、名医の華侘が開頭手術を勧めたら、そんなおっかないことできるかいとブチ切れた曹操が華侘を獄死させたことにちなんだことわざ。

 

ママ「お熱あるから病院行こっか」

子供「えっ! ううん、もう治ったもん!」

ママ「治ってないでしょ! 《曹操が華侘を殺す》ようなこと言わないの!」

 

 

三国志ライター よかミカンの独り言

三国志ライター よかミカンさん

 

曹操に関しては、さまざまな計略を駆使して乱世を切り開いてきたところから、冷徹とか狡猾とかいうイメージがあるようですね。それと、のるかそるかの戦いに身を投じているもので、たまに喫する敗戦でのひどい負けっぷりも印象的であるようです。

 

「ことわざ」としてご紹介しましたが、実はこれ、「歇后语」といいまして、前の句と後の句が一セットになった言葉遊びです。「曹操が蒋幹に会うとかけまして、○○と解きます。その心は、とてもアンラッキー」というようなノリです。「○○と解きます」の部分がないから、とんち要素はありませんが、三国志キャラのイメージを使って他のことをたとえるというのはよくできた言葉遊びですよね。

 

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よかミカン

よかミカン

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。 個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。 三国志小説『ショッケンひにほゆ』 【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】 何か一言: 皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。 妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。 読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

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