第18話:袁術くん「集中力の高め方」を周瑜から学ぶ

2019年2月12日


 

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袁術

 

「やらなければならないことがわかっているのに、どうしても他の事に気が散ってしまう」、「期限がギリギリなのに、集中できずに、別の事を始めてしまう」ということはありませんか?それは集中力を上手くコントロールできていないからではないでしょうか。

 

この記事を読み終わる頃には、あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています!

 

※このお話は、三国志に登場する袁術(公路)が、21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な「自己啓発」のやり方を学び、実践していく物語になっています。やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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袁術くん、周瑜から揚州制圧についての報告を受ける

周瑜

 

袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。

父の袁逢は三公の中の司空に就いたことがありましたが、すでに病没し、この世を去っています。

 

今日は、揚州南部の制圧に向った孫策の状況について、軍師として孫策に従っている周瑜が袁術くんのところに報告に訪れていました。

 

周瑜、字は公瑾。揚州廬江郡の名家の生まれで、まだ20歳そこそこの年齢ながら、文武の才に優れ、眉目秀麗で「美周郎」の異名で名を揚州一帯にとどろかせています。孫策とは幼い頃からの朋友の間柄で、亡き孫堅の跡を継ぎ、孫氏再興を願う孫策に全面協力していました。

 

「左将軍様(袁術)、孫伯符(伯符は孫策の)は見事に揚州の刺史・劉繇を退けました。呉郡に続き、夏の終わりには会稽郡も制圧できるでしょう」

 

「そうですが、さすがは孫堅殿の息子。僕にも孫伯符のような息子がいたらと、孫堅殿が羨ましいですよ」

 

「過分なるお褒めの言葉として、お伝えさせていただきます。左将軍様、帝の保護はいかがしましたか?」

 

「萇奴に兵を率いさせて洛陽に迎えにやりましたが、帝の側近の董承という男に一杯食わされました。警護にいいように利用された挙句、李傕らを撃退した後は邪魔になったのでしょう。帝の命令に逆らったとして放逐され、今では僕は逆賊扱いですよ」

 

「なんと、それでは帝はどうされたのです?」

 

「董承は、一度は追い出した孟徳(曹操の字)と再度手を結ぶことにしたようです。野心の塊で、すぐに心変わりする男ですよ。董承のおかげで、僕には賞金が懸けられています。しかも帝に逆らったというフェイクニュースが一斉に広まって、同盟関係にあった徐州の劉備殿すら僕を狙ってくる始末。孟徳や荀彧殿は帝の誤解を解こうと必死に説得に当たってくれていますが、どうなることか」

 

「気苦労が絶えませぬな」

 

「孫伯符の活躍だけが救いですよ。今度落ち着いたらこちらに顔を見せるように伝えておいてください」

 

「御意」

 

「しかし、陰で董承に一番大きな影響を与えているのは、冀州の本初(袁紹の字)でしょう。それでこちらは後手後手に回っています。やることが多くて、どれから手をつけてよいものやら。ついついハチミツとの会話が長くなってしまっています」

 

「ハチミツ…… ああ、以前にお話されていたセルフコンパッションのことですか。子敬(魯粛の字)め、余計なアドバイスをしたものです」

 

「いえいえ、私の中の、あるがままの私を受け止めてくれる存在は心強いです。助かっていますよ」

 

「しかし、それで目前の問題から目を背けてしまったのでは、本末転倒。状況を改善するためにも、私から集中力を高める方法をお伝えさせていただきたい」

 

「ほう、それは興味がありますね。ぜひお聞きしたい」

 

 

 

脳の仕組みとセルフ・ハンディキャッピング

袁術

 

「私たちの遠い祖先は、絶えず周囲から襲われる危険がある中で生活をしていました。そのために周囲に注意を払うことは本能的なものなのです。何かひとつに集中しようとしても、別の刺激があれば、どうしても、そちらに意識が向いてしまいます

 

「なるほど、人は元来、集中しにくい生き物なのですね」

 

「しかし、人の脳はひとつのことしか決断できません。同時にふたつ以上の決断はできないようにできているのです。ですからマルチタスクを行うと、生産性が4割低下します

 

「集中しにくいが、集中しなければ成果は出ないということですか」

 

「おっしゃる通り。しかも、問題は脳だけではなく、心理面も大きな影響を与えています。それがセルフ・ハンディキャッピングです」

 

「聞いたことがない言葉ですね」

 

「自ら困難な状況を作り上げ、失敗した際の言い訳を作るのです。大事な出来事が控えているのに、そのための準備に勤しむことなく、別のことを始めてしまう。関係ない書物を読み始めたり、掃除を始めたり。その行為によってハードルが上がっているので、失敗しても自尊心は傷つきません。逆にハンディキャップを抱えながら成果を出したのであれば、大いに自尊心は高まる。これは、自分を守るための心理機制なのです」

 

「なるほど、自分を守るために集中できない心理状態になっているというわけですか」

 

 

 

集中力を高める方法

袁術

 

「では、どうすれば集中力を高めることができるのですか?」

 

脳が集中できる限界時間は90分です。人の体内時計の1サイクルをサーカディアン・リズムと呼びますが、これが90分なのです。集中するためにはメリハリが大切ということになります。いかに時間を上手く管理できるかです」

 

「90分。ではその時間を意識していけばいいのですね」

 

「それをウルトラディアン・リズムと呼びます。90分フルに集中したら、必ず20分の休憩を取るのです。休憩がとても重要になります。これを3回繰り返したら、長めの休憩を取ります

 

「休憩で仮眠をとっても大丈夫なんですか?」

 

「はい。しかし仮眠は20分が限度とされています。30分以上眠ってしまうと、レム睡眠とノンレム睡眠が入れ替わってしまい、深い眠りに入ってしまって、起きてもパフォーマンスが低下してしまうからです」

 

「今の僕には90分も集中を続けるのは難しそうですね」

 

「では、ポモドーロ・テクニックがおすすめです。こちらは25分集中したら5分の休憩を挟みます。4回繰り返したら長めの休憩を入れるのです」

 

「25分ならば集中も続きそうな気がしますね」

 

「それも重要ですね。行動に移すことで、脳の側坐核を刺激してドーパミンを分泌させます。自然とやる気が高まるのです。ただし、必ず25分が経過したことに気が付くようにしてください。短い時間なので、やるべきことはひとつのタスクのみです。マルチタスクは厳禁になります。余計なことを考えず、とにかくひとつのタスクに集中します」

 

「時間に対してそこまでのこだわりはなかったですね。ぜひすぐにでも実践してみましょう」

 

「もちろん、睡眠時間、食生活も高い集中力を維持するためには欠かせません

 

   

 

まとめ

周瑜に憧れる袁術

 

「今日は大事な話がきけました。重要な問題から目を背けず、ひとつひとつを集中して対処していくことにしましょう」

 

「左将軍様が高いパフォーマンスを発揮さえすれば、冀州牧様(袁紹)とて、うかつには手を出せません。揚州南部が制圧できましたら、孫伯符と共に徐州を攻め、思い違いをしている劉備を叩きのめしてくれましょう」

 

「孫伯符、周公瑾、どちらも僕には心強い味方です。揚州南部は宜しく頼みましたよ」

 

結論

 

・集中力が低下するのは

  • 人の脳は周囲の刺激に敏感に反応するようになっているため。
  • 自分の自尊心を守るためにあえて集中できない状況を自ら作っている。

 

・集中力の高め方

  • 90分集中し、20分休憩する。3回繰り返したら長めの休憩を取る。
  • 25分集中し、5分休憩する。4回繰り返したら長めの休憩を取る。

 

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