よかミカンの三国志入門
黄巾賊




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

姜維が北伐をしなかったら、あるいは北伐を成功させていたら蜀漢は長続きした?

この記事の所要時間: 219




 

劉備が建国した蜀漢は、漢王朝の後継者を自称していました。

王朝は後漢最後の皇帝・献帝が魏の曹丕に帝位を禅譲したことで滅んでいるのですが、

劉備諸葛亮孔明はそれを認めませんでした。

ここで、蜀漢は二つの宿命を背負うことになります。

今回は蜀漢の宿命について触れていきたいと思います。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:姜維は北伐の失敗で衛将軍に降格したのに何で大将軍に復帰出来たの?【前半】




国家の至上戦略

 

蜀漢の宿命のひとつが、「簒奪者たる魏の打倒」でした。

これはまさに建国の志です。

つまり何を差し置いても優先しなければならないのが、「北伐」なのです。

それを諦めることは、国のアイディンティティを喪失することにつながります。

蜀漢が北伐をしないという選択肢は本来あり得ないのです。

丞相たる諸葛亮孔明がそれを行い、その後継者たる姜維が大将軍となって実行に移しました。

もし、誰も北伐を敢行しなかったら、その時点で蜀漢は滅んだといっても過言ではありません。

蜀は国家でもなんでもなくなり、

その住民はただ僻地の山奥に隠れ住んでいる人たちの群れに成り下がるいうことになるのです。




名士重用

 

蜀漢の宿命のもうひとつが「名士の重用」です。

漢王朝が重用してきた名士を、その後継である蜀漢が疎んじることは許されませんでした。

同様に高官として召し抱える必要があったのです。

蜀にあって特に名士として有名だったのが、許靖と劉巴のふたりでした。

世論は名士たちの言動で決まった時代です。

魏に比べて名士の少ない蜀は、余計に気を使って彼らを重用します。

劉備の皇帝即位のとき、官僚の最高位にいたのが太傅となった許靖であり、

皇位の誥命を書いたのが劉巴でした。

ちなみに劉巴は「兵隊ふぜいと話などできるか」と言って張飛と口をききませんでした。

諸葛亮孔明が仲立ちしても収まりません。劉巴が魏に帰りたがっていることは明白でした。

だからこそ劉備は根気強く劉巴を重用したのです。

同様な事項に、漢の司空だった来豔の子で、来敏が無能ながらも高官としてずっと蜀に仕えています。

無能というより狂人だったという説もあります。

それを見て興ざめしていく同志はたくさんいたでしょう。

北方出身の名士ばかりが優遇され、現地の人たちはやる気を失っていきます。

そして「漢の正式な後継はやはり魏である」という世論の流れが、

蜀の住民のなかでも広がっていくのです。

蜀漢は内側から滅んでいきます。

 

北伐が成功していたら

 

姜維が上手く戦ったとして、果たしてどこまで食い込んでいけたでしょうか。

人口、兵力、国土、資源ともに、魏にはまったくかなわない蜀です。

勝てたとして西方の一部を占領するのが限界だったのではないでしょうか。

地理的には涼州、雍州あたりでしょうか。

もしも長安まで占領できたとしたら世論の流れも変わったかもしれません。

しかし、姜維の力だけでそこまで成し遂げるのは土台無理な話です。

異民族を味方につけるだけでは不足です。

司馬氏の専横に対して曹氏や夏侯氏が団結して蜀と結んでいたら、

もしかするとそこまでうまくいったかもしれません。

ただし、国力差を考えると、一時、長安まで領土を広げても、

あっさり魏に奪い返されるというのがオチではないでしょうか。

 

三国志ライター ろひもと理穂の独り言

 

蜀漢に課せられた宿命を考えると、

逆転の目は諸葛亮孔明存命時しかなかったのではないかと思います。

諸葛亮孔明が北伐に成功し、

呉と共同で魏を攻めていたら、或いは魏を打ち滅ぼせたかもしれないのです。

いくら名将とはいえ、その代役は姜維には荷が重かったのではないでしょうか。

蜀漢は「志が高い国」ではありましたが、その分「融通の利かない国」でもありました。

カリスマを失った蜀漢が長続きするのはどう考えても難しかったように思えます。

 

みなさんはどうお考えですか。

 

■記事の内容に関するお問い合わせ(誤植等のご報告など)はこちら

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:木牛流馬って何?孔明の発明で輸送問題が解消し北伐で大活躍?

関連記事:孟達に全てがかかっていた!諸葛孔明の北伐は成功したかも?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

ろひもと理穂

ろひもと理穂

投稿者の記事一覧

三国志は北方謙三先生の作品が一番好きです。

自分でも袁術主役で小説を執筆しています。ぜひこちらも気軽に読んでください!

好きな歴史人物:

曹操、蒲生氏郷

何か一言:

袁術は凄いひとだったかもしれませんよー!!

関連記事

  1. 賈詡のせいで董卓死後、中華が戦乱に陥った!?
  2. 三国志時代の医療はどうなっていたの?華佗以外にも治療を行っていた…
  3. 曹操を好きになってはいけない6つの理由
  4. 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.2
  5. 後漢末から三国時代の世界情勢はどうなってたの?
  6. 漢の時代の人が考えるあの世は、どんなイメージ?
  7. 曹真が明帝時代の名将である確固たる理由
  8. 天地を喰らうという漫画があまりにもカオス!裏三国志入門書 Par…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 三国テンカトリガーとはどんなアプリゲーム?
  2. 井伊直虎の許婚はどういう人?おんな城主 直虎をさらに楽しむ!
  3. 【劉備の初代軍師・徐庶】剣術家から学問の道へ変更したきっかけとは?
  4. 三国志の時代にも可愛い巫女が存在した!?李傕や劉禅もハマった巫女事情
  5. 曹植も詠んだ詠史詩の魅力とは?
  6. 【官渡の戦い前哨戦】文醜はどうして敗北することになったの?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

キングダム 512話 ネタバレ予想:列尾危うし!王翦の次の秘策を徹底予想 天才軍師・郭嘉の息子も天才軍師だったの!? 【春秋戦国時代】時代の主人公であった魏の文侯の厳選エピソード 面白いのに何故かアクセスが少ない記事まとめ【2016年総集編】 【はじめての孫子】第10回:九変の利に通ずる者は、兵を用うることを知る 就職戦線異状だらけ!かなり大変だった三国志時代の就職 小栗忠順とレオンロッシュ。フランスが幕府を支援していた理由は? 【告知】朝まで三国志2017年 秋 本日22時開始

おすすめ記事

  1. 【出師の表】本当は全く泣けない実用文だった!
  2. 【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第21話「ぬしの名は」の見どころ紹介
  3. 【後漢のゴーマニスト】実証主義を貫いた王充(おうじゅう
  4. 秦王政はなんで始皇帝と名乗り始めたの?
  5. 【曹操軍と劉備軍】部下と君主関係の違いって一体どこら辺から?
  6. どうして張飛は士大夫に卑屈なの?
  7. 江藤新平と佐賀の乱について語り佐賀を観光しよう!
  8. 反信長包囲網に参加した諸将の動きを徹底紹介!

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP