2020年の東京五輪の開催が迫っています。2019年に1964年の東京五輪を題材にした大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』が放送されます。1964年のオリンピックは10月10日に開会式が行われました。後に祝日で体育の日となりましたが、現在はハッピーマンデーで10月の第二月曜日になっています。
気象庁のホームページによれば、1964年の7月と8月の気温は30度前後で、70%以上の湿度であることから熱中症になりやすい環境でした。2018年については夏の気温が35度を超える日があり、70%以上の湿度です。毎年夏になると、熱中症で死亡する人がいます。ニュースで適切に冷房を使うことや水分を補給することで熱中症の予防を呼びかけています。
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なぜ7月・8月の東京五輪の開催にこだわるのか?
2020年の東京オリンピックは7月24日に開幕し、8月9日に閉会することが決まっています。この時期は本当に暑い時期で、外に少し出かけるだけで汗が噴き出し、倒れそうになります。
1964年の東京オリンピック、1968年のメキシコオリンピック、1988年のソウルオリンピックについては暑さを考慮して秋に開催されています。前例があるから7月・8月の開催にこだわる必要がないと思う読者がいるかもしれません。
オリンピックの開催時期を7月・8月あたりに集中させるようになった要因として夏休みが挙げられます。7月・8月は欧米の夏休みで、1ヶ月から2ヶ月の間でまとめて休みをとります。
猛暑を考慮して開催時期を10月にずらす意見が出ていますが、10月に開催時期をずらすと欧米の人が休みを取りにくくなると考えられます。IOC(国際オリンピック委員会)は欧米の人が休みを取りにくいために訪日外国人が減り、収入が落ち込む可能性があるため、7月・8月の開催にこだわっていると考えられます。
2020年の東京五輪の暑さ対策とは?
これまでの東京オリンピックにおける暑さ対策を取り上げます。10月に開催時期をずらすことは可能性としてほとんどなくなりました。
暑さ対策として競技の開催時間を早朝と夕刻以降にずらすことが議論されています。具体的には、男子・女子ともにマラソンの競技時間は午前4時頃スタートで、午前10時までに終えるという対策をとることで決着しそうです。マラソン以外では、トライアスロンや屋外の水泳競技も正午までに終わらせる対策を検討しているようです。
猛暑対策として開催時間をずらすこと以外の対策として次のようなことが挙げられます。コース周辺には木陰をつくるための街路樹を植えることやミスト散布することが挙げられています。
東京五輪ライターオフィス樋口の独り言
今回は東京五輪の猛暑対策について取り上げました。この記事の前半で、IOCが夏季オリンピックの開催時期を7月・8月にこだわる要因を挙げました。
欧米の人が夏休みを7月と8月に集中して取るため、開催時期を10月にずらすと訪日外国人が少なくなり、収益が少なくなることを、IOCは懸念していると考えられます。1964年の東京オリンピックと比較して、放映権や収益面で影響が出ないことが分かれば開催時期を秋にずらしてもよいのではと思います。
後半では、2020年の東京オリンピックの暑さ対策を取り上げました。マラソンの時間を早朝にすることが検討されていますが、現地時間で早朝に競技をしたオリンピックがあったのか気になります。夏のオリンピックで暑さ対策として早朝または夕方以降に競技を行った事例の有無に注目したいと思います。
コース周辺に木陰を作るための街路樹を植えることやミスとの散布などが検討されていますが、読者の中にはこのような暑さ対策で大丈夫なのか心配している読者がいると思います。競技している選手だけでなく、ボランティアなどの大会の運営委員や観客の健康面の問題も心配されます。今後の暑さ対策に関する議論にも注目したいと思います。
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