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三国志の結婚事情、不公平?女は早く嫁がないと罰金があった

貂蝉と呂布




劉備 結婚

 

人の営みのなかでも重要なイベントのひとつである結婚。

時におめでたい事であり時に悩みの種なのはいつの時代も同じです。

特に現代ほど自由恋愛や自分の意思での結婚がままならなかった封建社会では、

結婚とはまさにその後の一生を左右する大事だったことでしょう。

今回は、そんな中国古代の結婚事情についてとりあげてみたいと思います。




『結婚』の漢字について

貂蝉 呂布

 

まずは漢字について。

中国最古の字書『説文解字』によると、結婚の「婚」という字は、

結婚式を昏い時刻(日没後)に行ったことから来ているとされます。

これには陰陽説が関係しています。

陰陽説とは、世の中は磁石のN極とS極のように正反対の二つによって成り立っているとする考え方で、

これによれば陽:陰=朝:夜=日:月=男:女という図式になります。

つまり女性は陰に属するので、女性を家に迎え入れる儀式も同じ陰に属する夜に行ったということです。

日本でもかつて夜間に結婚式を行っていた時代がありました。

「婚」のほかに、結婚を意味する表現でよく見られるのは「娶嫁」です。

「娶」という漢字は男性が嫁を「めとる(=女取る)」という意味から成り立っており、

「嫁」という字は女性が自分の「家」から外に出るというイメージから成り立っているとされます。




古代中国では何歳から結婚できたの?

劉備

 

次に結婚年齢ですが、古代中国のマナーバイブル『礼記』に、男は20歳で成人して30歳で嫁を取り、

女は15歳または20歳で成人となり嫁にいく、という一節があります。

また春秋時代の斉国の桓公が、国に妻帯者を増やす方法を腹心の部下である管仲に問い、

管仲が「成人男子は30歳で妻帯し,女子は15歳で結婚するよう国中に命じることです」

とアドバイスする会話が載っています。

これによく似た例で、同じく春秋時代の各国の伝承や語録を集めた『国語』に、

「臥薪嘗胆」で有名な越王勾踐が富国政策として

「女なら年17、男なら20になってまだ独身でいる場合はその両親を罪に問う」

という法を出したことが書かれています。

要はたくさんの民が結婚して子どもを生んでくれれば、

それだけ人口が増えて生産力や兵力、税収の増加に繋がり国が豊かになるという発想ですね。

同じように前漢でも「女子で15歳から30歳までに結婚しない者は五算」というお触れが出されています。

「算」というのは罰金額を示す単位で、漢の法律では成人の年間人頭税120銭が「一算」なので、

その5倍の罰金ということになります。なかなか厳しいですね。

このほか史料上に14、16、17歳で結婚した女性の話が見えますので、全体的に男20~30歳、

女15~20歳が婚期だったのは間違いなさそうです。

晩婚化が進む日本では2014年の平均初婚年齢が男性31.1歳、女性29.4歳ですから、

そんな我々からすると男性は多少早いくらいですが、女性はかなり早婚のように思えます。

もちろん今ほど長生きではなかったであろう時代の価値観としては、

子どもがたくさん欲しいなら奥さんはより若い方が良かったのでしょうが、

人間の生物的な成熟度は今も昔もそう変わらないように思われます。

特に前漢代は早婚の傾向が顕著だったのか、

「世俗では結婚があまりに早すぎる。人の親となる道を知らずに子どもを生んで、

まともに教育できず、幼くして死んでいく民が多い」という批判が『漢書』に載っています。

 

結婚にまつわるタブー

曹操と劉備

 

結婚にまつわるタブーとしてユニークなのは、同性婚ならぬ同姓婚の禁止です。

実は中華圏では歴史的に同姓同士での結婚が敬遠されてきたのをご存知でしょうか?

これは同姓だと血の繋りがある可能性があり、近親相姦になりかねないと考えられたためです。

先述の『国語』は同姓の男女が夫婦となると子孫が繁殖しないと言い、

後漢時代に書かれた『白虎通義』は同姓を娶らないのは

「同族だった場合、血が絶える」や「人倫に反する」、

「生物は異類によって生じる」などと解説しています。

血を守るという観念からむしろ親族内での結婚が珍しくなかった日本や欧州とは真逆で、

中国では血縁同士の結婚にネガティブなイメージがあったのです。

実際、血が近すぎると遺伝的な問題が生じるのは明らかになっており、

現在では世界各国で法的に規制されています。

もちろん同姓だからといって必ずしも近親者とは限りませんから、

同姓不婚は迷信に近いものがありますが、

それでも中国ではなんと2000年以上も昔から近親婚の危険性に気づいていたのですね。

同姓不婚の制度は清代の終わりに廃止されていますが、

台湾などでは今でもそうした観念が残っていて習慣的に避けられています。

 

三国志ライター楽凡の独り言

baienfu

 

最後に、『漢書』から興味深いエピソードをご紹介します。

前漢の建平年間のこと、豫章というところで、ある男子が女子に転化し、

人の嫁となって一子を生んだそうです。

不吉の前兆として記録されたものなのでデマの可能性が高いですが、

なかなか想像を掻き立てられる話ですね。

 

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—




 

楽凡

楽凡

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楽凡

自己紹介:

歴史専攻は昔の話、今は漢文で妄想するのが得意なただのOLです。
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タイムマシンが欲しいけど発明されたくない葛藤。

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