男性の脳は論理的で空間認識能力に優れている。女性の脳は情緒的でマルチタスクが得意だが地図は読めない。男女の脳の違いについては、上記のような説明がされていますよね?でも、最近の研究では男女の脳に特別な違いはないと考えられているそうです。
参考:世界の研究者が調べた すごすぎる実験の図鑑 単行本 株式会社カンゼン
男女の脳の構造的な違い
男女の脳については排卵を司る機能が女性の脳にだけあり、男性にはないという点が違いですが、それ以外の知的機能や認識能力について男女には差がなく、むしろ個人間の差の方が大きいようです。個人間の差というのは、例えばピアニストは指の動きや聴覚を司る大脳新皮質の部分がかなり大きくなっているみたいな事です。
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テルアビブ大学の実験
男女の脳に際立った違いがあるのかについて、イスラエルのテルアビブ大学が13歳~85歳までの男女1400名の脳をスキャンして、その構造の違いを調べた事があります。スキャンした結果、男女間でサイズが異なる脳領域が29カ所、特定されました。
男女の脳に違いがあるなら、1400人の被験者の男女は、それぞれ男性と女性に特徴的な脳を保有しているハズですが、実際に女性脳、男性脳の特徴をすべて備えている人数はごく僅かで、90%以上は男性脳と女性脳の特徴を組みあわせて持っている事が分かりました。つまり実験結果では、男性は男性特有の脳を持ち、女性は女性特有の脳を持つという事はなく、ほとんどの人間は男女の脳それぞれの特徴を組み合わせて持っている事が判明したのです。
男だから女だからの偏見は無意味
人間社会では誕生の瞬間から、男性は男性の役割、女性は女性の役割を社会的に与えられています。そのため後天的に男性思考、女性思考が誕生し、それが生まれつきあるような錯覚に陥ってしまいますが、それら後天的要素を取り払うと男女の脳に本質的な違いはないようです。
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