2020年の東京オリンピックに向けて準備が着々と進められていますが、開催終了後、選手村などの施設の維持管理と有効活用が課題となっています。レガシーは英語で「遺産」という意味ですが、オリンピックの場合のレガシーは開催終了後の競技場などの施設の利用のことを意味します。
今回は2016年のリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック終了後のレガシー問題と2020年の東京オリンピック・パラリンピックのレガシー問題対策について取り上げます。
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2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックのレガシー問題
2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック終了後の施設について気になっている人がいると思います。この記事では主な場所を取り上げます。
最初に、バスケットボールやフェンシングの会場だった場所について取り上げます。オリンピック・パラリンピック終了後、閉鎖された状態で誰も立ち入ることができない状態です。
次に、五輪公園について取り上げます。当時のリオデジャネイロ市長は、公園はみんなのものと宣言し、解放すると宣言しました。しかし、民間企業との広告契約が切れた関係で週末を含め閉鎖された状態が続いています。
リオデジャネイロオリンピックで114年ぶりにゴルフがオリンピック競技として復帰しまし、注目されました。オリンピック終了後、ゴルフ場は閉鎖されていませんが、富裕層しか使われていないため閑散としています。
選手村はマンションとして販売する予定でしたが、契約が成立したのは10%程度で有効活用できているとはいえません。住んでいる人が少ないためゴーストタウンのようになっています。他に、競技場は火災で焼けたり、小学校として活用する予定だったハンドボールの会場は解体されずに資材などが放置されたままだったりと評価できる内容ではありません。
2020年東京オリンピックのレガシー問題対策とは?
リオデジャネイロだけでなくアテネオリンピックや北京オリンピックなどでも開催後の競技施設の維持費の負担が問題となっています。これまでのレガシー問題に対して2020年東京オリンピックではどのような対策をしているのか取り上げます。
最初に、競技施設について取り上げます。ほとんどの競技施設については既存のものを利用しています。また、一部の競技については東京都の隣の千葉県・埼玉県・神奈川県の施設も利用し、費用を抑えたコンパクトな大会にすることを心がけています。
次に、新規に建設する施設について取り上げます。これまでのレガシー問題を踏まえて建設前から大会後の活用法を視野に入れているのが特徴として挙げられます。1964年の東京オリンピックで建設された国立競技場については建て替えられていますが、オリンピック終了後に収益性を重視してサッカーなどの競技場に改修して継続して使用することが決まっています。
他に、選手村はオリンピック終了後に分譲マンションとして販売するなど後利用を考えた計画が立てられています。
東京五輪ライターオフィス樋口の独り言
今回は2016年リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック終了後のレガシー問題と2020年東京オリンピックのレガシー問題対策について取り上げました。
リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック終了後、競技施設が有効に活用されず、ゴーストタウン化している状況に驚きました。リオデジャネイロだけでなくこれまでの大会においてもレガシー問題が起こっていると考えられます。
レガシー問題だけでなく招致活動にかかる費用が高騰していることも問題になっています。2024年のオリンピック候補地について、ローマなどがオリンピックにかかる費用が高騰していることを理由に立候補を取り下げています。費用の高騰によって今後開催できない恐れがあると指摘されています。
2020年東京オリンピック・パラリンピックは既存の施設を活用したコンパクトな大会にすることを試みています。上昇しているオリンピックの費用を抑える鍵になるかもしれません。オリンピック・パラリンピック終了後の東京にも注目したいと思います。
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