よかミカンの三国志入門




はじめての三国志

menu

春秋時代

【孔門十哲】宰我(さいが)とはどんな人?孔子に一番叱られた弟子

この記事の所要時間: 340




儒教

 

あなたが小学生や中学生の頃、

毎日のように先生に叱られていた人はいませんでしたか?

 

授業中だろうが休み時間だろうが

ペラペラペラペラ減らず口を叩きまくり、

先生の指示や校則に対して

「それ意味なくないっすか?だってペラペラペラペラ」

などとまくし立て、とりあえず楯突(たてつ)きまくるアイツです。

 

そんな困ったちゃんなアイツの言葉に

思わず「確かに…」と頷いた人も少なくないでしょう。

 

実は孔子の弟子の中にも

困ったちゃんなアイツがいたのです。

 

関連記事:【歴史嫌いな中高生必見】春秋戦国時代はいつ始まってどこで終えたの?

関連記事:【春秋戦国時代の名言】俺は卑怯な真似はしない by 宋襄の仁

 

 

孔子、余計なことを言うなと叱る

孔子、余計なことを言うなと叱れる宰我

 

孔門十哲(こうもんじってつ)の中でも、

特に言語に秀でていた者として宰我(さいが)の名が挙げられます。

 

孔門十哲というのは

孔子が実際にその名を挙げて才を称えた10人のことですから、

宰我も言葉の才能を孔子に高く評価されていたということです。

 

ところが、『論語(ろんご)』では

宰我が孔子に叱責(しっせき)されまくっています。

 

言葉について称えられている宰我ですが、

まずはその言葉について孔子に叱られているエピソードをご紹介しましょう。

 

あるとき、()哀公(あいこう)が宰我に対して「(しゃ)」について尋ねました。

ちなみに、「社」というのは土地神の憑代(よりしろ)となる樹木のことです。

 

すると宰我はペラペラと次のように答えました。

「夏の君主は松を社とし、殷人は(ひのき)を社とし、周人は(りつ)を社としました。

ちなみに、周が栗を社としたのは、

その社で死刑を行うときに民草を戦慄させるためだったんですよ。」

 

宰我は「栗(りつ)」と戦慄(せんりつ)の「慄」が掛かってるんやで~!とドヤ顔。

 

ところが、この話をしたことが孔子の耳に入ったらしく、

「やってしまったことは仕方がないし(とが)めないけれど、

もう変なことを言って君主を刺激してはならんぞ」

と叱られてしまったのでした。(『論語』八佾篇(はちいつへん)

 

 

 

孔子、こいつはどうしようもないと呆れる

 

「口は災いの元」を見事体現して見せてくれる宰我ですが、

黙っていてもやっぱり叱られます。

 

宰我はある日、

だらだらと真昼間に惰眠(だみん)を貪っていました。

 

その様子を見た孔子は

「朽ち木に彫刻はできないし、

糞土(ふんど)で作られた壁には上塗りできない。

宰我に叱っても何の意味もない。」

とあきれ果てます。

 

しかし、やっぱり宰我への怒りは収まらなかったようで、

「私も昔は人の言葉を聞いて、きっと実行してくれると信じていたものだ。

しかし、今私は人の言葉を聞いて更にその行動まで見届けてから信じることにしている。

あぁ、宰我のおかげでこのように改めたのだよ。」

と痛烈な皮肉を発射。(『論語』公冶長(こうじちょう)篇)

 

話せば叱られ、寝ても叱られ、

何で宰我が孔子の弟子でいられたのかがわからなくなってきますね…。

 

【呉のマイナー武将列伝】
呉の武将

 

孔子、礼を否定されてキレる

 

孔子は周を理想的な国家であると崇拝しており、

周が定めた礼をそのまま継承していくべきだと考えていました。

 

ところが、宰我が周の喪礼について難癖(なんくせ)をつけ始めます。

 

「喪が3年って長すぎますよ。

もし君子が3年も(れい)を修めるのを中断してしまったら、礼は廃れてしまうでしょうし、

3年も(がく)を修めなければ、楽だってダメになってしまいます。

(本当はもっと短くていいと思ってるけど)まる1年でやめていいのではないですか?」

 

これには孔子の眉毛がピクリ。

「お前は自分の親が死んで3年経たないうちに

米を食べて錦を着ても何とも思わないのか。」

 

孔子に問われ、

「別に何とも思いませんよ。」

キョトンとした顔で即答する宰我。

 

そうじゃない、そうじゃないんだよ宰我…。

 

よくわからんといった風な宰我に孔子は次のように諭します。

「君子というものは、

()に服している間は美味しいものを食べても味がわからず、

音楽を聴いても楽しい気持ちにならず、

家に居てもおちつかないものなのだ。

でも、お前が何とも思わないなら好きにすればいい。」

 

「君子になれなくてもいいなら勝手にすれば?

