ロシア軍の東部ドネツク州での攻撃が激しさを増す中、ウクライナの自爆型ドローンの攻撃がロシア領内で猛威を奮う現状も見えてきました。ゼレンスキー大統領は開戦当初から同盟国に長距離兵器とロシア領内を攻撃する許可を求めていましたが、ロシアの報復を恐れた同盟国は中々許可を出しませんでした。ウクライナは自前で国防を担うために、ロシア領内に自力で攻撃を仕掛ける必要が生まれ、それがウクライナの自爆型ドローンの長足の進歩を促しました。
ロシア人に戦争を見せつける自爆型ドローン
ウクライナは戦争の一時期を除き、常に航空戦力でロシアに押され続けてきました。ロシアは兵器で軍事と関係ない民間のインフラを破壊し、病院を吹き飛ばし、ダムを決壊させ、電力供給システムを破壊しました。しかし、ウクライナはそれらの一方的な攻撃に対し耐えるしかありませんでした。さらには、同盟国から供与された長距離兵器もロシア領内への攻撃は認められなかったのです。そのため、ウクライナは軽量で機敏な自爆型ドローンの生産に力を入れています。それは、短期間で功を奏し、今やウクライナ軍の自爆ドローンはロシア国内の製油施設を破壊して製油能力を15%削減した上、ロシア空軍基地の爆撃にも成功しました。それは、ロシア人に戦争を見せつけ、何の為にロシアが戦っているか疑問を持たせる上で有効な切り札になりつつあります。
25キロの爆弾を積んで1000キロ飛ぶドローン
ロシア国内に打撃を与え、生産能力を減少させる上で重要なカギを握るウクライナ製の長距離ドローンは、25キロの爆弾を積んで1000キロを飛ぶ事が可能で、すでにウクライナ空軍に数百機を製造しました。さらに現在は、2500キロの航続距離を持つ長距離ドローンを開発中です。また、ウクライナの軍需産業はドローンだけで終わるつもりはなく、同じ技術を応用してウクライナ国産ミサイルを開発しています。開戦当初、ウクライナの兵器は旧ソ連製のものばかりでしたが、長期化する戦争を通じ独自の兵器を開発する道へウクライナは突き進んでいるのです。
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