2020年に東京オリンピックが開催されるのに合わせてテロ対策が強化されています。今回はテロ対策について取り上げます。
この記事の前半ではミュンヘンオリンピック事件について取り上げます。後半では、警視庁によるテロ対策について取り上げます。
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ミュンヘンオリンピック事件
1972年、西ドイツ(当時)のミュンヘンでオリンピックが開催されていました。パレスチナの武装組織「黒い九月」がフェンスを乗り越えて選手村に潜入しました。選手村にあったイスラエル選手団の宿舎を見つけると、自動操縦や手榴弾などで武装したテロリストが突入しました。
このテロ事件で、イスラエルの選手・コーチ9人が人質となりました。結果、人質となっていたイスラエルの選手とコーチは全員射殺されました。ミュンヘンオリンピック事件以降、オリンピックとテロ対策は切っても切れない関係だといわれるようになりました。
2020年の東京オリンピックとテロ対策とは?
警察庁ホームページでは、国際テロの情報とテロ対策が紹介されています。国際テロ組織について、ISIL(IS、イスラミックステート)とアル・カーイダを挙げています。これらの組織については、中東・アフリカ・南アジアにいるテロリストに対して、オンライン機関誌やSNSを通して欧米諸国でのテロの実行を呼びかけています。
日本もテロ組織の標的になっています。日本人がテロ事件の標的になった事例として、2015年1月および2月の邦人殺害事件、2016年7月のバングラデシュのダッカにおける邦人殺害事件が挙げられます。
今後、アメリカと同盟関係にあることからテロの標的になる可能性は否定できません。特に、2019年にはラグビーワールドカップが日本で開催されます。また、G20大阪サミットが開催されるため各国の首脳が集まります。
2020年の東京オリンピック以降では2025年の大阪万博など世界各国の人々が集まるイベントが開催されることが決まっています。テロ組織の標的になる可能性が高く、常に緊張感を持つ必要があります。
警察庁は2015年2月に警察庁国際テロ対策本部を設置しました。東京オリンピック開催に向けて、テロを防ぐための対策と対処体制の強化を発表しました。具体的には、情報収集・分析、空港などの施設における水際対策、警戒警備、特殊部隊(SAT)を強化することによる違法行為取り締まりと事態対処、官民連携などが挙げられます。官民連携では、宿泊施設などでの本人確認の徹底が求められます。
東京五輪ライターオフィス樋口の独り言
今回は2020年の東京オリンピックに向けて、オリンピックとテロ対策について取り上げました。前半では1972年のミュンヘンオリンピック事件を事例として取り上げましたが、ミュンヘンオリンピック事件だけでなく、オリンピック開催前後にも様々なテロ事件が起こっています。オリンピックだけでなく、マラソンやサッカーのワールドカップなど様々な競技の世界大会でもテロの標的となっています。実際に世界大会の会場で爆発事件が起こっています。
テロ対策は爆発などの凶悪犯罪だけではありません。サイバーテロにも警戒しなければなりません。サイバーテロとはネットワークに不正にアクセスして、金融や交通機関の通信ネットワークを正常に機能させないようにするテロのことです。サイバーテロが起こると社会生活が混乱する恐れがあります。オリンピック開催中にサイバーテロが起こると、会場が混乱する恐れがあります。サイバーテロ対策の人員増加など対策が求められています。
2020年の東京オリンピックは暑さ対策や費用高騰問題にのみ注目されていますが、テロ対策も忘れてはいけません。今後の警察庁によるテロ対策の強化に注目したいと思います。
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