物資不足はここまで来た帝国陸軍の断末魔【国民簡易小銃】

2023年2月9日


鶴見中尉のモデルとなった須見新一郎(日本兵士)

 

 

大東亜戦争末期、連合国の日本本土上陸に備えて帝国陸軍は国土防衛の任務を国民に課すと共に製造を簡略化した国民簡易小銃を制作していました。町工場でも製作できるようにというコンセプトでつくられた国民簡易小銃とは、どんな銃だったのでしょうか?

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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町工場でも製造できた国民簡易小銃

日本史01 煙を吐く工場

 

 

本土決戦に備えて、国民に武装させる必要が生まれた日本ですが、専門の銃器工場で制作していてはとても配備が間に合いません。そこで考えられたのが小さな町工場でも制作できるように簡略化された、国民簡易小銃でした。

 

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ライフリングも撃鉄もない火縄銃

徴兵から逃れをようと国外に逃亡を試みる日本人兵

 

 

国民簡易小銃は町工場でも出来る技術という事で極限まで簡略化されました。まず専門機械が必要なライフリングは省略し、撃鉄も省略して火縄に切り替えました。この時点で有効射程距離100mもないポンコツ銃ですが、銃の口径も町工場でまちまちなので、弾丸は銃の口径に合わせて鋳造するように指示があったようです。ようするに国民簡易小銃とは、ピストルでさえない戦国時代の火縄銃の出来損ないでした。これでも竹槍突撃よりはマシなんでしょうが、つぎ込んだ資源と比較して戦果は覚束ないように感じます。

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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