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【二人の歴史家】姜維の評価をした孫盛と裴松之が下した剣閣戦の評価

この記事の所要時間: 37




 

孔明亡き後、蜀軍のトップとなって常に北伐を敢行していた姜維(きょうい)

彼は魏の鍾会(しょうかい)鄧艾(とうがい)らの大軍が出陣してくると

剣閣(かんかく)に立てこもって魏軍と激闘を繰り広げます。

 

 

彼のこの激闘によって鍾会率いる魏軍の本隊は、

蜀の中心地になだれ込むことができませんでした。

しかし鄧艾率いる魏軍の別働隊が険しい山道を上り下りして、

蜀の中心地に突入したことがきっかけで劉禅は降伏し蜀は滅亡することになります。

姜維が剣閣に立てこもって魏軍と戦ったことについて厳しい批判をした歴史家と

彼の戦いを評価した歴史家がおりました。

さてどちらが姜維の評価として正しいかはじさん読者に検討していただきたいと思います。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:姜維は北伐の失敗で衛将軍に降格したのに何で大将軍に復帰出来たの?【前半】



西晋時代の歴史家・孫盛

 

三国志が司馬炎によって終幕を迎え西晋時代(せいしんじだい)に突入することになります。

この時代に一人の歴史家が誕生することになります。

その名を孫盛(そんせい)と言います。

彼は「魏志春秋(ぎししゅんじゅう)」

「異同雑語(いどうざつご)」など多くの歴史書を編纂した人物として有名で、

三国志の注をつけた裴松之(はいしょうし)も参考にしたほどでした。

彼は姜維率いる蜀軍VS鍾会率いる魏軍との最後の戦い・剣閣の戦いについても

記しており評価を下しておりました。




西晋時代の歴史家孫盛が下した剣閣戦の評価とは

 

孫盛は「晋陽秋(しんようしゅう)」という書物に

蜀と魏の最終決戦である剣閣戦について触れており、

剣閣で蜀軍の総司令官として戦った姜維の評価について触れております。

彼曰く「鄧艾が別働隊を率いて江油(こうゆ)に侵攻してきた際彼の軍勢は少数であった。

にも関わらず姜維は積極的に綿竹関(めんちくかん)へ篭城していた

諸葛噡らに合流するをしなかった。

また剣閣に篭城していた諸将と一緒に劉禅を護衛しなかった。

これはでは蜀が滅びてしまってもしょうがないのではないか。」と

辛辣な評価を下しております。

また彼は「彼は国力が弱っているにも関わらず

関中方面に圧力を絶えずかけようとしていたが、全て失敗に終わっていた。

また魏へ降伏した後、鍾会から厚遇されていたにも関わらず、

彼をそそのかして反乱を起こようと企てており、

鍾会がもし魏に対して反乱が成功したら彼を殺害して蜀を復興させようとしていた。

 

 

私が考えるに彼の行動は全て道理に外れていると考える」と

姜維の行った行動全てを批判する有様でした。

 

裴松之が下した姜維の剣閣戦の評価とは

 

正史三国志に注を加えた歴史家として有名な裴松之。

彼は孫盛が下した剣閣戦の評価と真反対の評価を下しております。

彼曰く「孫盛が下した姜維に対する評価は妥当性を欠くものではないか。

鍾会の大軍は剣閣に到着しており、

姜維がこの地を守備していたからこそ鍾会の大軍は

蜀の中心地へ向かうことができずに帰還しようとしていた。

しかし鄧艾が別働隊を率いて綿竹関を陥落させたせいで劉禅が降伏。

もし姜維が剣閣を放棄して綿竹関へ南下していたら、

鍾会と鄧艾の軍勢に挟み撃ちにされており、

当時の蜀の国内を鑑みるに綿竹と剣閣両方を救うことは難しかったと考える。

それにも関わらず孫盛が綿竹関に姜維が向かわなかった事を批判したり、

剣閣を放棄して劉禅の護衛に向かわなかったと非難するのはおかしい」と

姜維を弁護する評価を下しております。

 

三国志ライター黒田レンの独り言

 

孫盛も裴松之も歴史家として一流であり、どちらの見解が果たして正しかったのか。

こればかりは姜維がいた蜀の国内に生まれていなかれば正当な評価を下すことはできないでしょう。

しかしレンの私見としては裴松之の意見に賛成です。

彼が述べているように姜維がもし剣閣を捨てて綿竹関に向かえば、

鍾会と鄧艾の両軍に挟み撃ちにされており、

もし彼らを追い払うことができても国内を復興するために時間がかかり、

結局蜀は滅亡していたのではないのかなと思います。

そのため姜維がどのように行動するのが最善であったのかはわかりませんが、

あの当時の蜀の国内においては最良の結果を出していたのではないのでしょうか。

皆様は姜維の評価はどちらが正しいと思いますか。

 

参考文献 ちくま文芸文庫 正史三国志蜀書 今鷹真・井波律子著など

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

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横山三国志を読んだことがきっかけで三国志が好きになりました。
その後の日本史・中国史を学びました。
またいろいろな歴史小説を読んでおります。
現在はまっている歴史小説は宮城谷昌光氏の劉邦です。

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