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三国志の雑学

信じる信じないはあなた次第!?歴代王朝の興亡の秘密は五行にあり!

この記事の所要時間: 349




項羽と劉邦

 

我らが愛する横山光輝(よこやまみつてる)先生は

三国志』のみならず中国のあらゆる王朝の歴史を漫画に描いています。

その中でも、秦滅亡から漢王朝が興るまでを描いた『項羽(こうう)劉邦(りゅうほう)』は

世界史や漢文を学ぶ高校生に是非読んでいただきたい作品です。

 

実はこの『項羽劉邦』の冒頭には秦の始皇帝(しんのしこうてい)が登場するのですが、

彼はある日不思議な夢を見ます。

東から現れた青い服を着た子どもと南から現れた赤い服を着た子どもが現れ、

太陽を奪い合って喧嘩が勃発。

 

最初は青い服の子どもが優勢でしたが、

最後に赤い服の子どもが顔面にぶちかまして一発KO。

そして赤い服の子どもは南に走り去っていったのでした。

 

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関連記事:漢の400年は、たった8年の激しい戦いから生まれた?三国志の前哨戦、楚漢戦争!

関連記事:背水の陣は韓信だけではなかった!項羽が使った悲愴の決意を示した行動とは?

 

 

漢は赤、楚は青

漢は赤、楚は青

 

皆さんはもうお気づきでしょう。

この赤い服の子どもというのは、漢の高祖・劉備(りゅうび)を象徴する存在です。

そして、青い服の子どもというのは、その仇敵・項羽

実はここでわざわざ服の色について言及されているのにはわけがあるのです。

 

 

五行説に則れば、漢の勝利は決まっていた!?

五行説に則れば、漢の勝利は決まっていた

 

実は、彼らの服の色を見れば

「ある知識」さえあればその勝敗は既に明らかであることに気づくことができるのです。

その知識というのは五行説。

 

戦国時代の陰陽家・鄒衍(すうえん)が提唱した説であり、

この世のものは全て5つの要素に大別できるという考えです。

その5つの要素とは、「木・火・土・金・水」。

 

「木」に分類されるものは、例えば色は青(緑)、方角は東、季節は春などです。

その他、「火」に分類されるものは、紅(赤)・南・夏など、

「土」に分類されるものは、黄色・中央・土用など、

「金」に分類されるものは、白・西・秋など、

「水」に分類されるものは、玄(黒)・北・冬などといった具合になっています。

 

この説に則れば、東から現れた青い服の子ども、つまり楚は「木」に分類され、

南から現れた赤い服のこども、つまり漢は「火」に分類されることがわかります。

 

そして、この五行の要素は互いに影響し合うもので、

相生(そうしょう)」といって他の要素を生み出したり、

相剋(そうこく)」といって他の要素を打ち消したりするといった関係にあります。

 

たとえば、「木は燃えるので火を生じる」というのが「相生」で、

「水は火を消す」というのが「相剋」です

これに鑑みれば、楚(木)は漢(火)を生ずるものであるということがわかりますよね。

 

古代中国・超科学の世界に挑戦する HMR

HMR  

実は漢のシンボルカラーは…

実は漢のシンボルカラーは…

 

「なるほど~」という感じですが、これはフィクションでの話で、

実は漢は当初、自らの王朝は「水」に分類されると考えていました。

というわけで、漢王朝のシンボルカラーは「(くろ)」だったのです。

 

えぇ!?

でもでも、漢と言えば「赤」でしょ!

はい、その通りです。

 

実は、漢王朝は自分たちの王朝としての正統性、すなわち徳が

五行では何に分類されるのか度々議論が戦わされ、

そのときの雰囲気で結構好き勝手変えていたのです。

 

けっこうファジーな五行説

けっこうファジーな五行説・王莽

 

そもそも、徳を五行にあてはめるというのは、伝説の黄帝(こうてい)時代から行われていました。

「黄」を冠する黄帝は自ずと「土」の徳を持つとされました。

 

その後いくつかの王朝の興亡を経て、

夏王朝は「木」とされ、その「木」を滅ぼした殷王朝は「金」とされ、

その「金」を滅ぼした周王朝は「火」とされ、

その「火」を滅ぼした秦王朝は「水」とされました。

全て「相剋」の関係にありますね。

 

ところがここで問題が発生。

秦王朝を終わらせたはずの漢王朝が自分たちの徳は「水」と主張し始めるのです。

「秦は法家思想をもてはやしていたし、

徳なんて備わっていないインチキ国家だったんだ!

だから周の後を継ぐ漢こそが水徳の国家なんだ!」

というのが彼らの主張です。

 

しかし、その後その主張が覆される世紀の大発見が!

なんと今の甘粛省あたりにあった天水郡の成紀県という場所で黄龍が見つけられるのです。

これにより漢は「水」ではなく「土」の徳を持っているんだということになり、

秦の「水」の徳がようやく認められる雰囲気になりました。

 

しかし、前漢末になって再びこの説に異論が唱えられます。

天文学者にして目録学者でもある劉向(りゅうきょう)劉歆(りゅうきん)親子が漢の徳は「火」であると主張し始めたのです。

 

彼らは、今までの王朝が「相剋」の関係にあると考えられていたことを真っ向から否定し、

実際には「相生」の関係にあると主張します。

そのため、黄帝は「土」、少昊は「金」、顓頊は「水」、嚳は「木」、

堯は「火」、舜は「土」、夏は「金」、殷は「水」、周は「木」とされ、

今回も秦は飛ばされ、漢が「火」の徳を持つとされるようになったのでした。

 

これ以後、漢のシンボルカラーが我々もよく知る「赤」になったのです。

その後、火徳から生ずる「土」を表す「黄」は黄巾の乱のシンボルカラーにされたり、

魏のシンボルカラーにされたりしていますね。

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライターchopsticksの独り言

 

その後も五行説に則って歴代王朝はシンボルカラーを決めていくのですが、

やっぱりどこかファジーだったようです…。

 

 

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関連記事:王朝交代の背景には中国の五行思想があった!?

関連記事:黄老思想(こうろうしそう)とは何?アベノミクスの原点は前漢時代にあった!

 

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銭大昕の史学考証が専門。
片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。

好きな歴史人物:
諸葛亮、陶淵明、銭大昕

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どうぞよろしくお願いいたします。

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