大東亜戦争末期、連合国の日本本土上陸に備えて帝国陸軍は国土防衛の任務を国民に課すと共に製造を簡略化した国民簡易小銃を制作していました。町工場でも製作できるようにというコンセプトでつくられた国民簡易小銃とは、どんな銃だったのでしょうか?
町工場でも製造できた国民簡易小銃
本土決戦に備えて、国民に武装させる必要が生まれた日本ですが、専門の銃器工場で制作していてはとても配備が間に合いません。そこで考えられたのが小さな町工場でも制作できるように簡略化された、国民簡易小銃でした。
ライフリングも撃鉄もない火縄銃
国民簡易小銃は町工場でも出来る技術という事で極限まで簡略化されました。まず専門機械が必要なライフリングは省略し、撃鉄も省略して火縄に切り替えました。この時点で有効射程距離100mもないポンコツ銃ですが、銃の口径も町工場でまちまちなので、弾丸は銃の口径に合わせて鋳造するように指示があったようです。ようするに国民簡易小銃とは、ピストルでさえない戦国時代の火縄銃の出来損ないでした。これでも竹槍突撃よりはマシなんでしょうが、つぎ込んだ資源と比較して戦果は覚束ないように感じます。
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