無宗教の人が多い日本ですが神社と寺を合計すると、全国に150000軒以上ありこれは、コンビニエンスストアの55000軒の3倍以上です。しかし、これだけ大量の寺があると、そこに納める仏像の数だけでも大変です。日本が森林に恵まれた土地であるとはいえ、大量の仏像を造る為に木材を斬り倒していたら、日本中禿山になってしまいそうですよね?
日本の森林を守ったエコ仏師定朝
実は、この悩ましい状態を解消した天才が平安時代にいました。名前を定朝(じょうちょう)と言い、藤原頼通が建立した平等院鳳凰堂の本尊、阿弥陀如来を造った人です。
小さな木材から仏像を造る寄木造りを開発
定朝の時代まで、仏像は基本、一本の木から彫り出していましたが、これでは大仏を造る際には大木を倒さねばならず、また木材に無駄が生じます。そこで定朝が考えたのが寄木造りです。寄木造りとは、仏像を最初から複数のパーツに分けて、墨でそれぞれの形を記してから作成し、後からプラモデルのように組み立てる方法でした。
寄木造りがお寺大国日本を支えた
これなら、大仏を造る時でも大木を倒す必要はなく、また一本の木を漏れなく使う事が出来てエコにもなります。さらに大勢の仏師でチームを作り流れ作業にする事で、大量の仏像を短期間で仕上げる事が可能になりました。
定朝の寄木造りは、便利で資源の無駄遣いを抑え、かつ短期間で大量の仏像を彫れるとして、瞬く間に日本中に広まり、一般的な仏像製作法になります。もし、定朝の寄木造りがなければ日本だけで150000軒という神社とお寺は維持できなかったでしょうね。
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