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ロストテクノロジーは実在した!二千年も耐久するローマン・コンクリートの驚異

2023年1月30日


曹操(後漢王朝)とローマ帝国

 

 

古代ローマ人は土木の民で、その広大な領土にコロッセオや水道橋を建てました。大昔の建築材料と言うと石材をイメージしますが、古代ローマはローマン・コンクリートと呼ばれるコンクリートを使いその一部は二千年の歳月を経た今でも残されています。しかし、よくよく考えると変ですよね?現代のコンクリートは。どんなにもっても半世紀なのに、なぜ、ローマン・コンクリートは二千年もメンテナンスなしで持ちこたえているのでしょうか?そこには、古代ローマ人のロストテクノロジーが隠されていたのです。

 

 

出典:古代ローマの建造物が未だ残っている理由、コンクリートの優れた耐久性の秘密が明らかに

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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秘密はライムクラストにあった

桜島

 

どうして、ローマン・コンクリートに二千年を超える耐久力があるのか?その秘密は、ローマン・コンクリートに含まれる火山性の砂であるライムクラストにありました。ライムクラストは極小な石灰岩の白い粒ですが、このライムクラストに自己修復能力がある事がMITやハーバード大学をはじめとする研究チームの調査で明らかになったのです。

 

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生石灰を発熱させる事でライムクラストが発動する

医者の顔もあるコナン・ドイル

 

ライムクラストの性能を発動させるため、古代ローマ人はコンクリートの素材に生石灰を混ぜていました。これにより化学変化が起き、ライムクラストはもろいナノ粒子構造を形成し、反応性の高いカルシウム源になります。ライムクラフトは極小の石灰ですが、それだけに表面積が大きく、ローマンコンクリートに入るひび割れは優先的にここを通過します。現在のコンクリートなら、こうして出来たひび割れに水が入り腐食が進んでいきますが、ローマン・コンクリートでは、ライムクラストの中に含まれるカルシウムが水と反応して結晶化し、ひび割れを埋めてしまうのです。

 

 

研究チームは実際にローマン・コンクリートの配合を再現、生石灰で造ったコンクリートに、ひびをいれ、そこに水を流すとライムクラストが反応して結晶化し、2週間もしない内にひび割れがふさがったそうです。

 

 

ロストテクノロジーを現代のコンクリートに活用

東京スカイツリー、kawausoさん

 

古代ローマ人は、長年の経験の中でライムクラストが持つ復元能力に気づいたのでしょう。研究チームはローマン・コンクリートのロストテクノロジーを活用し、現代の自己修復能力を持つコンクリートの開発に取り組んでいるようです。現在、ほとんどの建造物にとってコンクリートは無くてはならない素材です。古代ローマ人の知恵が21世紀のSDGsに役立つとは不思議ですね。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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