謎の人物・婁子伯とは何者?その策「氷城の計」は可能なの!?


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ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく

「ろひもと理穂の三国志・寒さとの戦い」のコーナーです。

 

 

戦争の勝敗において気候も重要な要素を占めていることを以前お伝えしましたが、

今回は「寒さ」について触れていきます。

互いに斬り合う戦場の凄惨さから比べると寒い中での行軍や露営は苦労に感じないかもしれませんが、

実際に体験したらそのような区別はつけられないかもしれません。

関東や関西に住んでいる方が「今日は寒い!」と嘆くことがありますが、

東北や北海道の寒さの比ではありません。

確かに命を落とすほどの「極寒の寒さ」が存在するのです。

 

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日本での寒さによる被害

 

寒さがどれほどの脅威になるのか、

よく話題に上るのが日露戦争を控えた頃の日本の雪中行軍の訓練があげられます。

映画にもなった「八甲田山雪中行軍」です。

わずか20kmの行軍のなかで青森第5連隊の210名中199名が寒さによって命を落としました。

場所は青森県です。もちろん敵はいません。単純に行軍の訓練です。

このときの寒さは-20°から-25°、風速29m/sの猛吹雪に遭遇し、

立ち往生し、遭難します。

ちなみに風速が1m/s上がると体感温度は1°下がるそうです。

つまり-50°の中で遭難したのです。

青森第5連隊は何日も彷徨い続け、ほぼ壊滅しました。

装備が疎かだったり情報収集が甘かったりという問題点はあるものの、

寒さの恐ろしさを物語っています。


三国志での寒さ

 

三国志の有名な戦闘はよく冬の時期に行われています。

「赤壁の戦い」の決着がついたのは10月。

「定軍山の戦い」で夏侯淵が討たれたのは1月。

「樊城の戦い」で関羽が斬られたのが12月です。

はたしてどれほどの寒さだったのでしょうか。

南の方であればそこまで寒くもないのでしょうが、

華北での戦闘は厳しかったのではないでしょうか。

より北方の話になりますが、第二次世界大戦の頃の満州は1月の気温が平均して-10°だったそうです。

最低気温で-18°と記録されています。

風が吹きすさぶ中であれば体感温度はさらに下がります。

こういった環境の中でロシア兵と戦うのは至難の業だったことでしょう。

三国志ではこの寒さを利用したという逸話が残っています。

それが「氷城の計」です。

 

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211年の渭水の戦い

 

211年に渭水のほとりで曹操軍と馬超軍が激突します。

馬超の火攻めによって陣を焼失していた曹操は砂地での陣の再建に苦労したそうです。

そこで曹操に献策したのが婁圭、字は子伯でした。

土塁を築き、そこに水を撒けば、寒さで凍りつき強固な塞が完成するというのです。

曹操はその言葉どおりに実行し、一晩で氷の城を築きました。これが世にいう「氷城の計」ですね。

この婁圭、三国志演義では仙人のように描かれており、曹操に助言していますが、

どうやら群雄のひとりだったようで、荊州の劉表と手を結び、董卓の残党である張済を討っています。

曹操に降ったのはその後のようです。

正史でも婁圭の氷城の計は登場しますが、時期が9月という晩秋(閏8月)であり、

設定に無理があるのではないかと裴元紹も否定しているようです。

 

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三国志ライター ろひもと理穂の独り言

 

フィクションの要素も多分に感じる逸話ではありますが、

北方の寒さを利用してこのような塞を築くことは可能だったのではないでしょうか。

とても面白いアイディアではありますね。

もう少し寒い時期なら納得ができます。

しかし、そのような極寒、吹きっさらしの環境で対陣しなければならない兵士たちはたいへんです。

凍死者も続出することになります。

日本の武将で最強ランクの上杉謙信が、雪が降ってきたら戦争をやめて越後に籠ったのも頷けます。

皆さんも一度、本当の極寒寒さを体験してみてください。

 

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