日本の天皇は初代の神武天皇から数えて126代継続しています。もちろん、その間には南北朝や源平合戦の頃に2人の天皇が並立した時期もありましたが、天皇の存在は途切れる事なく現在まで続いてきました。しかし、現在、日本の皇室は未曽有の危機を迎えています。現在の皇室には皇太子がいない状態なのです。
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愛子様も悠仁様も皇太子ではない
現在の日本に皇太子がいないというと、皆さんはポカンとするかも知れません。今上天皇には一人娘の敬宮愛子様がいるし、秋篠宮家には悠仁親王がいるじゃないかと、確かにそれはそうですが、天皇に子供がいる=皇太子という単純な話ではないのです。
皇室典範により皇太子になれない愛子様
天皇の皇位継承は皇室典範という法律で定められています。その第一条には「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と書いています。男系の男子というのは平たく言うと天皇の血を継ぐ男子が天皇を継ぐという意味です。つまり、この時点で愛子様は天皇にはなれません。理由は男子ではないから、それだけです。国民統合の象徴である皇室において女だから天皇にはなれないという男尊女卑が横行しているのが皇室の現状です。
悠仁親王も皇太子ではない
では、悠仁親王はどうでしょうか?こちらも皇室典範の縛りで皇太子にはなれません。先に書いたように皇位は天皇の血を継ぐ男子が継承します。現天皇は上皇陛下の嫡男、徳仁ですが、子供は女子の愛子様だけで男子はいません。悠仁親王は今上天皇の甥であり子ではないので皇太子にはなれないのです。
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現状での皇位継承順位はどうなるのか?
では、現状での皇位継承順位はどうなっているのでしょうか?皇室典範では、第二条 皇位は、左の順序により、皇族にこれを伝える。一 皇長子、二 皇長孫、三 その他の皇長子の子孫、四 皇次子及びその子孫、五 その他の皇子孫、六 皇兄弟及びその子孫、七 皇伯叔父及びその子孫。このようにあり、天皇の地位は天皇の男子へ継承され、男子がいない場合は天皇の孫へ継承され、孫もいない場合に天皇の兄弟(皇次子)及びその子孫に伝えられるとなっています。
つまり、皇室典範では次の皇位継承者は秋篠宮文仁親王で、その次にようやく悠仁親王という事になります。ただし、秋篠宮は今上天皇と5歳しか年齢が違わず、安定的な皇位継承に繋がらないとして天皇に即位する事は辞退すると言われています。その場合、今上天皇から秋篠宮を飛び越えて、いきなり甥の悠仁親王が即位するという日本史上類例がない事態が起きるかも知れません。
悠仁様が即位するからいいのか?
皆さんの中には皇太子がいなくても、今の天皇から悠仁親王に皇位が継がれるならいいじゃんと楽観的に考えるかたもいるかも知れません。しかし、仮に悠仁親王が天皇に即位できても、皇室の危機は全く去らないのです。何故なら、皇室典範の規定で天皇に即位できるのは男子だけと決められているからです。これは悠仁様と婚約する皇后が男子を産まなければ、そこで皇室は途絶えて1600年の歴史に幕が下りると言う事です。
いや、それ以前の問題として、必ず男子を産めという国民からのプレッシャーを掛けられる事が分っているのに悠仁親王と結婚する女性が現れるでしょうか?雅子皇后が一刻も早く子を産め、男子を産めとプレッシャーを掛けられ続け病気になってしまった事をご記憶の方も多いでしょう。あんな状態になる事を承知で皇室に入る民間の女性がいるでしょうか?
皇室典範の改正が不可欠
では、皇室が今後も安定して継承していくのにはどうすればいいのでしょうか?それは余り難しくありません。天皇の血を引く男子しか天皇になれないとする男尊女卑丸出しの明治の遺物である皇室典範を改正し、天皇の子であれば男女とも天皇になれるとすればいいのです。
そうすれば今上天皇の子である愛子内親王も皇太子となり、ゆくゆくは天皇に即位できますし、愛子様が素敵な恋愛をして皇室を離脱して民間人になっても、悠仁親王が即位してお妃を迎え、男女どちらでも子供が出来れば皇室は安定して繋がっていくのです。
国会議員を動かし典範改正を
ただし皇室典範の改正は憲法により、国会の議決を経ないと改正できません。しかし、国会議員と言うのは与野党問わず、自分の票になる事以外はしないため、国民が声を上げない限り面倒な仕事を増やしたくないというのが本音なのです。しかし、国会が全く動かないというわけではありません。上皇陛下の譲位を可能にした特例法の成立を見ても、国民が声を挙げ、皇室の安定継承に動けと働きかければ動くのです。皆さんは皇室の現状について、どう思いましたでしょうか?
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