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男が甘いものを食べるなんて、、なーんて時代はもう過去の事。
今はスイーツ専門店をハシゴして、甘い物を食べまくるスイーツ男子も普通ですよね。
そんな現代から、1800年前、あの魏の建国者、曹丕(そうひ)もスイーツ大好き
甘い物が好き過ぎて、変な詩まで書いているのです。
果物が好きだった曹丕は、詔でその甘さを評価した
三国志の時代、白砂糖はまだ一般的ではなく、甘いものと言えば
天然の蜂蜜でなければ、果物でした。
自生するサトウキビはありましたが、まだ砂糖を搾る技術は伝わらず、
当時は、酔いざましに直にサトウキビを齧っていた事が
曹丕の典論(てんろん)という書物に記されています。
典論の中身には、曹丕の自叙伝が含まれていて、その中で曹丕は、
剣術問答から端を発して、家臣と論争になり、なら勝負してみようと
齧っていたサトウキビを剣の代わりにして家臣と試合してたりします。
曹丕は、果物が大好物で食べては、変な詔(みことのり)を出しその味を評しています。
例えば、3世紀当時、上流階級の食卓にしか上らなかったみかんには、
以下のような評価を降しています。
魏文帝詔群臣曰 飲食之物 南方有橘 酢正裂人牙 時有甜耳
翻訳:魏の文帝は詔を下して言った、この食べ物は南方の橘(たちばな)というものだが、
歯が裂けそうな程に酸っぱく、たまにしか甘い物がない
どうやら、3世紀のみかんは品種改良が進んでいないようで、まだ酸っぱかったようです。
しかし、歯が裂けそうな程、酸っぱいとは尋常な酸味ではないようですね。
スイーツ男子の曹丕としては、あまりお気に召しません。
参考文献:風俗文選 著者: 伊藤 松宇 出版社: 岩波書店
曹丕のお気に入り、梨は甘い
そんな曹丕が好んで食べたのは梨でした、梨は中国原産であり当初から水分が多く
甘かったのか、曹丕も食べては上機嫌で以下のような詔を出しています。
魏文詔曰:真定郡梨 甘若蜜 脆若浚 可以解煩飴
翻訳:魏の文帝様は詔を下して仰った、真定郡の梨は、
蜂蜜のように甘く、噛むとさらさらと砂のように崩れてくる。
これぞ朕の甘い物を欲する情熱を満足させる果物だ。
因みに詔とは、皇帝が文書の形式で臣下に聞かせるものです。
「うわっ!梨うめえ!」と書いただけの詔を聴いて、
司馬懿(しばい)などの重臣はどんな顔をしていたのでしょう?
当時の中国には、重さ6キロという人の拳大の巨大な梨もありましたが、
曹丕は、こちらも好物であったようです。
曹丕、熱く吠える、葡萄こそが最高のスイーツ!
そんな甘党の曹丕が最も好んだのが葡萄でした、元々中国にはない葡萄ですが、
シルクロードが通じた事でワインと共に輸入され、一部では栽培されたという話です。
もちろん、栽培に手間がかかり高価で、庶民が食べられるものではありませんが
この葡萄が曹丕は大好物で以下のような長い詔を出しています。
魏文帝詔臣曰 且説葡萄 醉酒宿醒 掩露而食 甘而不○ 酸而不脆
冷而寒 味長汁多 除煩解○ 又醸以為酒 甘於麹 米米
善醉而易醒 道之而流涎咽唾 況親食之耶 他方之果 寧有匹之者
翻訳:魏の文帝様は詔を下して仰いました。
葡萄は大酒を飲んで爆睡し、二日酔いから目覚めてから喰うには最高だ。
表面についている露を飛ばして、口に放り込むと酸っぱくなく、
かといって甘すぎず調度いい味で、酔いも醒めシャキッとする。
葡萄は、口触りも冷たく、そして噛んでいても甘みが長く続く。
このようにして葡萄は体の熱をとってくれるのだ。
しかも、葡萄は生食だけではなく、酒にすると気分良く酔える上に
醒めるのもすっきり二日酔いもせずいいものだ。
嗚呼、考えるだけでも、よだれが出て喉を潤すようだ。
葡萄を食べた事のあるものなら、この朕の気持ちが分かろう。
他所の国に、葡萄に匹敵する果物があろうか?
曹丕の父、曹操も葡萄を食べていた・・
曹丕の父である曹操(そうそう)も、曹丕程ではなくとも果物が好きだったようで、
葡萄は二日酔いの酔いざましに最適と記していますし、曹丕が酸っぺえと
敬遠していたみかんも、割と好物で食べていたようです。
両者ともお酒を飲んだ後の酔いざましに葡萄を食べている点から見ると、
曹丕のスイーツ好きは曹操からの遺伝であるようです。
あまり仲が良くなくても、やはり親子なんですね。
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