はじめての三国志

menu

執筆者:黒田廉

城濮の戦いとはどんな戦い?晋の文公が覇者たる地位を手に入れることになった戦い

この記事の所要時間: 45




 

晋の文公(しんのぶんこう)となった重耳(ちょうじ)。

彼は春秋の五覇の一人に数えられる名君として歴史に名を残すことになります。

だが春秋の五覇になるまでの道のりは辛く険しいものでした。

彼は事件に巻き込まれて晋を逃亡しなくてはならなくなり、

19年もの歳月を各国の間を流浪することになります。

その後彼は秦の国の援助によって晋へ君主として帰ることができ、

春秋の五覇として歴史に名を残すことになるのですが、

文公が春秋の五覇になれたのはある戦いに勝利したことがきっかけでした。

今回は彼が春秋の五覇になるきっかけとなった戦い城濮の戦い(じょうぼくのたたかい)に

ついてご紹介したいと思います。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:【晋の文公亡命旅行がすごい】中国大陸を横断していた亡命生活




宋・楚どちらを取ればいいのか

 

諸国流浪の旅から帰還した重耳は文公として晋の君主に君臨します。

彼が君主の座に就いたとき晋は宋(そう)と同盟しておりました。

この宋の国は南の超大国である楚(そ)と仲が悪く度々争っており、

文公が晋の君主の座についた時にはその争いは収まっておりました。

だが両国の争いが再び再燃することになってしまい、楚は大軍を率いて宋の首都を包囲します。

宋の国は楚に比べて国土・兵力・国力すべての点で楚よりも小さい国であったため、

宋の君主は晋へ救援軍を派遣してくれるようにお願いします。

文公は宋の君主のお願いを聞きたいのはやまやまでしたが、

楚の君主には重耳が諸国を流浪していた時、楚へ立ち寄った事がありました。

この時に楚の君主は流浪の公子であったにも関わらず重耳を厚遇してくれた恩義があります。

どうすればいいのか迷っていた重耳に流浪してた時に付き従っていた家臣である

先軫(せんしん)が「我が国の曹(そう)と衛の地を楚へあげてしまえばいいのではないのでしょうか。

そうすれば楚軍は両国を防衛するために宋を包囲している軍勢は

いなくなるのではないのでしょうか。」と重耳に進言してきます。

重耳はこの進言を聞くとすぐに実行に移し、

楚へ曹と衛の土地を与えることにします。

すると楚の君主である成王(せいおう)は宋から曹と衛の土地を守るため、

宋の首都包囲をやめて両国防衛へ軍勢を向かわせることにします。




子玉の怒り

 

楚に猛将として名高い子玉(しぎょく)と言われる武将がおりました。

彼はこの遠征軍にも参加しており、宋の首都包囲が解除されたのは晋の文公が宋に

介入したことだと知って激怒。

彼は成王の元へ行き「私に兵をさずけてください。

楚から受けた恩義をないがしろにした文公を打ち破ってきます。」と進言します。

しかし楚の成王は「あの人は辛い亡命生活を19年も続けてきて、現在晋公として活躍しておる。

なぜ彼が晋公になれたか。それは彼に天命があったからだ。

天命を持った人物と戦えば必ず我らが敗北するであろう。」と

言って決戦を主張する子玉をたしなめます。

だが子玉は王の言葉を受けても引き下がらず食い下がってくるので、

成王は「勝手にしろ」と言って彼に少しの兵を分け与えて、本体は撤退していきます。

 

関連記事:子玉(しぎょく)って誰?三国志にも名前が出る楚の猛将・成得臣

 

楚を翻弄する

 

文公は楚の子玉から使者が来て「晋が捕虜としている衛の君主の身柄をこちらに引渡し、

曹の領土を以前に戻していただきたい。そうすればこちらも宋から手を引きましょう」と提案。

文公はこの使者を返してから家臣から意見を聞きます。

文公の重臣である狐偃(こえん)は「楚の要求は礼に反しております。

楚はこちらに二つも要求しており、楚が叶えるのはたった一つだけです。

こんなバカバカしい交渉はすぐに打ち切るべきです。」と提案。

しかし先軫は狐偃の進言に反対し「狐偃殿が仰った進言は三国を滅亡することに

なるかもしれません。もし滅亡してしまったら我が国が礼に反したとして

非難を浴びる事になるでしょう。

この非難を回避するためにまず曹と衛の両国を元に戻して、我が国の味方とします。

次に楚の使者を捕縛して楚を挑発します。

そして楚を挑発すれば必ず攻撃を仕掛けてくると思われるので、

我が軍は楚軍と対戦してコテンパンにしてやるのはどうでしょうか。」と進言します。

文公はこの進言を採用して先軫が行った通りのことをやります。

楚の子玉はブチギレて晋軍へ攻撃をおこうことを決意し、城濮へ向けて出陣します。

 

楚へ恩義を返す

 

晋の文公は楚の子玉が攻撃を開始してくると、軍勢を退却させていきます。

このことに疑問を持ったある将軍が文公へ「なぜ撤退するのでしょうか。」と質問します。

すると彼は「昔、楚の国で厚遇されたとき成王へ戦になったら36キロほど退却してあげると

約束したんだ。だからここで恩義を返さなければならないだろう」と説明。

この説明を聞いた武将は大いに満足します。

 

