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第20話:袁術くん「やりたいことをして生きていく」について袁紹から学ぶ【最終話】

2019年2月25日


 

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袁術

 

 

「本当にやりたいことをして生きていきたい」そう願う人は多いですが、「生活していくためには仕方がない」と諦めてしまう人もいます。どうすればやりたいことをして生きていけるのでしょうか。

 

この記事を読み終わる頃には、あなたは人生をポジティブに歩むことができる方法をひとつ手に入れています! 今回が袁術くんの成長日記の最終話となります。

 

※このお話は、三国志に登場する袁術(公路)が、21世紀のビジネスシーンで支持されている様々な「自己啓発」のやり方を学び、実践していく物語になっています。やや、21世紀風のセリフ回しになっている部分はご了承ください。

 

関連記事:第1話:袁術くん、ポジティブになるために「リフレ―ミング」を学ぶ

関連記事: 第2話:袁術くん、将来に希望を持つために「自己肯定感」を高める

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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袁術くん、袁紹に久しぶりに再会する

袁紹

 

袁術くんは、四世に渡り三公を輩出したという超超名門である汝南袁氏に生まれました。

父の袁逢は三公の中の司空に就いたことがありましたが、すでに病没し、この世を去っています。

 

建安二年(197年)、寿春にある袁術くんの館に、兄である袁紹(字は本初)が訪れていました。再会するのは実に7年ぶりとなります。袁術くんと袁紹は、最近は袁氏の家督を巡って紛争関係にあり、袁紹が曹操や劉表と結んでいるのに対し、袁術くんは公孫瓚や呂布と結んで対抗していました。

 

「お久しぶりですね、兄上、お元気そうで何よりです。大将軍に任命されたとか、心よりお喜び申し上げます」

 

「あんなものは所詮、孟徳(曹操の)の忖度よ。権威の失墜した朝廷から、今更、大将軍の官位などもらっても嬉しくも何ともない。それはそうと、お前さんもずいぶんと精力的に働いているようだな」

 

「さて、何のことでしょうか。僕は今や朝廷から逆賊扱いされている身。兄上のような立身出世はもう望めません」

 

「その割にこの街は賑わっているぞ」

 

「戦乱を逃れて移り住んでくる民が多いのです。孟徳は相変わらずの戦好きですからね」

 

「そうか、土地を捨てた流民どもか…… にしては、頑強な身体つき。戦慣れした連中ばかりのようだが?」

 

「久しぶりにお会したのに、兄上の疑り深さは相変わらずですな。それでは配下の者たちも気が抜けず、肩が凝るでしょうに」

 

「お前さんはずいぶんと変わったな」

 

「そうでしょうか」

 

「以前はまったく存在感がなかったし、いつも逃げ腰で、自信なさ気だったはずだが」

 

「実の弟に対しあまりな言いようですね」

 

「実の弟か…… まあいい。であれば、兄の邪魔はせぬことだ。俺はやりたいことをして生きていくことに決めた」

 

「やりたいことをして生きていく? その話、ぜひ詳しくお聞きしたいです」

 

 

 

やりたいことをどう見つけるのか

袁紹

 

「これまで俺は、四世三公の袁氏の名に恥じぬようにということだけを考えて生きてきた。誰よりも堂々とあり、多くの清流派の名士を認め、受け入れ、その主張に耳を傾ける君主あろうとしてきた」

 

「それが兄上のやりたいことでは?」

 

「いや、ただそうあらねばならないと思い込まされていただけのことだ。実際はやつらのつまらぬ美徳に振り回されるのはまっぴらなのだ。人とは不思議なものよ、不満を感じれば感じるほどに目指すべき目標が見えてくる。モチベ―ションも高まってくるのだ」

 

「兄上は何をしたいのですか?」

 

「どうすればこのような束縛にまみれた不自由な世界から抜け出すことができるのかを考えた。自由とは何かに興味を持ったのだ。そしてその命題について名士たちと語り合い、書物を読み漁り、興味をさらに掘り下げていくと、いつの間にか真の自由を得ることに情熱を注いでいた。情熱とはこれほど熱いものかと初めて知ったよ」

 

「真の自由…… 興味を掘り下げれば、本当にやりたいことが見つかるということですか。情熱をもって取り組むべき目標が見えてくると」

 

