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銃は中国で発明されたものだった?「アンゴルモア」にも登場した火薬兵器

この記事の所要時間: 459




 

「人類の歴史は戦争の歴史である」とは良く言われますが、

戦争を大きく変えた最大の発明と言ったら、

「銃」であることは間違いありません。

 

「銃」はいつごろ発明され、どのように発展したのでしょうか。

HMS班は、今回その謎に迫ってみました。

 

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関連記事:三国志の武器ってどういうの?三国志に登場する伝説の武器も紹介!




「銃」は人類史上、最も多くの人を殺した兵器?

 

ところで。

 

皆さんは「最も数多くの人を殺害した兵器」と聞いて、

どんなものを思い起こしますか?

あるいは、原子爆弾を思い起こされる方もいるでしょう。

 

実は、最も多くの人を殺害したと言われるのは

1947年に、当時のソビエト連邦軍が制式採用した自動小銃、

「AK-47」あると言われています。

 

この銃は構造がシンプルで模倣生産がしやすく、

正規に生産された以外のコピー銃を合わせると、

その生産数は実に1億丁を超えると言われており、

今現在も世界中で使用され続けています。

 

その功罪を問うのは置くとして、

少なくとも「銃」が人類の歴史を大きく変貌させたということは

否定しようのない事実であると言えるでしょう。




火薬の歴史は唐代に遡る

 

火薬がいつごろ発明されたかについては諸説ありますが、

現在では中国(もしくは東アジア)で発明された

(中国四大発明のひとつ)後に、ヨーロッパにもたらされ発展した

(ルネッサンス三大発明のひとつ)と考えるのが定説となっています。

 

中国で火薬が発明されたとする説を裏付ける重要な証拠となる

文献に、唐の時代(7世紀~ 10世紀初頭)に書かれた

「真元妙道要路」という本があります。

 

この書物の中に、「硝石・硫黄・桂冠石(砒素)を混ぜると

燃焼や爆発を起こしやすい」という記述があり、

これらの材料を元に火薬(黒色火薬)を作る製法が

確立していたと言われています。

 

ところが、なんとこの「真元妙道要路」の記述、

実は火薬を作る製法を書いたものではありません。

 

中国には古来、「錬丹術」と呼ばれる不老不死のクスリを

作るための技術がありました。

西洋における錬金術に当たるともされる錬丹術ですが、

その技法において、特に珍重された物質に硫黄があります。

硫黄は黒色火薬の主原料でもあります。

 

実は失敗の産物?だった火薬

 

「真元妙道要路」には、この錬丹術の研究のひとつとして、

ある人物が「硝石・硫黄・桂冠石(砒素)」の3つとハチミツを

混ぜたところ、煙と炎が上がり、やけどを負ったばかりか

家まで焼けてしまったことが記述されています。

そしてそのことから、「硫黄と硝石は決して混ぜてはいけない」と、

戒めの文章で結ばれているのです。

 

なんと、火薬は失敗の産物だったのです。

その、やけどを負って家まで焼いてしまった人には、

自分の“失敗”が人類の歴史を大きく変えることになるとは

思いもよらないことだったでしょう。

 

「アンゴルモア 元寇合戦記」にも登場した火薬兵器「てつはう」

(蒙古襲来絵詞に描かれた「てつはう」/wikipedia)

 

火薬をいつ、誰が兵器に転用することを思いついたのか、

それはさだかではありませんが、その強力な破壊力が

軍事用途に用いられるのは、歴史の必然だったかもしれません。

 

火薬を用いた兵器が世界を席巻することになるのは、

13世紀後半から14世紀半ばにかけてのこと、

アジアからペルシア、そしてヨーロッパに進行したモングル軍が

用いたものが嚆矢であったと言われています。

 

その火薬兵器は元寇に伴い、日本にも到来しています。

元寇の様子を描いた『蒙古襲来絵詞』には、モングル軍が

炸裂し、大きな音を立てる「てつはう」と呼ばれる兵器を

使用していたことが記されています。

 

 

「アンゴルモア 元寇合戦記」にも、この「てつはう」

(劇中では「テッポウ」)が描かれていますね。

 

関連記事:今更勉強しにくい鎌倉時代ってどんな時代なの?アンゴルモア 元寇合戦記を100倍楽しむ!