君子になれなくてもいいのならね!」

という孔子の含みに気づかなかったのか、

「はいわかりました」といった様子で去っていった宰我。

 

その背中を見送りながら孔子は嘆きました。

「宰我には仁の心が無いなぁ。

子どもが親から自立するのに3年かかるということから

喪に服す期間も3年と定められているというのに。

宰我だって父母から3年もの間愛を受けて育ったはずだろうに…。」(『論語』陽貨(ようか)篇)

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライターchopsticksの独り言

 

孔子の弟子の中でも随一の問題児であった宰我。

 

その口から発せられる言葉に

孔子もカチンとくることが多かったでしょうが、

宰我の素直な言葉にふと気づかされることも多かったのではないでしょうか。

 

自分の考えを批判的に見てくれる目として、

宰我は孔子に愛されていたのかもしれません。

 

関連記事:春秋と史記に隠された意味がダヴィンチコードレベル

関連記事:関羽も丸暗記した春秋左氏伝はどうして人気があるの?

 

孔子の愉快な弟子たち『はじめての孔門十哲』
孔門十哲

 

chopsticks

chopsticks

投稿者の記事一覧

清朝考証学を勉強中。
銭大昕の史学考証が専門。
片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。

好きな歴史人物:
諸葛亮、陶淵明、銭大昕

何か一言:
皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

関連記事

  1. 呉王殺害に成功した暗殺者・専諸ってどんな方法で暗殺に成功したの?…
  2. 【春秋時代の覇者から学ぶ】桓公・勾践・呉起から学ぶ!明日から使え…
  3. 西施(せいし)とはどんな人?中国四大美女の一人であり復讐の道具と…
  4. 【孔門十哲】子夏(しか)のどのあたりが文学に長けていたの?
  5. 孔子と凄く仲が悪かった隠者とはどんな人達?
  6. 【孔門十哲】仲弓(ちゅうきゅう)ってどんな人?孔子も太鼓判を押し…
  7. 城濮の戦いとはどんな戦い?晋の文公が覇者たる地位を手に入れること…
  8. 【刀匠干将・莫耶】二人が作った剣、実は三国志にも関わり合いがあっ…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 大発明!耕しながら戦う曹操のフロンティアスピリット
  2. 井伊直弼の評価はどうなっているの?独裁者?英雄?
  3. 【獄卒の偉さを思い知った宰相】漢の功臣・周勃の名言とは?
  4. 【軍師連盟】司馬懿が起こしたクーデターは博打だったの?
  5. 後漢の時代のお金の常識に迫る!当時の金融はどんなモノだったの?
  6. なぜ袁紹は小勢力の曹操に敗北してしまったの?原因は名士だった!?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

潼関の戦いに参加した異民族、阿貴と千万とはどんな人? 藏覇(ぞうは)とはどんな人?鬼神呂布に勝ち曹操を感激させた漢の生涯 山崎の戦いってどんな戦いだったの?明智光秀VS羽柴秀吉が激突した戦 西郷どんと会津藩はどんな関係性なの?3分で薩摩藩と会津藩の関係を理解 三国志時代には馬に乗りながら一騎打ちができなかった!?その理由とは? 呂布の配下、八健将(はちけんしょう)とはどんな人たち? 隗より始めよとはいったい何?最強の自薦方法だけど就職活動には使えない? 張邈(ちょうばく)とはどんな人?親友の曹操を裏切って反旗を翻した政治家

おすすめ記事

  1. 董允(とういん)ってどんな人?蜀の黄門様、劉禅の甘えを許さず!
  2. もし荊州を趙雲に任せたらどうなったの?【ろひもと理穂if考察】
  3. 趙襄子(ちょうじょうし)とはどんな人?趙を建国し、春秋時代の幕を下ろした人物
  4. 毛利家を守るために小早川隆景の苦渋の決断とは?
  5. 織田信長の父・「尾張の虎」こと織田信秀の前半生に迫る
  6. 手作り賈詡のお面を作っていただきました。
  7. 月照はどんな人?西郷どん最愛のお坊さん?
  8. ええっ!曹操と劉備は元々は仲が良かったって本当?

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP