ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく
「ろひもと理穂の三国志・袁術はブサイクの期待の星だったのか?」のコーナーです。
就職活動の面接や合コンなどの場面では第一印象というのは大切ですね。
ドラマでは「人は見た目が100パーセント」という極端な話も登場してきているぐらいです。
これについては、アメリカの心理学者アルバートメラビアンが
「7-38-55」という数字を提唱しています。
この数字は何を表しているのでしょうか。
実際のコミュニケーションの内容よりも、それ以外の要素が強く相手に伝わるというものです。
服装や表情、スタイルなどの見た目など視覚の効果が55%。
口調や声のトーンなどの聴覚の効果が38%だそうです。
なんとどんなに一生懸命に話をしても、
実はその人の印象は一瞬で9割が決まっているということなんです。恐ろしい話ですね。
今回はそんな他人の評価の決め方について触れていきます。
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三国志の時代の評価
三国志の時代も「見た目」は重要視されています。
それは現代よりも極端だったかもしれません。
見た目重視とは、どういった論理でしょうか。
「容貌」はその人の能力や人格をそのまま反映していると信じられていたのです。
つまり見た目が良いということは、能力も高く、人格も優れているということになります。
立派な容貌であるということは、それだけでかなりのアドバンテージがあるのです。
恋愛やアイドルの人気投票の話ではありません。
見た目が、役人としての出世にも大きくかかわったということです。
逆に考えると、容貌がダメだと、将来に期待できないということになります。
三国志に登場するキャラで貧相だったのは、
益州の劉璋に仕えた張松や能力があるのに在野に埋もれていた龐統などが有名です。
劉備に出会うまでは、本人が望むほどの重用はされていなかったようです。
現代でも高額を支払って顔を整形する人が多いですよね。
張松がそれを聞いたら絶対にうらやましがったことでしょう。
人物鑑定がブーム
TVもYouTubeもSNSもまだなかった時代です。
その人がどんな容貌なのかは口コミでしか広まりません。
しかし、世間は誰がどんな容貌なのかとても気にしています。
そこで生まれたのが「人物鑑定」です。その人の容貌から能力や性格を占うものです。
この人物鑑定の結果は、風評や登用、出世などに大きくかかわりました。
信用度の高い人物鑑定士に汝南の許劭(きょしょう)や許靖がいます。
彼らに称賛されれば必ず出世したといわれていますし、称賛されない場合は逆の道をたどったそうです。
彼らの月に一度の人物鑑定会のことを「汝南の月旦評」と呼んでいたといいます。
ここで高い評価を受けるということは、
現代のレストランでいうとミシュランガイドで
3つ星に選ばれるくらいの名誉なことですし、評判につながることです。
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曹操の評価
三国志の英雄である曹操はいったいどのような評価を受けたのでしょうか。
曹操は若いころに許劭の人物鑑定を受けて、「治世の能臣、乱世の奸雄」と評されています。
有名な話ですね。曹操自身はこの評価を喜んだそうです。
曹操は後に許劭を仕官させようとしましたが、許劭は断っています。
あの四世太尉で有名な楊彪でも許劭を仕官させることはできませんでした。
権力に屈せずに己の信念で人物鑑定を続けたかったのでしょう。
国家権力に屈しない司法のようですね。
三国志ライター ろひもと理穂の独り言
袁紹は容貌が優れていたために袁家の家督を継ぐべきだと期待されていました。
袁術にはそのような評価の記載がなかったので、あまり容貌は良くなかったのかもしれませんね。
もしかするとメチャメチャブサイクだったかも・・・。
そんなブサイクな男が皇帝になる。これは一つの革命です。
見た目重視の風潮を袁術は変えたかったのかもしれません。
そう考えるとなんか袁術を応援したくなりますね。
皆さんはどうお考えですか。
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