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この記事の目次
キングダムはサラリーマン時代の経験が生み出した
原先生が漫画家を目指したのは、高校生の頃なのだそうです。その後、大学時代に投稿した作品が入賞して漫画家になりますが、どうしても、そのまま漫画家を続けられる気がしないので、一度は辞めて、サラリーマンとして数年間働きます。サラリーマンとして数年働いた後、27歳でサラリーマンを辞め、再び、漫画家として再出発します。マイナスに考えるとドロップアウトですが、この数年間の経験が無ければ原先生は、キングダムを描けなかったと断言します。
「外から見ていると、皆同じに見えるサラリーマンでも、内側から見ると、皆個性があり、バラバラな性格を持っている。見栄っ張り、皮肉屋、自己顕示欲が強い、ネガティブ、お調子者、でも、そんなバラバラなサラリーマンが力を合わせて一つの目的へ向かう。その過程は、キングダムでも活かせるのではないか?」
原先生は、そのように考えて、敢えてバラバラな個性のキャラクターをぶつけその化学反応をドラマにしているのです。まるで正反対の生い立ちの下僕出身の信と将軍の家柄の王賁(おうほん)を競わせたり曲がった事が嫌いな熱血漢の信を敢えて背徳の桓騎の配下につけるのも、まさしく、サラリーマン時代の経験なのでしょうね。
10人の飛信隊でキングダムを造り上げるチームワーク
売れっ子の原先生は、10人のスタッフで週刊連載をこなしています。人間一人、馬一頭の動きにさえ妥協を許さない、原泰久は、細かい合戦シーンも全て手書き、その為にモブキャラについてはアシスタントを頼まないと間に合わないのです。
もちろん、妥協が無い原先生のアシスタントには、高い画力と先生の意図を瞬時に見抜く洞察力が求められ、並の人では勤まらないそうです。その為か、原先生のスタッフからは、すでに4名が漫画家デビューしていて、それは、かなりの高確率になるようです。ベテランスタッフが独立して抜けるのは、原先生としては痛いのですが、そこは、優秀な漫画家を一人でも多く、供給する為に私情を抑え我慢して、笑顔で送り出しているのだとか・・・。流石は原泰久、広く漫画界全体を考えるとは器が大きいです。
ネタばれ上等、それでも面白く描く自信がある
キングダムは、その結末を司馬遷(しばせん)の歴史書 史記に準拠しています。それは、今後、秦王政は、必ず中華を統一するという事であり、死ぬ事が決定しているキャラクターはどんなに無敵の強さがあっても必ず死ぬという事の宣言です。通常は、それが分っているとなんとなくつまらなくなりますが、原先生は、割合平気で、今後の予定などをサービス精神で他人に喋ってしまうそうです。一方、それでも原泰久は断言します。
「ネタばれしてもいいんです、僕は、それでも面白く描く自信がありますから」
そんな事があるのでしょうか?
いえ、原泰久にはあるのです。
証拠を一つ挙げれば、あのレジェンド王騎将軍は、史記には、たった一行の記述しかない人物です。それを原泰久は、無限の想像力と緻密な構想でキングダム読者が一生忘れない記憶に刻み込まれるキャラクターに仕上げました。
やがて秦により中華は統一される、、それが分っていても、李牧の合従軍に読者は手に汗握りました。もしや、まさか、李牧の奇策に背中に嫌な汗をかきました。まさにあれこそ、原マジックなのです。史実を超えない範囲のイマジネーションでも読者は熱くなります。
歴史の結末が分っていても、そんなのキングダムには、漫画家、原泰久にはカンケーないのです!
キングダムライターkawausoの独り言
原先生の漫画には、手抜きがありません、いつでも完全燃焼、いつでも読者と物語に真剣に向き合っているのです。だから、キャラクターに不幸があれば、涙も流します。頭に来る事には怒りもするのです。
きっと、原先生は、この世界で一番面白い漫画を誰よりも先に読みたい最初の読者なんでしょう。だから、最高の漫画を自分で描いて、読者にも、その感動を届けるという神業が出来るのでしょうね。
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