ウクライナ軍の反転攻勢によりザボリージャ州でロシア軍とウクライナ軍の激戦が続いています。そんなロシア軍にとっては最悪のニュースが飛び込んできました。開戦以来、傭兵部隊を率いてきたワグネル創設者プリゴジン氏が受刑者兵32000人の帰還を宣言したのです。
プーチン大統領に大打撃か
6月18日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏がウクライナでの戦争に参加した受刑者兵32000人の帰還を宣言しました。ロシアではウクライナ戦争に従軍すれば凶悪犯でも無罪放免され、そのために多くの凶悪犯がロシア囚人兵として戦争に従軍しています。戦争が長期化し、これ以上正規軍を動員するのが難しいプーチン大統領にとって囚人兵は不足する兵力の補いに不可欠でしたがプリゴジン氏の宣言が本当なら一気に3万人以上の兵力を失い、ウクライナ軍の反転攻勢に対応する事になりそうです。
ロシアでは4万人の受刑者が従軍
アメリカ国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官は昨年12月、ワグネルが約4万人の受刑者を含む5万人をウクライナに派遣したと概算を出しています。数字に隔たりはありますが、ワグネルは4~5万人の兵力をウクライナ戦線に投入。東部ドネツク州の激戦地、バフムトでの戦闘に従事するなどロシアのウクライナ侵略で主要な役割を果たしていました。
待遇の悪さにプリゴジンブチ切れ
しかし、囚人兵に対するロシア軍の待遇は良いとは言えないもので、プリゴジン氏によると1万人の囚人兵が戦死。またプリゴジン氏は、ロシアから十分な弾薬が供与されないとして、セルゲイ・ショイグ国防相やロシア国防省を度々非難し前線に来て兵士を鼓舞せよと不満を爆発させていました。また、先月の21日にはワグネル部隊を前線から完全撤退させると脅しとも取れる発言をしています。アメリカのシンクタンク「戦争研究所」によるとウクライナの大規模反抗の際にワグネルがほぼ不在になる可能性があると指摘。埋め合わせに訓練が不十分なロシア軍部隊が配置される可能性が高いと分析しています。
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