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執筆者:kawauso

漢の400年は、たった8年の激しい戦いから生まれた?三国志の前哨戦、楚漢戦争!

この記事の所要時間: 527




劉邦 ヤンキー

 

私達が歴史に魅力を感じるのは、そこに生きた人間の生命の躍動があるからです。

例えば、歴史年表の羅列では記号に過ぎない「劉邦」という文字の人物が、

実はゴロツキの親分から、史上最強の将軍、項羽(こうう)を破って

天下を取ったと知るだけで、無味乾燥した記号には血が通い、

いつでも酒臭い、気さくな親分の声が聞こえてきます。

 

もちろん、歴史は乱世ばかりではなく、治世にも見るべきものがありますが、

「戦争はありとあらゆる人間の所業を際立たせる」

という格言もあるように、乱世は、人間が生を全うする為に、知恵と運と、

武力と財力の全てを投入するカロリー燃焼が高い時代なのです。

 

その乱世には、三国志のように、100年を1スパンとする中期型もあれば、

春秋戦国時代のように、500年という長期のスパンの物もあります。

 

罪人

 

そして、楚漢戦争は、たった8年間という短期間に、

ありとあらゆる、英雄、豪傑、知謀の士の夢と野望と挫折が、

ギュッと凝縮した、ジェットコースターストーリーなのです。




楚漢戦争の期間はどれくらい?

劉邦

 

楚漢戦争は、狭い意味では、秦を滅ぼした後の論功行賞で

項羽により漢中に左遷された劉邦(りゅうほう)が漢を建国し

項羽の楚に反旗を翻(ひるがえ)す、紀元前206年から、

項羽が、漢軍に追い詰められ垓下で最後を迎える

紀元前202年までの4年間としています。

 

始皇帝 キングダム

 

しかし、はじさんにおいては、春秋戦国時代を終結させた、

秦の始皇帝が、紀元前210年に死去するその年を楚漢戦争の開始とし、

項羽が垓下で最後を迎える紀元前202年までの

8年の間を楚漢戦争として扱います。

 

何故なら、狭い意味の楚漢戦争で出現する英雄、豪傑、知謀の士の大半が、

始皇帝の死後の陳勝・呉広の乱を境にして雲霞の如く出現するからです。

 

始皇帝 死ぬ

 

彼等が、どうして乱世に出てきたのか?それを知る為には、どうしても、

すべての起爆剤になった、陳勝・呉広の乱、そして、その爆発の原因、

始皇帝の死を扱う必要があるのです。

 

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陳勝(ちんしょう)・呉広(ごこう)の乱で噴出する英雄豪傑達

泣く民027

 

楚漢戦争において、特徴的なのは、その全てが、陳勝・呉広の乱という

100万農民の大反乱から出発しているという事です。

秦の苛酷な法律により、1つの帝国になり、三十六の郡に分けられた

中華は、陳勝・呉広の反乱によって、あっという間に春秋戦国さながらの、

各地に王が分立する混沌たる乱世に逆戻りします。

 

劉邦

 

そして、まるで、運命で導かれたように、この反乱に呼応して、

多くの英雄豪傑が、歴史に飛び出してくるのです。

 

反乱の首謀者、陳勝(ちんしょう)、呉広(ごこう)、反乱を鎮圧すべく

立ち上がる秦の悲劇の名将、章邯(しょうかん)陳勝の死後、

 

項羽

 

江南で反秦連合軍の中心になる項梁(こうりょう)項羽(こうう)

罪人として強制労働に服していた豪傑、六(りく)の黥布(げいふ)

陳勝の配下で、その勢力を引き継いで、王になった張耳(ちょうじ)陳余(ちんよ)

ゲリラ戦の名人で、項羽の補給を分断した彭越(ほうえつ)。

説客の蒯徹(かいつう)、項梁の前に現れた天下の大軍師、范増(はんぞう)

 

韓信

 

流浪を止めて、反秦連合軍に加わる、国士無双、韓信(かんしん)

 

張良

 

始皇帝の死後、生きる目的を探していた、韓の公子張良(ちょうりょう)

 

陳平

 

ありあまる謀略の才を持ちながら、主君を得られない陳平(ちんぺい)

そして、驪山陵に引率する人夫に逃げられ、

 

