日本のアニメが世界の共通語になって久しいですが、
その中で、三国志はどのように扱われているのでしょうか?
実は歴史ライターkawausoのFBフレンドには、マレーシアの方が
いるのですが、彼は三国志を「ジャパンヒストリー」と真顔で言いました。
この記事の目次
マレーシアでのアニメ三国志の認識はどうなってるの?
マレーシアでもアニメの三国志は放送されているのですが、
日本のアニメなので、それが日本の歴史だと思われているわけです。
さて、マレーシアのような中華圏の国ではなく、
アラブのような中東の国になると、さらに、そのカオスぶりは深くなります。
アラビアの一国シリアのアニメ版:三国志はどうなってるの?
アラビアの一国シリアでは、アニメ版横山光輝三国志は、
衛星放送を通して2000年代に「大地の鷹」というタイトルで放送され、大人気を博したようです。
内容を親しみやすくするためにアレンジを加えている
しかし、中華文化圏とは余り縁が無いシリアでは、内容を親しみやすくするためにタイトルばかりでなく、
多くの点でアニメにアレンジが加えられています。
その一番、顕著な例は名前で、劉備はアブドゥッラフマーン
関羽はハムザ、張飛はヒクマトと改名されています。
いずれもシリアでは、偉人に名づけられる名前で、
シリアの子供達も、これで難しい異国の歴史物語に違和感なく入っていけるという訳です。
悪役の曹操も改名されてるの?
面白いのは、悪役の曹操だけは、ツーツーと改名され、
中国語読みのツァオツァオに近い中国語に近くになっています。
悪役だから、名前を変えられないなんて、、曹操って一体、、
シリアでは三国志の時代設定も違う
また、時代設定もシリアの三国志は漠然としていて、
日本版が「西暦184年、中国の中平元年の事であった」
と具体的なのに対して、シリアの三国志では、
「この話はアジアの中央のとある皇帝の統治の初年に起こった」
とかなりファンタジー要素が強くなっています。
その漠然とした時代設定とキャラクター名の改変の為に、
シリアの子供達は、この横山光輝三国志を中国の話だとは思わず
アラブの国の話だと思っていたようです。
関羽の長い髭もシリアでは
特に、関羽ことハムザは長い髯を生やしていて容貌も
アラビア人っぽく、劉備もアブドゥッラフマーンという名前から
シリアの子供達は、この桃園三兄弟がイスラム教徒だと
信じていたのだとか、、
ともあれ、この「大地の鷹」は劉備の漢の復興への熱意が、
そのまま祖国への愛国心を育てる事に繋がるとして、
とても大人達にも評判がよいのだそうです。
三国志の魅力は中東にも伝わる
この「大地の鷹」は、アラビアでは広く放送され、
子供達の心を掴んだ名作なのだそうです。
タイトルを変え、主人公の名前が変更されても、
大義を信じ、仲間と共に信念を貫くという三国志演義の
コンセプトは、伝わっていくものなのですね。
この記事を書いた人:kawauso
HN:
kawauso
自己紹介:
三度の飯の次位に歴史が大好き
10歳の頃に横山光輝「三国志」を読んで衝撃を受け
まずは中国歴史オタクになる。
以来、日本史、世界史、中東、欧州など
世界中の歴史に興味を持ち、
時代の幅も紀元前から20世紀までと広い。
最近は故郷沖縄の歴史に中毒中、、
好きな歴史人物:
西郷隆盛、勝海舟、劉邦、韓信、、etc
何か一言:
歴史は現在進行形、常に最新のジャンルです。