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執筆者:黒田廉

張儀(ちょうぎ)とはどんな人?合従策に対抗した外交策を立て歴史に名を残した遊説家 Part.1

この記事の所要時間: 624




 

蘇秦(そしん)は秦に対抗する外交策「合従」を唱えて、天下の君主を動かし、

秦の圧力に対抗します。

張儀(ちょうぎ)は蘇秦と真逆の外交策である「連衡」を打ち出し、

歴史に名をとどめます。

連衡とは秦と手を結び、隣国を攻める外交策です。

この策は蘇秦が編み出した合従策を破壊するための対抗策で、

この外交策を見事成功させた事で、彼は歴史に名を刻むことになります。




鬼谷先生に外交術を学ぶ

 

張儀(ちょうぎ)は魏国出身の人です。

彼は斉に行き、外交術を学ぶため、鬼谷先生の元で外交術を学びます。

この鬼谷先生の元で一緒に外交術を学んだ一人の天才が居ました。

その名を蘇秦(そしん)と言います。

彼は後年秦に対抗する合従策なる外交策を考え出し、

この外交術を各国の君主に説き、ついに六か国同盟を締結し、

その名を天下に轟かせます。

しかしこの時は未だそのような事が起きると知らず、必死に勉強していた青年でした。

二人は仲が良く、外交術を一体どのようにして、各国の君主に説くのか、

今の世に必要な外交術とは一体どのようなものかなどを論じる仲でした。

こうして二人は互いに切磋琢磨しながら外交術を学び、

鬼谷先生の元を卒業。

蘇秦は西へ、張儀は南へと別れて各国を回ります。




楚で罪を着せられ、ボコられる

photo credit: Tangible via photopin (license)

photo credit: Tangible via photopin (license)

 

張儀は各国を周り、天下の諸侯に外交を説きますが、

君主を動かすまでには行きませんでした。

しかし大臣などは彼の話に耳を傾け、それなりに実のある旅でした。

そんな彼は楚の国を訪れた時、楚の大臣が開いた宴会に呼ばれます。

張儀はこの宴会で自説を大いに述べ、大臣達を大いに頷かせます。

この宴会で楚の大臣が皆に宝石を見せ、大いに自慢します。

その後宴会は終焉に近づいたとき、大臣の宝石が無くなります。

皆は一生懸命に探しますが見つかりません。

その時大臣の息子が「張儀がどさくさに紛れて盗んだに違いあるまい。」と言います。

張儀は反論するも誰も彼のいう事を聞かず捕えられてしまいます。

その後彼の体に百回にわたる鞭が打たれ、ボロボロにされて、放たれます。

 

舌があれば大丈夫だ

photo credit: Purple Tongue via photopin (license)

photo credit: Purple Tongue via photopin (license)

 

張儀はボロボロの体を引きずりながら家に帰ります。

彼の妻は驚き、急いで彼を治療します。

この時張儀は妻に「俺の舌はまだついているか」と問います。

張儀の妻は「ついていますよ」と述べると、彼は満足げに頷き、

「弁舌家に必要な物は言葉と舌だ。舌がついているなら心配はいらない」と

答えた後、倒れこみます。

 

蘇秦に呼ばれ、趙へ赴く

 

張儀は傷が癒えた頃、一人の男が、彼の家を訪れます。

彼は蘇秦の使者で張儀に「今蘇秦は権力の中枢におります。

なぜ友人であるあなたは蘇秦の元を訪れないのですか。」と尋ねます。

張儀は蘇秦が立身出世をしていると知らず、彼の元を尋ねるべく趙へ向かいます。

張儀は彼の家を訪ねますが、彼はいませんでした。

応接に出て来た者曰く「主人は非常に忙しく、家にはほとんど戻りません。

しかし数日後家に戻ってきますので、それまでお待ちいただけますか。」と

尋ねられます。

張儀は「分かった」と頷き、趙の国を見物しながら時間を潰します。

 

蘇秦から屈辱的な扱いを受ける

 

張儀は約束通り、再び蘇秦の家を訪れます。

蘇秦は張儀を家の中に招きますが、家の外に座らされます。

さらに饗応に出された食事は従僕が食べるものと同じものが、出されます。

張儀は頭に来ていましたが、堪えて蘇秦の言葉を待ちます。

蘇秦は上座に座ると張儀に向かって「君の才能は私を超えるが、

なぜそんなにみすぼらしい恰好をしているのかね。

今私は趙で優遇されており、君を粛侯に推挙して高位の官職を授ける事は容易だが、

君みたいな落ちぶれた人を推挙するのは止めた」と言い放ちます。

蘇秦はこの暴言を吐いた後、張儀に「秦に行ってくれないか。」と

頼みごとをしますが、彼は内容を全て聞く前に立ち上がり、蘇秦の家を出て行きます。

彼は蘇秦に対抗するため、蘇秦の家を出てから、秦へ向かいます。

 

隠れて張儀を援助する

 

蘇秦は側近に「あいつは立派な人物だ。いずれ私を超えると言っても過言ではない。

その為、私は彼が小利で満足しないように、彼を侮辱し、わざと発奮させたのだ。

だが私を超える才能をもっている彼が秦へ行っても、

高位をつかむ事は出来ないだろう。

その理由は簡単だ。彼には資金が無いからだ。

悪いが君にこの資金を預ける故、張儀が困ったら援助してもらいたい。」と

言って、側近に大量の金を渡して張儀の後を追わせます。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

黒田廉

 

張儀は蘇秦と並ぶ程の外交家として歴史に名を刻みます。

だが名が知られる前の張儀も辛い時期を送ります。

楚の大臣の家ではボコボコにされ、

友人であったはずの蘇秦には屈辱的な言葉を放たれます。

しかしこうしたつらい時期を変えたのは秦へ向かった事と友人蘇秦の陰助が

張儀の運命を大きく変える事になります。

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