小松帯刀は西郷隆盛と大久保利通ともに幕末の薩摩藩士として活躍しました。西郷や大久保と比べると、小松は病弱で35歳の若さで死亡したため、あまり知られていないことが多いです。今回は小松帯刀の大河ドラマ『西郷どん』での役割について考えます。
大河ドラマ「西郷どん」での小松帯刀を演じるのは?
2018年2月14日に『西郷どん』の新キャストが発表されました。小松帯刀を演じるのは劇団EXILEの町田啓太です。町田氏は28歳で、小松帯刀が28歳で家老に取り立てられたことから、小松と重ね合わせてすごく運命を感じているとコメントしています。町田氏は家老職を命じていただいたくらいの気持ちで演じたいと意気込んでいます。
小松帯刀の逸話
ここでは西郷隆盛と小松帯刀との逸話について取り上げます。まず、西郷隆盛と小松帯刀の身分差について取り上げます。西郷隆盛は下級武士ですが、小松帯刀は身分の高い武士でした。西郷は自分よりも身分が高い小松帯刀の度量を確かめるため横になった状態で待っていました。横になった西郷を見て、小松は西郷に枕を持って行くようにと従者に伝えました。下級武士に対しても平等にふるまう小松の態度に対して、西郷は委縮したと言われています。
小松帯刀の評価「もっとも魅力的な人物」
西郷隆盛と小松帯刀の逸話について取り上げましたが、魅力的な人物と評価したイギリス人外交官アーネスト・サトウについて取り上げます。アーネスト・サトウはイギリス人外交官で、通訳を務めました。アーネスト・サトウの日本名は佐藤愛之助で、日本が好きになったイギリス人と言われています。
アーネスト・サトウは小松帯刀をどのように評価したのでしょうか。著書の中で、私の知っている日本人の中で、最も魅力的な人物であると評価しています。小松に対する評価の要因として次のようなことが挙げられます。
「薩英戦争」に敗戦した後、小松は集成館を再興して蒸気船機械鉄工所を設置しています。また、長崎のグラバー商会から最新式の武器(ミニエー銃)を購入して、軍備の西洋化に取り掛かりました。さらに、小松はイギリスの公使パークスをわざわざ薩摩に招いて、薩摩藩の国父・島津久光と引き合わせています。五代友厚らをイギリスに留学させました。
西郷にとって小松はどんな存在だった?
西郷隆盛と小松帯刀の関係は次の通りです。西郷隆盛は下級藩士ですが、小松帯刀は薩摩藩での地位は上位でした。年齢では西郷隆盛のほうが小松帯刀より8歳年上です。小松は西郷のような下級武士に対しても平等に振る舞いました。西郷はこのような小松の態度に対して萎縮しましたが、やがて小松を信頼するようになりました。小松は自ら家老職を担保として、下級武士である西郷の信用を高める役割を果たしました。
西郷は京都での薩摩藩の実質最高責任者である小松のもとでかなり自由に政治活動をすることができました。西郷隆盛にとって小松帯刀はよき理解者であり、政治活動をするには必要不可欠な存在であったと言えるかもしれません。
幕末ライターオフィス樋口の独り言
今回は西郷隆盛と小松帯刀の関係について取り上げました。この記事の西郷隆盛と小松帯刀の逸話において、小松帯刀の身分に関係なく平等に振る舞う態度について取り上げました。小松は病弱で湯治に通っていましたが、湯治場でも身分に関係なく平等に人々と交流していたと言われています。西郷に対する態度も日頃から身分に関係なく交流していたことが要因になっているかもしれません。
小松帯刀を最も魅力的な人物と評価したイギリス人外交官のアーネスト・サトウについて取り上げました。小松が先見の明を持って積極的に行動していたことが評価された要因であると考えられます。今後、大河ドラマ『西郷どん』では小松帯刀の役割と人柄に注目したいと思います。
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