2017年の大河ドラマは女城主・井伊直虎(いいなおとら)です彼女は井伊宗家の娘として誕生しますが、今川家の呪いによって人生が狂ってしまいます。まず義元に疑われたせいで、許嫁である亀之丞が井伊家から逃亡。帰ってきた時には知らない女の人と結婚している状態で、婿養子として井伊直親(亀之助=元服して直親)が井伊宗家に入ってきます。そして直親が井伊宗家を継ぐことになるのですが、彼もまた今川の呪いによって亡き者にされてしまいます。2017年の大河ドラマの主人公・井伊直虎の予備知識として、今川家と直虎の成人後のお話をしていきたいと思います。
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この記事の目次
出家しようとすると・・・・とんでもないことに
井伊直虎は元許嫁の直親(なおちか)が正妻との間に息子が生まれたショックで、出家しようと心に誓って井伊家の菩提寺である龍潭寺(りゅうたんじ)を訪れます。そしてここの和尚に今まで自分の身に起きた不幸を語ってから「出家したいと思います」と自らの決意を述べます。すると和尚は「出家するのはいいのだが、お前は男になれ。井伊家の次期当主である直親の息子はまだ幼い。そのためあなたが出家して男として振舞って、井伊家を支えていく覚悟があるのであれば出家をするべきだ」とアドバイスをもらいます。直虎はこの時の和尚のアドバイスを聞いて井伊家を支えるために男して生きていくことを決めて、次郎法師として出家するのです。
婿養子直親・曽祖父・直平も今川の呪いによって亡くなる
婿養子で井伊宗家の当主であった直親ですが、今川義元の跡を継いだ氏真(うじざね)に疑われたことがきっかけで殺害されてしまいます。この時に直親の嫡男であった虎松も殺害されそうになりますが、井伊宗家の重臣が彼の身を隠したことでなんとか亡くならずに済みました。しかし井伊宗家の当主がまたも今川の手によって殺害されてしまい、直虎の曽祖父である井伊直平(いいなおひら)が再び当主の座に着くことになります。だが彼も今川家の謀略によって殺害されてしまいます。こうして婿養子直親・曽祖父直平も殺害されてしまった井伊宗家は出家していた直虎が還俗して当主の座に君臨することになります。この時に直虎は始めて井伊直虎として男の戦国武将のような名前を名乗ることになるのです。
井伊宗家の舵取りを行う
直虎は井伊宗家の当主として井伊家の舵取りを行っていくことになります。当時今川家は東海一の弓取りと言われていた今川義元が亡くなり、氏真がまだ今川家を継いだばかりでした。今川家に服従していた三河(みかわ)の松平元康(まつだいらもとやす)は今川家から独立。そのため氏真が継いだ今川家は義元時代のような大勢力ではなくなっておりました。直虎の井伊家は今川家の本拠地である駿河から近い遠江(とおとうみ)にあった為、今川家の勢力はまだまだ強く服従していなくてなりませんでした。直虎は今川家に呪われていた恨みを晴らすために、今川からの命令で徳政令(とくせいれい=民衆達が抱えていた借金をなくすこと)を行うように言われますが敢然と拒否。しかし井伊家には今川家を頼りにしていた家老が政治を取り締まっていたことが原因で、徳政令を行うことになってしまいます。
徳川家康に接近して今川の呪いを振りほどくが・・・
今川の呪いによって不幸のどん底に陥れられた直虎と井伊宗家。直虎は今川家の呪いを振り払うため新興勢力である徳川家康(元・松平元康)に、今川家に見つからないように接近し、今川寄りの井伊家家老を追い出して欲しいと要請します。徳川家康は井伊家の要請を受け入れて、井伊家の今川寄りの家老を追い出すことに成功し、今川の呪いを振りほどくことに成功し、井伊宗家が政治の実権を取り戻すことに成功するのです。
戦国史ライター黒田廉のひとりごと
井伊直虎の人生は今川家によって狂わされたといってもいいでしょう。大河ドラマではどのような形で井伊直虎の人生を描くことになるのか、この記事を読んで楽しみにして頂ければと思います。さて徳川家康によって今川の呪いを振りほどくことに成功した直虎ですが、これで幸せになれるのでしょうか。彼女の幸せまでの道のりは険しく遠いものでした。彼女はまだどのような険しい道を歩んでいくことになるのでしょうか。
参考文献 アスキー新書 女たちの戦国 楠戸義昭著など
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