【孔門十哲】子路(しろ)とはどんな人?孔子と憎まれ口をたたきあった人

2018年9月16日


 

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儒教

 

孔門十哲(こうもんじってつ)に名を連ねる子路(しろ)季路(きろ))ですが、

孔子に「(がん」「野」つまり「ガサツだ」と言われています。

 

しかし、子路も負けてはいません。

孔子に対して「迂」つまり「まわりくどい」と

直接文句を言っています。(『論語(ろんご)』子路篇)

 

憎まれ口をたたき合う孔子と子路の子弟関係は

他の弟子たちよりも濃密だったようで、

『論語』で子路は最も多く登場している上に、

あの文豪・中島敦(なかじまあつし)にも小説の題材として取り上げられています。

 

今回は、そんな孔子の愛弟子・子路の素顔に迫っていきましょう。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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武勇と決断力に長けた孔子の愛弟子

武勇と決断力に長けた孔子の愛弟子

 

孔子は子路のことをガサツだの野蛮だのとディスりまくっていますが、

その一方で彼の武勇や決断力を評価していました。

 

孔子は子路が仁を持ち合わせているかどうか尋ねられた際、

「仁を備えているかはわからないが、

子路には諸侯(しょこう)の国で軍事を切り盛りさせることはできる」と評価しています。

(『論語』公冶長(こうじちょう)篇)

 

また、子路に政治を執り行う力があるかどうかを尋ねられた際には、

「子路は果断であるから、政治くらいは難無くこなす」と答えています。(『論語』雍也(ようや)篇)

 

更に、「ほんの一言訴えを聞いただけで判決を下せるのは子路くらいだ」

と称賛しています。(『論語』顔淵(がんえん)篇)

 

孔子にその才を高く評価された子路は、

後に「孔門十哲」に名を連ねることになったのでした。

 

 

 



けっこうお調子者の側面も

けっこうお調子者の側面もある子路

 

子路は孔子によく褒められていたようですが、

褒められるとすぐに得意になってしまう

子どものような側面もあったようです。

 

孔子はあるとき、

ままならぬ世の中に疲れたのか、

子路に対して次のような言葉をかけました。

 

「正しい道がなかなかどうして行われない。

いっそいかだに乗って海に浮かんでみようかな。

私についてきてくれるのは、まぁ子路くらいだろうかね。」

 

これを聞いた子路は大喜び。

 

しかし、そんな子路に対して孔子は次のように続けます。

 

「子路や、お前が勇ましいのは私以上で結構なことだけれど、

いかだの材料は一体どこにあるのかね?」(『論語』公冶長篇)

 

孔子は子路が無邪気に喜ぶのを見て、

その無鉄砲ぶりを思い出したのでしょう。

ちょっとブレーキをかけてやるつもりで皮肉を言っています。

 

この言葉を受けた子路はちょっとだけシュンとしたかもしれませんね。

 

しかし、子路のお調子者エピソードはこれだけにとどまりません。

 

子路は孔子のそばにはべっていたとき、

他の弟子たちが慎ましくしていたり、

なごやかにしていたりする中で、

思いっきりドヤ顔をして歩いていたようです。

 

そんな子路の様子を見て、

孔子は「子路みたいな男はろくな死に方をしないだろう…。」

とこぼしていました。(『論語』先進篇)

 

 

 

孔子、塩漬けのお肉を食べられなくなる…

 

何とも不吉なことを漏らしていた孔子ですが、

果たして子路はその言葉通り、

不幸な最期を迎えることになってしまいます。

 

子路が(えい)国に仕えているときに、

なんとその衛国で内乱が勃発。

 

孔子はそれを聞いたとき、

「子路は死んでしまうだろうな…」とこぼしました。

 

そしてその言葉通りに、

子路が亡くなったという知らせをかかえた使者が

孔子のもとに飛び込んできます。

 

孔子は一通り大声を上げて泣いた後、

使者にその死の様子を尋ねました。

 

「子路は凌遅刑(りょうちけい)に処せられ、塩漬(しおづ)けにされました…。」

 

この使者の言葉を聞いた孔子は、

「私はもう塩漬けの肉を食べることができない…!」と言って

弟子たちに家中の塩漬けの肉を捨てさせたのでした。(『孔子家語』)

 

現代でも大切な人を火葬で送った後、

焼き肉が食べられなくなったという人の話をチラホラ耳にしますが、

孔子も大切な弟子を想うあまり、

塩漬けの肉が食べられなくなってしまったのでしょう…。

 

kawa註

凌遅刑とは、罪人を生きたまま少しづつ肉を削いで殺すという極刑

清の時代まで存在していました。

主に国家転覆を企んだ人間に適用されたようです。

   

 

三国志ライターchopsticksの独り言

 

何かと意見が対立することの多かった孔子と子路。

 

孔子はそんな子路に対し、

「これだからあの屁理屈屋は嫌いだ!」

とまで言い放ったことも。(『論語』先進篇)

 

傍から見ると相性最悪な2人ですが、

喧嘩するほど仲が良いというのか、

ある意味理想的な子弟関係を築き上げていたのかもしれません。

 

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