アメリカはウクライナに対し地対地ミサイルATACMSをここ数週間で供与したと政府当局者明らかにしました。ウクライナはすでにこのミサイルを2度使用したと言われています。ATACMSの射程距離は300キロもあり、ウクライナ国内で展開するロシア軍への攻撃やクリミア半島への攻撃などに威力を発揮しそうです。
ミサイルの数については言及せず
今回供与が判明したATACMSはバイデン大統領が3月12日に承認したウクライナへの3億ドルの軍事援助パッケージの中に含まれていました。サリバン大統領報道官はミサイルを何発供与したのか明言は避けつつも、相当数をウクライナに供与したと述べ、さらに送る事になるだろうと述べています。
ウクライナ領内でしか使えない縛りがあるが…
アメリカは、すでに昨年9月、中距離ミサイルのATACMSをウクライナに供与していますが、ロシア領内も射程距離に入る長距離ミサイルについてはロシアを刺激する事を恐れて長い間議論が続いていました。しかし、ウクライナの劣勢とロシアの攻勢が伝えられる中で、バイデン大統領が2月中旬にゴーサインを出したとの事です。ただし今回の長距離ミサイル供与についてアメリカは、ウクライナ国内でしか使用できないと条件を科しているようです。
クリミア半島攻撃には使える
折角の長距離ミサイルもロシア国内に打ち込む事が出来ないのでは威力半減に思えますが、例えばクリミア半島はロシアが実効支配しているものの、国連がそれを無効としているので、現在でもウクライナの領土です。そのため、クリミア半島の奪還のためには、ATACMSを使用できる事になります。ロシアにはウクライナをどこでも攻撃する自由があり、ウクライナにはロシア本土を攻撃する自由がないとは、全く理不尽な戦争ですが、与えられた選択肢の中でのウクライナの奮戦を期待したいです。
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