2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。オリンピック開催に合わせて景気との関係が気になります。
この記事の前半で1964年の東京オリンピックと景気との関係について取り上げます。後半では2020年東京オリンピックと景気との関係について取り上げます。
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1964年のオリンピック景気
1945年に第二次世界大戦に敗戦した日本は国富の約4分の1を失い、経済状況はどん底の状態で焼け野原でした。1950年に朝鮮戦争が始まると、日本は米軍の物資の輸出の拠点となったことで高度経済成長を遂げました。朝鮮戦争によると高度経済成長を特需景気といいます。
朝鮮戦争が休戦状態に入った後も高度経済成長を遂げました。1962年から1964年にかけて東京オリンピックの開催に向けて新幹線や高速道路の整備など公共事業が積極的に行われ、1964年の実施率経済成長率は11.2%でした。
東京オリンピック開催後、経済成長率は1964年の11.2%から5.7%まで下がりました。1964年のオリンピック後から1965年にかけての不況を昭和40年不況といいます。昭和40年不況の時期において、倒産件数が大幅に増加したり、山一証券が経営危機に陥ったりするなど不景気による影響が出ました。
1965年に国債発行を行って公共事業を行いました。その結果、公共事業による景気刺激策が成功し、1966年から1970年まで10%の経済成長を達成しました。
2020年の東京オリンピック景気
2020年の東京オリンピックの経済効果が予測されています。招致が決まった2013年から大会終了後の2030年までの経済効果について約32兆円と試算されています。
オリンピック閉幕後の経済成長率が鈍化する傾向が見られます。1964年の東京オリンピックだけでなく、ほとんどのオリンピック大会で閉幕後の経済成長率の鈍化が見られます。経済成長率が鈍化する要因としてオリンピックの施設を有効活用できていないことが挙げられます。
オリンピックの施設の有効活用問題のことをレガシー問題といいます。選手が宿泊する選手村と試合会場の建設・改装にかかる費用に注目します。比較する材料として2016年のリオデジャネイロオリンピックを取り上げます。
リオデジャネイロオリンピック閉幕後、競技施設は立ち入り禁止になっている箇所や資材などが放置されている状態で活用できていません。選手村をマンションとして販売しましたが、契約に至っているのは10%程度で有効活用できているとは言えません。
2020年の東京オリンピックについて、国立競技場を改装しただけで、ほとんどの競技場が東京都とその周辺の既存の施設を利用しています。既存の施設を利用していることで、費用を抑えることができて、閉幕後の活用法も決まっていることからレガシー問題による経費がかさむ可能性は低いと考えられます。
東京五輪ライターオフィス樋口の独り言
今回は1964年の東京オリンピックと2020年の東京オリンピックの景気との関係について取り上げました。1964年の東京オリンピック閉幕後の経済成長率が鈍化し、昭和40年不況に陥っていたことが分かりました。この不況に対して公共事業による景気刺激策で景気は回復したことが分かりました。
1964年の東京オリンピックだけでなく、ほとんどのオリンピック大会で閉幕後に不況に陥っていたことが分かりました。不況の要因として閉幕後の施設の有効活用問題を挙げました。ほとんどが既存の施設で開催される2020年の東京オリンピックで施設の有効活用による経済成長率の鈍化を最小限に抑えることができるのか注目したいと思います。
1964年の東京オリンピックの後、1975年に大阪万博が開催されました。2020年の東京オリンピックの5年後の2025年に大阪万博が開催されます。東京オリンピックと大阪万博の間の日本経済について注目したいと思います。
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