劉邦 農民

 

自身も逃亡して山賊をしていた沛のごろつき亭長劉邦(りゅうほう)。

 

時代が時代であれば、たった一人でも天下を制覇できそうな、

英雄豪傑、知謀の士が、ゴロゴロと登場して、

 

張良 劉邦

 

天下を巡り、離合集散、虚々実々の駆け引きを繰り広げる

これが面白くない筈はないのです。

 

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逃げる劉邦、追う項羽、息詰まるデッドヒート

張良㈬ 鴻門の会編05 項羽

 

楚漢戦争の後半は、項羽と劉邦の一騎打ちの様相になります。

それ以外の勢力は、項羽についたり、劉邦についたり中立を保つなど

流動的でしたが、項羽は、無敵の力を見せつけて、大軍の劉邦を撃破し、

 

陳平

 

劉邦は馬車一台で、追っ手から逃亡したり、

城を包囲されて、餓死寸前に追い込まれたりしています。

 

陳平

 

しかし、いつでも間一髪のところで、味方に救助され、

また、力を取り戻してしまうのです。

 

例えるなら、それはボクシングの試合に似ています。

階級でもテクニックでも上回る項羽は、格下の劉邦を、

一方的にサンドバッグにしますが、劉邦はゴングに救われたり、

セコンドのアドバイスで致命傷を防いだりでダウンしません。

 

韓信 項羽

 

一方で項羽は、強いのですが、セコンドの言う事を聞かず、

最後には、これを追いだしてしまう始末です。

 

項羽と劉邦

 

こうして、最後の12ラウンド、疲れ果てた項羽は、

劉邦の放った右フックがHITし、マットに沈んでKO負けします。

この、最強の項羽が、最弱の劉邦を追いまわし窮地に追い詰めながら

最後には、敗れてしまうデッドヒートが読んでいて面白いのです。

 

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印象的な人間ドラマが熱い!

楚漢戦争は、たった8年の短い期間ですが、

いずれ劣らぬ名将同士が激突する為に、多くの名場面が産まれました。

 

韓信 股くぐり

 

将来の野望の為に、命乞いでゴロツキの股をくぐっても

平然としていた国士無双、韓信の飄々とした逸話。

 

劉邦

 

劉邦が、殺されそうだと聞くや、単身で盾と剣を持って、

項羽の陣営に突撃して劉邦を救い、

項羽に壮士と称えられた樊噲(はんかい)の逸話。

 

悲劇の英雄 項羽1

 

故郷、楚の為に奮戦しながら、自軍を包囲した漢軍の中から

楚の歌を聴き、「すでに故郷の人も余を裏切ったか」と涙を流した

真っ直ぐで純粋な魂を持つ項羽の逸話。

 

劉邦と項羽

 

何度も劉邦を殺すように献策したにも関わらず、

劉邦を侮り、一向に殺そうとしない項羽に対して、

「豎子(じゅし)、共に謀るるに足らず」(青二才と天下の事は語れない)

と吐き捨てて、項羽の陣を去った大軍師、范増の絶望の一言。

 

いずれも、一度読むと忘れられない逸話揃いです。

 

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人間の業と奔放な野心が感じ取れる時代

項羽 はじめての三国志002

 

楚漢戦争の8年は、一面では殺戮の歴史です。

特に項羽の虐殺ぶりは凄まじく、降伏した秦兵20万人を崖から落として

岩を投げ込んで一瞬で殺すなど、桁外れのジェノサイドです。

その血みどろの殺戮を行う人間の業に戦慄します。

 

韓信 PR

 

一方で、この時代は、全く無名の韓信のような男が劉邦の許可で

あっという間に大将軍になるなど、実力次第で、どんな地位でも望める

活気と熱気に溢れた時代でした。

 

楚漢戦争には、一生懸命に生き、死ぬという言葉が似合います。

 

張良

 

なんだか、元気が出ない時、人生がつまらない時に読むと、

生命の限界ギリギリで輝きを放つ、英雄豪傑達が眩しく見えますよ。

 

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どうも、kawausoでーす、好きな食べ物はサーモンです。
歴史ライターとして、仕事をし紙の本を出して大当たりし印税で食べるのが夢です。

もちろん、食べるのはサーモンです。

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