何から読めばいいの?三国志入門向けの小説と漫画を紹介!

2015年2月3日


 

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劉備読書

このサイトをご覧になっている方の中には、

『三国志に興味はあるけど、まだ小説や漫画を読んだことがない』

 

李儒と三国志(はてな)

 

あるいは『三国志を題材にした小説や漫画がたくさんあるのは知っているけど、どれから読めばいいか分からない』という方もいらっしゃるのでは、ないでしょうか?

 

今回はそんな方のために、三国志初心者にオススメの小説や漫画を紹介していきましょう。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志の小説と言ったら何?

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吉川英治『三国志』

Eiji_Yoshikawa

 

定番中の定番と言えば、やはり吉川英治(よしかわ えいじ
)
の『三国志』です。『三国志演義(さんごくしえんぎ)』を下敷きとし、劉備玄徳(ふりゅうびげんとく)を主人公に据えていますが、一方、『三国志演義』では悪役としてしか描かれていない曹操孟徳(そうそうもうとく)を、より人間的に魅力ある有能な人物として描いて、ドラマとしての深みが増しています。

 

夜の五丈原で悲しそうにしている孔明

 

物語としての『三国志』のラストシーンが「諸葛孔明(しょかつこうめい)五丈原(ごじょうげん)で没する場面」というイメージを決定づけているのもこの吉川英治版の影響です。現在は講談社の『吉川英治歴史時代文庫』版の全8巻が入手可能である他、インターネットの『青空文庫』で全文を無料で読むことができます。

 

 

関連記事:【痛恨の極み】吉川英治さん、どうしてあの三国志の迷シーンを復活させちゃったの?

関連記事:日本人にとっての『三国志』の原点……吉川英治『三国志』

 

柴田錬三郎『英雄三国志』

 

もとは『柴錬三国志 英雄ここにあり』と『柴錬三国志 英雄生きるべきか死ぬべきか』という二作の小説でしたが、現在は『英雄三国志』のタイトルで一つにまとめられた形で刊行されています。

 

基本的には吉川英治版と同じく『三国志演義』を下敷きとしており、「『眠狂四郎』等の剣豪小説で知られる作者らしい、ケレン味あふれる筆致で描かれた作品です。集英社文庫版の全6巻が現在でも入手可能です。

 

 

ハードボイルド小説で有名な作者の『三国志』。吉川英治や柴田錬三郎の小説が『三国志演義』をベースとしているのに対し、北方版は正史『三国志』をベースとしています。

 

節ごとに登場人物の一人称視点から描かれているのも特徴のひとつ。ハードボイルド作家らしい、『義』を貫く男の生き様が描かれているのが魅力の作品です。ハルキ文庫版が入手可能です。

 

関連記事:三国志演義と正史三国志の違いとは?違う楽しさも三国志の魅力

 

陳舜臣『秘本三国志』

五斗米道(はじめての三国志)

 

三国時代に存在した道教(どうきょう)の一派である五斗米道(ごとべいどう
)
を中心に描き、彼らが人身救済のため、英雄たちの天下統一に歴史の陰から力を貸していく……という異色の作品。

 

史実に依りつつも作者自身の解釈で大胆にアレンジし、『三国志演義』ベースの既存の小説に異を唱えたことで、出版当時話題になりました。

 

 

陳舜臣(ちん しゅんしん
)
が三国志を題材とした小説には他にも『諸葛孔明』『曹操』などがあり、どれも独自の解釈で描かれているのが特徴です。いきなりここから読み始めると、ちょっと戸惑ってしまうかもしれません。まず前記の作品で三国志の概要を知った上で読むのが良いでしょう。

 

中公文庫版が入手可能です。

 

関連記事:もうひとつの宗教団体、五斗米道(ごとべいどう)ってどんな宗教だったの?

関連記事:劉備より先に五斗米道の教祖・張魯が漢中王になった可能性が浮上

 

三国志の漫画と言ったら何?

張飛 本 学問 三国志

 

横山光輝『三国志』

 

小説の定番が吉川英治『三国志』なら、漫画版三国志の定番は、横山光輝(よこやま みつてる
)
の『三国志』でしょう。全60巻からなる長大な作品です。

 

同作は吉川英治の小説を下敷きにしつつも独自の解釈を織り交ぜて描かれており、キャラクターのビジュアルも、原作とは異なるものが多いことも特徴です。(例えば痩せた董卓や、髭面で巨漢の呂布など)

 

潮出出版社希望コミックス版、全60巻が入手可能です。

 

原作:久保田千太郎 作画:園田 光慶『三国志』

 

横山光輝版の全60巻はちょっと重すぎるとお考えの方は、こちらはいかがでしょうか?

 

物語は『三国志演義』ベースでさらに劉備玄徳寄り、漫画らしいデフォルメと横山光輝版にはない、血しぶきの飛び交う戦場描写が特徴です。そしてなにより、物語後半に登場する諸葛孔明の顔が……。

 

講談社から出版された大判コミック全1巻が、Amazonで入手可能です。

 

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関連記事:陸遜はどんな人物だったの?横山光輝『三国志』を元に考察

 

原案:李學仁、作画:王欣太『蒼天航路』

 

近年、アニメ化もされて話題を読んだ本作は、史実ベースに様々な脚色を加えながら、『乱世の奸雄』と呼ばれた曹操孟徳を中心にその幼少期から死までを描いたコミック作品です。

 

作者の王欣太(きんぐ ごんた
)
氏は雑誌の編集長に声をかけられて当作の執筆を始めましたが、それ以前には三国志を読んだこともなく、曹操や劉備の名前も知らなかったということです。だからこそ、既存の『三国志』作品に影響されない、これまでの先入観から解き放たれた新しい『三国志』が誕生したのかもしれません。

 

講談社漫画文庫版が入手可能です。ここで紹介したもの以外にも、『三国志』を題材とした小説やコミックはまだまだあります。皆さんも是非、お気に入りの『三国志』を見つけてくださいね。

 

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