三国志平話
英雄の墓特集




はじめての三国志

menu

はじめての晋

ゴシップ満載!夏目漱石もペンネームを取った世説新語とは?




kawausoと曹操

 

後漢末(ごかんまつ)から東晋(とうしん)にかけて

あらゆる有名人の噂話が詰まっている

ゴシップ集『世説新語(せせつしんご)』。

 

実は、この『世説新語』には

私たちに馴染み深い故事成語(こじせいご)のもとになったお話が

たくさん載っているのです。

中にはあの文豪がペンネームに選んだ言葉も…?

 

今回は皆さんに

『世説新語』に見える故事成語を

いくつかご紹介したいと思います。

 

関連記事:世説新語の「荀巨伯のお見舞い」の友情話が熱い!

関連記事:世説新語(せせつしんご)ってなに?初心者にこそ読んでほしい小説集

 

 

七歩の才

七歩の才・曹植

 

『世説新語』の文学篇には

三国志』ファンには馴染み深い

「七歩の才」のお話が載っています。

 

曹丕(そうひ)曹植(そうしょく)

俺が七歩歩き終わるうちに詩を詠めなかったら死刑な!

と迫ったアレです。

曹植曹丕が数歩歩くうちに

次のような詩を詠みあげたといいます。

 

豆を煮て持って(あつもの)()し、

()()して以て汁と為す。

(まめがら)は釜の下に在りて燃え、

豆は釜の中に在りて泣く。

(もと)同じ根より生じたるに

()ることなんぞ太だ急なる

 

同じ父母から生まれたのに、

何で僕だけ痛めつけるのお兄ちゃん…

という哀切が(あふ)れる詩です。

これを聞いた曹丕

無理難題を弟に強いた自分を反省したのだそう。

 

この話から、

詩才にすぐれていることを

七歩の才」と言うようになったのです。

 

 

断腸の思い

西遊記・孫悟空

 

東晋王朝を乗っ取ろうとして失敗したという

ちょっぴり不名誉なことで有名な桓温(かんおん)ですが、

ある程度の良識は弁えていたようです。

そんな彼の『世説新語』黜免篇に見える

良識あるエピソードがこちら。

 

あるとき桓温が蜀の地の長江中流あたりにいたとき、

部下の一人が猿の子を捕まえます。

部下はその子猿が気に入ったのか、

舟の上につれていきました。

 

すると岸から

ギャアギャアと悲しげな鳴き声が。

なんと母猿が岸伝いに追いかけてきていたのです。

 

舟が何百キロ進んでも

母猿は諦めることなく舟をおいかけ、

ついに岸から舟に飛び乗ってきました。

 

ところが、その瞬間に母猿は力尽きて亡くなってしまいます。

皆がその母猿の腹を破って見てみると、

その腸は見るも無惨にズタズタに千切れていたのでした。

このことを聞いた桓温は母猿の無念を思い、

子猿を捕まえた部下をクビにします。

 

この話から、

辛く苦しい思いをすることを

断腸(だんちょう)の思い」と言うようになったのでした。

 

時代を超えて愛される中国四大奇書「はじめての西遊記はじめての西遊記

 

竹馬の友

竹馬の友

 

幼馴染(おさななじみ)の友人のことを

「竹馬の友」と言いますよね。

この言葉にまつわるエピソードも

『世説新語』品藻篇(ひんそうへん)に載っているのですが、

ちょっと穏やかではない雰囲気…。

 

再び桓温が登場するのですが、

彼はここでライバル・殷浩(いんこう)

ケチョンケチョンにけなしているのです。

 

桓温によって羌族・姚襄(ようじょう)に敗れた罪をチクられた殷浩(いんこう)は、

庶民の位に落とされてしまいます。

そのことを知った桓温、

ゲスな笑いを浮かべて次のようにのたまったそうな。

 

「殷浩なんて小さいとき

俺が乗り捨てた竹馬で遊んでたような奴なんだぜ。

俺より位が下になるのは当然だ。」

 

このことから「竹馬の友(ちくばのとも)」という言葉が生まれたのですが、

この話を知ってしまうと

大分闇が深い幼馴染という意味にしか

捉えられなくなってしまいますよね…。

 

石に漱ぎ流れに枕す

夏目漱石

(画像:夏目漱石 Wikipedia)

 

最後に、ある文豪のペンネームの由来になった

故事成語をご紹介しましょう。

そのお話は『世説新語』排調篇(はいちょうへん)に見えます。

 

西晋時代に孫楚(そんそ)という人物がいたのですが、

彼は隠遁生活をすることを夢見ていました。

 

そんな彼は友人・王済(おうせい)に向かって

「石に(すす)ぎ、流れに枕したい」と語ります。

「ん?」

と一瞬微妙な顔をする王済。

 

しかし王済はすかさず、

「いやいや、

流れに枕したり石に(すす)いだりっておかしいだろ!

