突然の心肺停止で倒れる人は年間10万人に上ります。AEDの普及で助かる命も増えていますが、あなたが心肺停止で倒れた時に、隣に誰がいるかで生存の確率が大きく変わるという実験結果が発表されました。
参考:世界の研究者が調べた すごすぎる実験の図鑑 単行本 株式会社カンゼン
55万例のウツタインデータを分析
研究は金沢大学医薬保険研究域医学系の田中良男、前田哲生、稲葉秀夫などの研究グループがおこなったもので、2005年~2009年に日本国内で発生した院外での心肺停止患者の「ウツタインデータ」を細かく分析しておこなわれました。
心停止時、隣にいるのが「家族」「友人」「その他」で分類
実験は、55万人分の膨大なデータの中から明確なデータが残っている14万人分を抽出。そして、患者が心停止で倒れた時に隣にいた人を「患者の家族」「患者の友人や同僚」「その他の関係者」の3つに分類。それぞれ「口頭指導の成功率」「心肺蘇生の実施率」「心肺蘇生実施までの時間」「119番通報までの時間」「機能良好一ヶ月の生存率」にわけ、さらにそれらを日中と夜間で計測しています。
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心停止の時に家族といると救命措置が遅れる
実験の結果、心停止を目撃したのが家族の場合、119番への通報や心肺蘇生をはじめるまでの時間が遅く、心肺蘇生などの適切な一時救命措置を実施する確率が低くなっている事が判明したのです。これにより、身内が心停止で倒れた時に家族がパニックに陥り、冷静さを失って適切な処置が遅れてしまう事が判明しました。
心停止の時は友人や同僚が一番頼りになる
逆に119番通報や心肺蘇生を始めるまでの時間が一番短いのが同僚や友人が隣にいた場合で、助かる確率も高くなっています。友人や同僚なら、ある程度冷静に事態を把握でき、そのために救命率も高くなっているのです。いつ、我が身に降りかかるか分からない心肺停止の恐怖、その保険は人生の晩年になっても多くの友人を持ち、よく外出する事なのかもしれませんね。
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