2010年に中国で放送された連続テレビドラマ「三国志Three Kingdoms」。
日本でもいくつかのテレビ局で放送され、今でもインターネットやDVDで観ることができます。その「三国志Three Kingdoms」の諸葛亮がイケメンすぎるという記事は以前書きましたが、そのイケメン諸葛亮が、三顧の礼の場面で怒り狂っている張飛のハートを一瞬でキャッチするシーンがあり、なかなか面白いのでご紹介させて頂きます!
張飛が怒った理由
三顧の礼は、劉備が諸葛亮を自分の幕僚に加えるために彼の家を三度も訪問したという逸話です。ドラマでは、最初の二度の訪問時は留守。三度目は家にいたのですが、諸葛亮は昼寝中でした。門番が諸葛亮を起こそうとしますが、劉備は起きるまで待つと言って門番を制止します。
諸葛亮はなかなか起きず、何時間も経ってしまいました。諸葛亮の部屋の前でじっと立っている劉備を見て、弟分の張飛はカンカンに怒りました。
「兄貴が誠意を尽くしているのに、アンニャロー無礼な態度をとりやがって!腐れ儒者め、俺が火をかけてやる!それで起きるか起きないか見てやろうじゃねえか!」
冷静な関羽
劉備の弟分で張飛の兄貴分の関羽が張飛をたしなめます。「弟よ、軽率なことをしてはならん。座れ」張飛は鼻からふーっと息を出し、「やーめたっ」と言って座ります。
座ってからも目をきょろきょろさせて落ち着きのない張飛。すぐに立ち上がります。関羽がすかさず尋ねます。「また何をするつもりだ」「ションベン行ってくる」「遠くへ行ってはならんぞ」「分かってるよ」時間が経っても張飛は戻ってきません。すると、諸葛亮の部屋の窓の外に炎が!
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煙が充満していても爽やかな諸葛亮
しばらくすると、諸葛亮は詩を吟じながら目を覚まします。(変わった起き方ですね)悠然と吟じ終わってから煙に気づき、眉をひそめてゴホゴホ。羽扇で煙をあおいでいると、おめめの大きなおじさんが室内にいることに気づきます。目が合うと、おじさんはおじぎをして自己紹介を始めました。
「新野の劉備、臥龍先生にお目にかかりに伺いました」
諸葛亮は笑みを含みながらつかつかと劉備に近づいて行き、「二度もお越し頂いたのにお迎えできず、お恥ずかしい限りです。本日もお出迎えもいたしませず失礼いたしました」こう言い終わった時には「近っ!」てなるくらいの至近距離。そこで立ち止まってお辞儀をします。迫ってくる諸葛亮の笑顔とキラキラ輝いている瞳の圧は半端ないです。惚れてまうやろー!
張飛が怒鳴り込む
お辞儀が終わると、諸葛亮は劉備の顔を真正面から見つめながらこう言います。「しかし……どうして火事が起こったのでしょうな?」あんたのせいやろ、と思っていそうな目つきです。すると張飛の怒鳴り声が聞こえてきます。「諸葛亮! てめえ、聞きやがれ!」言いながら、張飛がつかつかと室内に入ってきます。
「俺の兄貴をなんだと思ってやがる!何度も会いに来たってえのに、てめえふらふらと遊び歩いていやがって、帰って来やしねえ!やっと戻ってきたと思ったら、死んだ豚みてえに眠りこけていやがって、兄貴にたっぷり六時間以上も待たせやがったな!もう我慢がならねえと火をかけてやったのさ。文句があるなら言ってみな!」
「無礼者!」
こう言ったのは劉備。
「早くひざまずいて先生に謝るのだ」
張飛のハートをキャッチ!
焦って張飛を叱りつける劉備に、諸葛亮は涼しげにこう言います。「将軍、この方を責める必要はありません」張飛のほうに顔と体を向け、涼しげにこう言います。
「あなたが張翼徳どのですね。噂通り真心に満ちあふれた方だ」おっと、張飛がちょっと得意げに上を向きました。
諸葛亮は続けます。
「この庵は古びてぼろぼろだったので、
燃えてすっきりしましたよ。天の配剤です。
張将軍にお礼を言わなければ」
張飛は声をたてて笑いました。
「孔明(諸葛亮)は口がうまい!」
もう張飛のハートは諸葛亮のものですね。張飛が怒鳴り込んできた時に、お供の無礼な人として応対するのが普通であるのに、しっかり体を向けて「あなたが張翼徳どのですね」と言われただけで、張飛のハートは7割ぐらいまでつかまれていたと思います。放火の無礼をとがめないばかりか、それを劉備への真心と解釈する諸葛亮。張飛は表面上はクールを装っても、内心ではもうメロメロだったことでしょう。
三国志ライター よかミカンの独り言
すごいですね、諸葛亮。張飛の怒髪天モードから一瞬でハートをつかむとは、なみなみならぬ手腕です。鬼謀神算キャラとして描かれることの多い諸葛亮、「三国志Three Kingdoms」でもただ者ではないようです。
ところで、英語で「心をつかむ」は、「キャッチ ザ ハート」とは言わなさそうですよね。何年も前にやっていたテレビアニメ「ハートキャッチプリキュア!」の「あなたのハートをキャッチします!」というフレーズが忘れられず、変な和製英語を言いました。失礼いたしました。
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