ウクライナ戦争が長期化する中でロシア中央銀行は7月26日、金融政策を決める会合を開き、政策金利を現在から2%引き上げ18%にすると発表しました。利上げは去年12月以来で、18%はウクライナ戦争開戦当初の金利20%に迫るものです。
労働力不足と軍需産業の活況でインフレ
ロシア中央銀行は、6月の消費者物価指数が2023年の同じ月に比べて8.6%上昇し、1年4か月ぶりの高い水準となっている事を受け利上げに踏み切りました。背景には、ウクライナ戦争長期化で、国民の多くが前線に送られる一方、国内では軍需産業の活況による雇用の増加で労働力不足が深刻になり、それに応じて労働者の賃金が上昇した事でインフレが加速していると見られます。政策金利の引き上げ後もインフレ率は高止まりし、6.5%から7%になりそうです。
不健全な景気活況は続くか?
ロシア中央銀行はインフレを抑えるため、今後も金利の引き上げを検討する考えも示しています。しかし、ロシアの好景気はウクライナを侵略して得た物資や資源によるものではなく、現在進行中の戦争に巨額の予算を放り込んでいるために起きているバブルです。軍需産業は費用対効果は最悪で、軍事費に投資した分の金が戻って来るわけでもありません。それらの投資は今後、ロシア国民に戦争のツケとして重くのしかかる事になるでしょう。
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