世説新語の「荀巨伯のお見舞い」の友情話が熱い!


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世説新語は後漢末から魏・晋・六朝を通じて、

当時を生きた人々の噂話から人物評、

個々人のプライベートやスキルといったことを載せている偉人達の伝記のようなものです。

世説新語は中国南北朝の宋の劉義慶(りゅう ぎけい)によって編纂されました。

 

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世説新語はいろんな話が載っている

 

『世説新語』などと四字熟語のような名前ですが、

日本では訳された本がいくつも出版されており、読むのは容易です。

また、漢文を無視して訳文のみを読んでいけば、隙間時間にでもどんどん読めます。

今回は、その第一章、徳行篇の一部のお話をご紹介します。

徳行篇とは当時の人々の良い行いが記されたエピソード集であり、

良い人の話、泣ける話が収録されています。


荀巨伯のお見舞い

 

荀巨伯(じゅんきょはく)という友達思いの男がいました。

ある時、病に伏せっている友人のお見舞いにはるばるその友人のいる郡に向かいました。

ちょうどその頃、胡〔えびす〕の賊共がその郡を狙っていました。

タイミングの悪いことに、荀巨伯(じゅんきょはく)が友人を訪ねている最中に、

賊が到着しその郡に攻め込んできたのです。

 

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その時、友人は・・・

 

荀巨伯(じゅんきょはく)は友人のいる郡に着くと、早速友人を訪ねます。

一方で賊もその郡目掛けて侵攻していきます。郡へ侵攻しようとする賊達の動きは、

直ぐにも知れ渡り、その郡にいる人々は大急ぎで逃げ出しました。

賊の襲来の報は、荀巨伯(じゅんきょはく)とその友人にも知らされました。

友人「僕は今にも死ぬ身だ。賊に襲われようが構わない。でも君は違う。

一刻も早くここから逃げてくれ。」

荀巨伯(じゅんきょはく)「見舞いに来た僕に逃げろというのか。

君を見捨て、人の道を外してまで生き延びることなんて僕にはできない。」

荀巨伯(じゅんきょはく)は確かに友人のためを思うが故、御見舞いに来ました。

その彼が、友人を見捨ててしまうのは、

確かに理屈に合わないというか本末転倒の気がしなくもありません。

しかし、普通に考えてそれとこれとは話は別です。

友人にしてみれば、御見舞いと賊の襲来とは別問題です。

このままでは、二人とも殺されてしまいます。


賊の襲来

 

ついに賊がやってきました。

彼は荀巨伯(じゅんきょはく)を見ると言います。

賊「俺達の大軍が押し寄せたのを見て、郡中のやつらが逃げ出したぞ。

だというのになぜお前は一人ここに残っているのだ。お前はいったいどういう男なのだ。

たった一人で踏みとどまって何をしようと言うのだ。」

荀巨伯(じゅんきょはく)「ここには病気の友人がいるのだ。見捨ててなどいけない。

もしも、彼に危害を加えるならば、代わりに僕を殺せ。その代わり、彼に指一本触れるな。」

賊達はそれを聞くと、お互い顔を見合わせてどよめきます。

賊「俺達のような人の道を知らぬ人間が、人の道を重んずる国に踏み込んではいけない。」

 

そのまま、大軍を引き上げ帰っていきました。

荀巨伯(じゅんきょはく)のおかげで、郡全体が無傷で助かりました。


  

 

三国志ライターFMの独り言

 

この荀巨伯(じゅんきょはく)の話は、いわゆる友情モノのお話で、

太宰治の「走れメロス」のような類のお話です。

 

 

そういう意味では、これはよくある話に見えてしまうかもしれません。

とはいえ、世説新語で語られる非常に古いお話ですので、相当大昔の話です。

そのため、現代ではよくある話でも当時はそうではなかったのでしょう。

世説新語自体は、中国南北朝-宋の時代なので、400年代にまとめられた本ですが、

その事実が起こったのは後漢~三国時代の200年代ということになります。

そのような観点でこのお話を見ると、良くある友情モノとはいえ、

最古の友情エピソードの一つと言えることになります。

もしかすると、少し大げさに考えれば、

友情をテーマにした創作小説の起源の一つであるのかもしれません。

そのように見ると、この世説新語は現代の小説の元となっているのかもしれません。

 

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