「そうだ。そして俺は、自分の行いをひとつひとつ丁寧に振り返ってみた。些細な言動もすべてだ。何のためにしているのか、その意味を考えた。なぜ冀州の牧になったのか、なぜ公孫瓚と対立しているのか、なぜ帝を保護せず孟徳に任せたのか、なぜ名士や勇将を多く招聘しているのか、なぜ袁氏当主になろうとしているのか……」

 

なぜを繰り返していくと、究極の関心に辿り着くと聞いたことがあります。兄上はどこに辿り着いたのですか?」

 

「誰にも従わず、誰に色にも染まらず、誰の干渉も受けないためだ。この天下で最も自由でありたいというのが俺の究極的な関心だということに気が付いた」

 

「それでは世を捨てなされ。そうすればあらゆる干渉を断つことができましょう」

 

「馬鹿な。この乱世、力がすべて。世を捨て、山に籠ったところで、山賊や流民どもにこき使われるのがオチよ。自由を手に入れるためには、誰にも屈することのない力が必要なのだ。それを手に入れるのが俺のやりたいことだ」

 

 

 

やりたいことを実現するための方法

 

「やりたいことが見つかったとしても、それはあまりにも荒唐無稽な話。実現などできやしません」

 

「百人に語れば百人がそう答えよう。しかし俺はそのようなドリームキラーの言葉など聞く気はない。だからといって思い浮かべるだけであれば、夢はあくまで夢。叶えることはできぬ。そのためには努力と目的が必要だ」

 

「努力と目的?」

 

「そうだ、俺は理想の君主を目指し、演じ続ける努力をする。そうあることで俺の領地は安泰となり、領民は平和を謳歌することができよう。それを全土に波及させるために俺は史上最も優れた帝となる」

 

「よもや兄上からそのような戯れを聞くことになろうとは」

 

「興味を掘り下げ、情熱を傾けただけではやりたいことは実現できぬ。俺がやりたいことを実現することで、この社会にどう役立つのかという目的を明確にすること。それがはっきりすれば苦難も乗り越えられよう。そして、10年で1万時間を費やす覚悟だ」

 

情熱と目的、10年1万時間の努力でやりたいことは実現できると? 本気でそうお考えなのか?」

 

最後に必要になるのが希望だ。どれだけ失敗し、失態を繰り返そうともそれが成功の下地となると信じ、改善していく。これを継続していけば、必ずやりたいことは実現できる」

 

   

 

まとめ

美化された袁紹に羨む袁術

 

「それはいったい誰の入れ知恵なのです?」

 

「俺は荊州の劉表に会ったついでに、ここに立ち寄ったまでだ」

 

「荊州? それでは劉表殿がそのようなことを?」

 

「いや、荊州に住む16歳の小僧よ。地元では臥龍と呼ばれておったわ。連れていった参謀の田豊もいとも簡単に論破され、俺はその小僧に諭されて、自らの生き方を見つめ直すことになったのよ」

 

「どうやら決心は堅いようですね。では、僕からもお伝えしておきましょう。僕は兄上よりも一足先に皇帝に即位いたしました。これより僕は漢の臣下でも、逆賊でもなく、仲王朝の皇帝です」

 

「なるほど、それで寿春はこの賑わいと物々しさか。お前さんの成長ぶりは認めるが、帝の器量にはまだまだだろう。無理をすると自滅するぞ」

 

「であれば自己研鑽を続けるまでのことです。10年1万時間、失敗を繰り返そうとも学びの時期と受け止めて前進するのみ。たった今、兄上にそう教えていただきました。この国の乱世を鎮め、法治を徹底し、穏やかな日々を取り戻すべく、僕がその柱となりましょう!」

 

結論

 

・やりたいことを見つけるためには

  • 興味をさらに掘り下げる努力が必要。
  • 自分の日々の行動や思いに対して「なぜ?」を問いかけ、究極的な関心を見つける。

 

・やりたいことを実現するためには

  • 興味を掘り下げて「情熱」とする。
  • それが社会のためにどう役立つのか、「社会的な目的」を意識する。
  • 「希望」を持ち続け、失敗しても改善していく努力を「10年、1万時間」続ける。

 

袁術くんの成長日記

 

 

 

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