城濮の戦い

 

子玉は晋軍が後退していくので追撃していきます。

そして城濮の地で待ち受けていた斉・宋・秦・晋の四カ国連合軍とぶつかる事になります。

勇猛果敢で鳴り響いた楚軍も四カ国連合軍の兵力には勝てず撤退を行っていくことになります。

この戦いに敗北した子玉は悔しさを滲ませながら楚へ退却していきます。

こうして城濮の戦いに勝利した四カ国連合軍。

そしてこの軍勢の総大将であった文公は周王朝の為に王宮の建造を行い、

自らの国の国力を諸侯へ見せつけてから帰国することになります。

 

戦国史ライター黒田レンの独り言

 

文公は国に帰ると各国から同盟してくれと要請がやってきます。

彼は諸侯との同盟を受けた後、周王朝へ城濮の戦いで捕虜にした楚兵や武器等を進呈。

周王朝の王はこの戦利品の多さを見て大いに驚くと共に

晋の文公を覇者にするとの辞令を出します。

その後周王は諸侯を集めて彼を覇者として認めさせる会議を開き、

満場一致で彼を覇者として認める事になるのです。

こうして春秋の五覇のひとりである晋の文公が誕生することになるのです。

 

参考文献 史記 司馬遷 市川宏・杉本達夫訳

 

キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧

関連記事:劉邦や劉備も手本にした人物 「重耳」 とは?

関連記事:【見逃した方向け】情熱大陸に出演した原先生の苦痛の漫画人生

 

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代バナー





よく読まれている記事

キングダム 40巻

よく読まれている記事:【キングダム好き必見】漫画をより面白く読める!始皇帝と秦帝国の秘密をまとめてみました

 

兵馬俑 kawauso

 

 

よく読まれている記事:知らないと損する!始皇帝と大兵馬俑を100倍楽しむための外せないポイント

 

キングダム 政

 

 

よく読まれてる記事:【衝撃】秦の始皇帝陵は実は完成していなかった!壮大な地下宮殿と兵馬俑の謎

 

兵馬俑 kawauso

 

 

よく読まれてる記事:戦術マニア必見!兵馬俑の戦車で2200年前の戦略がわかる!

 

始皇帝

 

 

よく読まれてる記事:中華統一後の始皇帝は大手企業の社長並みの仕事ぶりだった!?彼が行った統一事業を紹介

 

黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

投稿者の記事一覧

横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

歴史人物:

張遼、孟嘗君、張作霖など

何か一言:

今年も頑張ってはじさん盛り上げていくにゃー!!

関連記事

  1. 【春秋時代ミステリー】春秋時代に残るホラー話
  2. 【曹髦編】三国最強の魏はなぜ滅びることになったの?
  3. 【春秋戦国時代の名言】俺は卑怯な真似はしない by 宋襄の仁
  4. 西郷隆盛が西南戦争を起こした理由とは?
  5. 秦王政はなんで始皇帝と名乗り始めたの?
  6. 豊臣秀頼(とよとみひでより)は本当に豊臣秀吉の息子なの?
  7. 始皇帝の法治国家を助けた韓非と李斯って何でいがみ合ったの?
  8. 【三国志演義】孔明が残した錦嚢策(きんのうのさく)って一体なに?…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 司馬昭(しばしょう)とはどんな人?三国時代終焉の立役者でもあり司馬懿の次男
  2. 図解でよくわかる夷陵の戦いと趙雲の重要性
  3. 怪力無双の豪傑武将は三国志にも実在した!?現代科学が解き明かす超人の秘密!
  4. 趙の名将・李牧の孫が国士無双で知られるあの人と関係があった!
  5. 歴史上最も有名な義兄弟の誕生!桃園の誓い
  6. 戦う思想家集団 墨家(ぼくか)とは何者?

三國志雑学

ピックアップ記事

おすすめ記事

荀攸(じゅんゆう)とはどんな人?地味だけど的確な献策を行った軍師 【お知らせ】全記事一覧(アーカイブ)機能を追加しました! 秦の始皇帝はどんな顔をしていたの?政はユダヤ人だった? 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.6 【シミルボン】人間の発想怖過ぎる!血も凍る三国志時代の処刑方法 閻行(えんこう)とはどんな人?韓遂の部下だが曹操の人質アタックに敗れる 【お知らせ】はじめての三国志を常時SSL化しました。 天下統一後の始皇帝が行った偉大な政策をご紹介

おすすめ記事

  1. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース14記事【5/15〜5/22】
  2. 黒田官兵衛は活躍したのになぜ領地はびっくりするくらい少ないの?
  3. 3月レキシズルバーSP「はじめての三国志」をやってきたよ
  4. 天地を喰らうという漫画があまりにもカオス!裏三国志入門書 Part 2
  5. はじめての三国志チャンネル 第1回目 – 三国志の魅力編 【003】
  6. 81話:赤壁の戦い後の劉備と孫権の関係はどうなったの?
  7. 劉備と呂布を仲たがいさせよ!二虎競食の計
  8. 【キングダム】始皇帝に皇后がいない?その理由について考えてみた

はじさん企画

袁術祭り
特別企画
異民族
諸子百家
春秋戦国時代
日常生活
はじめての三国志TV
PAGE TOP