関連記事:「アンゴルモア 元寇合戦記」という歴史漫画が超絶面白い!

 

火薬が産んだもうひとつの兵器=「銃」

 

火薬が誕生したとされる中国・唐代には

もうひとつの兵器が発明されています。

それは「飛発」と呼ばれるもので、

 

その後、宋代に入り、子窠という人物が「飛発」の

発展系としてつくりだしたのが「火槍」という兵器です。

この「火槍」とは原始的な銃であるとされ、

その後、モンゴル軍によって世界へと拡散していきます。

「銃」が元寇で使われている様子も「アンゴルモア」に描かれていますね。

 

モンゴル軍によってペルシア圏からヨーロッパにもたらされた銃

 

モンゴル軍が「てつはう」や「火槍」といった火薬兵器を

使用した記録が、ペルシア文明圏へもたらされたことが、

イランの文献の記述に残されています。

 

これらの火薬兵器がやがてヨーロッパにもたらされ、

その後劇的な進化を遂げていった、というのが、

今日の世界史における定説となっています。

 

推測:なぜ銃はヨーロッパで特に発展したのか?

 

最初に中国で発明された「銃」ですが、それが世界の歴史を

大きく変える武器として進化したのは、ヨーロッパでのことでした。

なぜ、中国で「銃」が発達を遂げなかったのでしょうか?

 

それには、以下のような理由を推測することができます。

 

1)銃が発明された以後の中国の歴史は比較的安定していた

 

中国で火薬兵器が発明されたのは、唐代から宋代にかけての

時代でしたが、この後、中国ではかつての春秋戦国時代や

五胡十六国時代のように国内が分裂し、戦乱を繰り返すような

時代はありませんでした。

 

戦乱が少なかったということは=兵器が必要とされなかった、

ということでもあり、銃器が発展する必要もなかったわけです。

 

対してヨーロッパでは近代(18世紀頃)まで戦乱が相次ぎ、

それに伴って、兵器が進化していったと考えられています。

 

2)ヨーロッパで科学が進化したことによる影響

 

中国における「錬丹術」は主に「不老不死」を実現する手段

=ある意味で実用性を求めて発展した学問でした。逆に言えば

物質の「性質」を用いる学問でもあったわけですが、それは

物質の「本質」を求める学問には至らなかったとも言えます。

 

対して、ヨーロッパでは「錬金術」が、14世紀の起こった

ルネッサンス期以降、「科学」=物質の「本質」を探る学問と

して、大きく発展を遂げることになります。

 

火薬や銃といった東洋の発明がモンゴルからペルシアを経て

ヨーロッパにもたらされたのも、ちょうどこの時代に当たります。

思えば、他の「ルネッサン三大発明」=「印刷技術」や

「羅針盤」も、やはりこの時代にヨーロッパで

発展を遂げたものでした。

 

その意味では「銃」がヨーロッパで進化していったことも

うなずける話であると言えるのではないでしょうか?

 

三国志ライター 石川克世の独り言

 

『戦争による必要性』が生み出した兵器と言えば

核兵器もそれにあたるでしょう。

 

「必要は発明の母」、とは言いますが

 

今後、このような発明が必要とされる時代が

二度と来ないことを、祈らずにはいられません。

 

はじめての三国志アンケートはこちら

関連記事:【武器】三国志時代やキングダム時代に活躍した鉤鑲や馬甲

関連記事:そうだったのか!武器の特徴を知ると三国志の時代の戦い方が分かる!

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

石川克世

石川克世

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三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、
兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。

好きな歴史人物:

曹操孟徳
織田信長

何か一言:

温故知新。
過去を知ることは、個人や国家の別なく、
現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

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