それを言うなら石に枕し流れに漱ぐだろ!」

とツッコミを入れます。

 

これを受けた孫楚はなぜか間違いを認めず、

「流れに枕するのは耳の中を洗うためで

石に漱ぐのは歯を磨くという意味だからいいの!」

と頑張ったのだそうです。

 

このことから負けず嫌いということを

漱石流枕(そうせきちんりゅう)」と言うようになったのだそう。

もう誰のペンネームかお分かりですよね?

夏目金之助、すなわち夏目漱石(なつめそうせき)です。

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライターchopsticksの独り言

 

私たちに馴染み深い言葉にまつわる

面白エピソードをたくさん載せている『世説新語』。

 

正史には描かれているエピソードもありますが、

中には正史では取り上げられない

エピソードを読むことができるので

とても興味深い書物です。

 

みなさんもぜひ

『世説新語』を手にとってみてはいかがでしょうか?

 

関連記事:世説新語に書かれている曹操と袁紹の花嫁略奪がシュールすぎ(笑)

関連記事:白馬の王子がいっぱい?三国志女さらい列伝

 

【赤兎馬はカバだった説に迫る】
赤兎馬はカバ

 

chopsticks

chopsticks

投稿者の記事一覧

清朝考証学を勉強中。
銭大昕の史学考証が専門。
片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。

好きな歴史人物:
諸葛亮、陶淵明、銭大昕

何か一言:
皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

関連記事

  1. 司馬攸(しばゆう)とはどんな人?司馬家の秀才として認められていた…
  2. 何で曹操は漢中で劉備に負けたの?
  3. 文鴦(ぶんおう)ってどんな人?趙雲に匹敵した勇将
  4. 袁準(えんじゅん)とはどんな人?チート宰相・諸葛孔明を高く評価し…
  5. 袁紹の妃 劉氏 賈南風(かなんぷう)とはどんな人?司馬衷の妃となって晋王朝を滅亡…
  6. 劉禅に降伏を勧める譙周(しょうしゅう) 譙周(しょうしゅう)とはどんな人?劉禅に降伏するのが得策であると…
  7. 【キングダムの登場人物の子孫達】東晋時代の王賁の子孫の政治手腕と…
  8. 衛瓘(えいかん)とはどんな人?司馬昭の重臣であり、晋の建国時に大…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 後宮にいる美女の階級事情
  2. 劉備勝ちまくり!仮想三国志
  3. 袁紹の妃 劉氏

おすすめ記事

  1. 秦檜とはどんな人?実はスパイだったの? 秦檜(しんかい)
  2. 銅雀台(どうじゃくだい)ってなに?どんな建物で何をするところだったの? 城 銅雀台
  3. 「英傑ランキング」上位100名の中に選ばれた8人で争われる「公式頂上リーグ選抜決定戦 ~小暑の陣~」開催
  4. まるでクリントイーストウッド?三国志は西部劇だった?
  5. 三条実美とはどんな人?尊王攘夷派だが岩倉具視と仲が悪かったエリート 三条実美
  6. 四川の孔明史跡(成都武侯祠・剣門蜀道・明月峡・都江堰)を調査してみた【三国夢幻紀行 諸葛孔明篇1】

三國志雑学

  1. 張角は歴史の表舞台に登場
  2. 劉備 結婚
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

  1. 大喬
  2. 天下三分の計
  3. 張コウ 張郃

おすすめ記事

正妃 卞夫人 卑しい身分から、曹操の正妃へ卞夫人 Part.2 曹操から逃げ回る劉備 長坂の戦いはどんな戦いだったの?史実をもとに地図を使い徹底解説! 【キングダム552話】「身を切る作戦」ネタバレ&レビュー 秦の宰相として歴史に名を刻んだ名宰相・范雎(はんしょ)【丞相編】 夷陵の戦いで負ける劉備 夷陵の戦いで戦死した将軍や主要人物は誰なの?分かりやすく解説 蜀の姜維 姜維が北伐をしなかったら、あるいは北伐を成功させていたら蜀漢は長続きした? 【9月の見どころ】9月に公開予定:三国志平話の世界 三国志 Three kingdomsの諸葛亮がイケメンすぎる!

はじさん企画

“if三国志" 英雄の死因 “三国志とお金" “はじめての漢王朝" “はじめての列子" “はじめての諸子百家" “龍の少年" “読者の声" 袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
英雄の武器 編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志" 英雄の墓特集
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

PAGE TOP