どんなことにチャンレンジするのにしても「成功するイメージ」が湧かない。
「きっと失敗するだろう」と思ってしまう傾向が強い人はいませんか?
そして予想通りに失敗する。自信をさらに失うことになってしまいます。
こうして負のループにはまり込んでいくのです。
この記事を読み終わる頃には、
あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています!
※このお話は、三国志に登場する袁術(公路)が、21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な
「自己啓発」のやり方を学び、実践していく物語になっています。
やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。
関連記事:第1話:袁術くん、ポジティブになるために「リフレ―ミング」を学ぶ
関連記事: 第2話:袁術くん、将来に希望を持つために「自己肯定感」を高める
袁術くん、成功のイメージが湧かないことを盧植に相談する
袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。
父の袁逢は三公の中の司空に就いたことがありましたが、
すでに病没し、この世を去っています。
袁術くんは、名士として名高い尚書の盧植の屋敷に招かれていました。
袁術くんの父親である袁逢と盧植はとても親しく交流していたからです。
袁術は生前の父親が、「盧植のアドバイスほど正確で誠実なものはない」
と絶賛していたのをよく聞いていました。
盧植、字は子幹。幽州涿郡の出身で、背が高く190cm以上はあります。
黄巾の乱の際には北中郎将としてその討伐にあたりましたが、
視察に訪れた宦官に賄賂を贈らなかったために罷免され、
近年になってようやく尚書に復帰したのです。
「袁術殿は、虎賁中郎将に昇進されたようですね。おめでとうございます」
「ありがとうございます。天子様をお守りする大切なお役目と心得ているのですが、
統率する中郎など部下も多くなり、私でうまくできるのか心配です」
「規律を重んじ、各隊長らともしっかりコミュニケーションをとっていくのが肝心だと思いますよ」
「どのようにお役目を果たせばいいのかはご指南いただいたのですが、
その通りにできるのかどうかが問題です。
まったくうまくいくイメージが湧かず、私の手際の悪さで組織をバラバラにしてしまうのではないかと、
失敗する夢ばかりをみるのです」
「なるほど。それは、袁術殿の自己効力感が低いのが問題なのかもしれませんね」
「自己効力感?
以前、自己肯定感については義弟からアドバイスを受けたのですが、別物ですか?」
「自己肯定感があっても、自己効力感が低ければ、
目標を達成するための自信は湧いてこないでしょう」
「ぜひ、自己効力感の高め方をご指南ください」
自己肯定感と何が違うのか
「自己肯定感とは、ありのままの自分を受け入れ、自分を大切に思えるという存在の認知です」
「そのために、小さな目標をクリアして自信をつけ、常に感謝の気持ちをもって、
自分は受け入れられているのだということを実感できるようにしてきました」
「正しい自己肯定感の高め方ですね。義弟とは太僕の楊彪殿のことですか?」
「そうです。リフレ―ミングも上手く活用すると自信に繋がると話していました」
「なるほど。では、自己効力感ですが、こちらは、
自分が求められている行動をとれるのかどうかという能力の認知になります」
「存在の認知と、能力の認知では違うのですね」
「簡単に説明すると、何かを始める際に、
まあきっと自分だったらうまくいくだろうと思える人と、
自分だったらうまくいかないだろうと思える人の違いです」
「そうすると、私は完全に自己効力感が低い方に該当しますね」
「自己効力感が高いと、やり遂げる自信に溢れているので、とてもポジティブです」
「自己肯定感を高めていくだけでは、自己効力感は高まらないのでしょうか?」
「相関する点は多くあるでしょう。成功体験を増やしていくというのは、
両者を高めていく有効な手法ですからね。自分はできるという感覚は大切です。
しかし、目標の設定といった面では、
自己肯定感を高める手法からやや工夫すべきだと思います」
「と、言いますと?」
「目標設定が的確でなければ、自己効力感は低下していくのです。
高すぎる目標設定だと実現不可能なためにやる気と自信を失います。
逆に低すぎる目標設定でも、達成できて当然のため、自己効力感は高まりません。
この場合の成功体験では無意味なのです」
「では、具体的にどのようにすれば、自己効力感は高まるのですか?」
自己効力感を高める方法
「ポイントは思い込みですね」
「思い込みですか?」
「そうです。自分はできると思えればいいだけの話ですから」
「え?そんな簡単に思い込むことってできますか?」
「代理経験がいいのではないでしょうか」
「代理経験?」
「たとえば、袁術殿の御兄弟である袁紹殿や同世代の曹操殿などに注目するのです。
彼らは新しく設置された西園八校尉に任命されました。
彼らにできるなら、自分にもできそうだと思い込むのです。
私の見立てでは能力に差はありません。彼らにできるのなら、袁術殿にも可能です」
「ありがとうございます。そうですか、同期のライバルの経験を利用するわけですね……
それで思い込めるでしょうか?」
「それが難しいようでしたら、尊敬する人物や成功者の真似をしてみることです」
「真似ですか?」
「そうです。徹底的に言動や仕草も真似ます。
この時、その心情も察して真似ることがポイントです。これをモデリングと呼びます」
「モデリング…… 誰を真似ていいものか…… 言動や仕草までいちいち記憶していないです。
でも、それができたら、自分もできると思い込めそうですね」
「まあ宦官たちのモデリングはやめておいた方がいいですね。連中はろくなもんじゃないですから」
「今度、何大将軍に拝謁する機会があるのですが、
何大将軍の言動や仕草を参考にしてモデリングしてみるのがいいでしょうか?」
「ウーン…… 何大将軍ですか…… もっと頻繁に会える相手の方が、真似はしやすいと思いますが。
そうだ。格好の人物がいました。一日に千里を走り、王佐の才と評された有能な人物です。
彼は思い込みのスキルのプロフェッショナルでもあります」
「どちらの官職の方でしょうか?」
「いえ、無官の徒ですよ。先日、獄から釈放されたばかりです。
復讐を警戒して姓名を変えていますがね」
「はあ……」
「実は私が住処を手配したのですよ。会ってみますか?モデリングするにもいいですし、
さらに強い思い込みのテクニックも学べますよ」
「投獄されていた方に、ですか?」
「ええ」
「自己効力感」の高め方のまとめ
「それでは、やり遂げる自信に強い影響力を持つ自己効力感ですが、
高め方は大きく分けて2つになります。
ひとつは、細かく分けても構わないので、適度な目標を達成して成功体験を積み上げていくこと。
そしてもうひとつは、代理経験やモデリングなどで、自分にもできると思い込ませることです」
「ありがとうございます。ちなみにモデリングする対象としておすすめいただいた御方の姓名は、
何とおっしゃられるのでしょうか?」
「本名は、姓は王、名は允です。黄巾の乱の鎮圧でも活躍しています。
その頃は確か、豫州の刺史でしたね」
「王允様のことでしたか。文武に優れた人物だと聞いています。
お会いできるのが楽しみです」
結論
・自己効力感と自己肯定感との違い
・自分がやり遂げられるのかどうか、といった能力の認知。
・低い目標設定では、自己効力感は高まらない。
・自己効力感を高める方法
・的確な目標設定をし、それを達成することで成功体験を積み上げていく。
・代理経験やモデリングなど成功者を参考にして、自分もやれると思い込む。